化学書評

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化学、主に有機化学に関する書評を投稿します。基本的にネットに情報が落ちていないようなマニアックな書籍をターゲットにしています。amazonアソシエイトを利用しています。

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化学系出版社

初めに 化学系の出版社一覧が欲しいと思ったことがないだろうか。一応、自然科学に関する出版社がまとめられたwikiの記事もあるのだが、数が少なすぎるので使い物にならない。従って、自分で作ることにした。 ただ、”化学系出版社”という概念があやふやなので、「化学系の書籍を一冊以上は出版していること」を最低限の条件とした。つまり、化学を主とした出版事業でなくても可とした。ただ、化学と編にいっても、分野は多種多用で、最近では融合が加速したことで分野間の境目も極めて薄いものとなってい

    • 書評:Pythonで動かして始める量子化学計算

      読んだ本 野田秀俊 著、Pythonで動かして始める量子化学計算、初版第1刷、コロナ社、2014年、224頁. 分野 量子化学計算、量子化学、DFT、プログラミング 対象 初めてPsi4で量子化学計算をやりたい人 評価 難易度:易 ★★★☆☆ 難 文体:易 ★★☆☆☆ 難 内容:悪 ★★☆☆☆ 良 総合評価:★★☆☆☆ あまり親切ではなく、結局WEBで調べざるを得ない 内容紹介 【読者対象】 本書は「量子化学計算を始めてみたいと思った初心者」を対象に,量

      • 気になる新刊(23/12~24/3)

         計算化学をやっていると一度は見たことがあるであろう、化学の新しいカタチというブログの主による書籍。タイトルの通り、Pythonを用いた計算化学についての実践的書籍のようである。目次をみると、本当に初歩的なところからSAPT法とマニアックな計算までのっているようである。私は基本的にGaussian, GAMESS, ORCAしか使わないのだが、これを機にPsi4に手を出してみてもいいかもしれない。著者自らによる紹介の記事もあるので参考にするといいだろう。 2024/4/5

        • 書評:Gaussianプログラムによる量子化学計算マニュアル

          読んだ本 新化学発展協会 編、堀 憲次 監修、Gaussianプログラムによる量子化学計算マニュアル 計算入力法から実験値との比較まで、初版第2刷、丸善出版、2010年、120頁. 分野 計算化学、コンピュータ化学、DFT計算、量子化学 対象 Gaussianで特定の計算 (後述) がわからない人 評価 難易度:易 ★★☆☆☆ 難 文体:易 ★★☆☆☆ 難 内容:悪 ★★★☆☆ 良 総合評価:★★★☆☆ 痒い所に手が届く一冊 内容紹介  量子化学計算は、ソ

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        • 書評:計算化学
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          書評:有機合成のための遷移金属触媒反応

          読んだ本 辻二郎 著、有機合成のための遷移金属触媒反応、第1版第3刷、東京化学同人、2012年、154頁. 分野 有機金属化学、遷移金属錯体化学 対象 有機金属化学を初めて学ぶ学生 (B3~M1) 評価 難易度:易 ★★★☆☆ 難 文体:易 ★★★☆☆ 難 内容:悪 ★★★★☆ 良 総合評価:★★★★☆ 有機金属初学者向けといえばこれ 内容紹介  本書は有機合成化学協会の出版委員会の一企画として,とくに合成を専門とする有機化学者のために,錯体触媒を用いる

          書評:有機合成のための遷移金属触媒反応

          書評:有機化学のための量子化学計算入門

          読んだ本 西長亨・本田康 共著、有機化学のための量子化学計算入門-Gaussianの基本と有効利用のヒント-、第一版一刷、裳華房、2022年、224頁. 分野 計算化学、コンピュータ化学、DFT計算、量子化学 対象 GaussianでDFT計算を始める初心者 評価 難易度:易 ★★☆☆☆ 難 文体:易 ★★☆☆☆ 難 内容:悪 ★★★★★ 良 総合評価:★★★★★ 初心者用Gaussianマニュアル書の頂点に君臨 内容紹介  量子化学計算に興味はあっても

          書評:有機化学のための量子化学計算入門

          書評:電子構造論による化学の探求 第二版

          読んだ本 田崎健三 訳、電子構造論による化学の探求、第二版第6刷、ガウシアン社、1998年、302頁. 分野 計算化学、コンピュータ化学、DFT計算、量子化学 対象 GaussianでDFT計算を始める人 評価 難易度:易 ★★★☆☆ 難 文体:易 ★★★★☆ 難 内容:悪 ★★☆☆☆ 良 総合評価:★★☆☆☆ 公式本だが良書とは言えない 内容紹介  「電子構造論による化学の探究」は計算機化学の入門書です。化学現象の研究に電子構造論をどう適用したらよいか

          書評:電子構造論による化学の探求 第二版

          書評:有機合成の定番レシピ

          読んだ本 上村明男 訳、研究室ですぐに使える 有機合成の定番レシピ、初版第6刷、丸善、2017年、246頁. 分野 有機化学、実験化学 対象 有機系研究室に配属されたB4 評価 難易度:無評価(実験書のため) 文体:無評価(実験書のため) 内容:悪 ★★★★☆ 良 総合評価:★★★☆☆ 初心者向け有機化学実験書の双璧をなす 内容紹介  合成化学者必携。あなたが思い描いた化合物、さて、どのようにつくるべきか。どんな反応を用いればよいの?どんなテクニックがあ

          書評:有機合成の定番レシピ

          書評:研究室で役立つ有機実験のナビゲーター

          読んだ本 上村明男 訳、研究室で役立つ有機実験のナビゲーター、第3版、丸善、2018年、370頁. 分野 有機化学、実験化学 対象 有機系研究室に配属されたB4 評価 難易度:易 ★☆☆☆☆ 難 文体:易 ★☆☆☆☆ 難 内容:悪 ★★★★☆ 良 総合評価:★★★★☆ 初心者向け有機化学実験書の双璧をなす 内容紹介  実験を行ううえでもっとも重要である基礎的な技術や知識についてまとめた入門書として好評を博した書籍の第3弾。実験ノートの取り方など「いまさら

          書評:研究室で役立つ有機実験のナビゲーター

          書評:合成化学者のための実験有機金属化学

          読んだ本 佐藤史衛・山本經二・今本恒雄、合成化学者のための実験有機金属化学、第1版第1刷、講談社サイエンティフィク、1992年、270頁. 分野 実験化学、有機化学、有機金属化学 対象 有機系に研究室配属されたB4以上 評価 難易度:無評価(実験書のため) 文体:無評価(実験書のため) 内容:悪 ★★★★☆ 良 総合評価:★★★★☆ 特化したからこその良著 内容紹介 合成手法の実際と適用範囲を詳述した実験書大きな発展しつつある有機金属化合物を利用する合成

          書評:合成化学者のための実験有機金属化学

          書評:実験のための溶媒ハンドブック

          読んだ本 池上四郎 編著、実験のための溶媒ハンドブック、第1版、丸善、1990年、168頁. 分野 実験化学、有機化学 対象 実験系研究室のB4~M2 評価 難易度:無評価(実験書のため) 文体:無評価(実験書のため) 内容:悪 ★★☆☆☆ 良 総合評価:★★☆☆☆ わざわざ買う必要はないが、地味に使えなくもない 内容紹介 本書は、溶媒の重要性と知識を最小限にまとめて提供することを意図した。理学、工学、農学、医学、薬学にわたり、最もよく使用するであろう有

          書評:実験のための溶媒ハンドブック

          書評:フッ素の特性が織りなす分子変換・材料化学

          読んだ本 日本化学会 編、フッ素の特性が織りなす分子変換・材料化学、第1版第1刷、化学同人、2024年、200頁、(CSJカレントレビュー, 47). 分野 フッ素化学全般 対象 フッ素化学に関わる全ての人 評価 全体の評価はできない 内容紹介 最先端で高機能性フッ素系材料の創製や、独創的な合成反応の開発を目指して研究を行っている研究者の成果を集め、系統的に紹介した。(引用:フッ素の特性が織りなす分子変換・材料化学 - 株式会社 化学同人 (kagakud

          書評:フッ素の特性が織りなす分子変換・材料化学

          書評:フッ素系生理活性物質の開発と応用

          読んだ本 石川延男 監修、フッ素系生理活性物質の開発と応用、普及版第1刷、シーエムシー、1999年 分野 フッ素化学、薬学、創薬、含フッ素医薬品 対象 創薬に関する人、有機フッ素化学に関する人 評価 難易度:易 ★★★☆☆ 難 文体:易 ★★★☆☆ 難 内容:悪 ★★★☆☆ 良 総合評価:★★★☆☆ フッ素化学の中でも創薬方面に特化したマニアック本 内容紹介 実用的な立場にたって、現在までに開発され、市場化されているものを中心として、フッ素系生理活性物質

          書評:フッ素系生理活性物質の開発と応用

          書評:文系でも3時間でわかる 超有機化学入門

          読んだ本 諸藤達也、文系でも3時間でわかる 超有機化学入門、第1版第1刷、裳華房、2021年 分野 有機化学、有機金属化学、有機化学史 対象 有機系に配属された学部3, 4年生 日本のクロスカップリング反応の歴史に興味を持っている人 評価 難易度:易 ★☆☆☆☆ 難 文体:易 ★☆☆☆☆ 難 内容:悪 ★★★☆☆ 良 総合評価:★★★☆☆ 同じ立ち位置の本はない唯一無二の存在 内容紹介  今や暮らしに欠かせないスマホの液晶や、有機EL材料、高血圧の治療薬

          書評:文系でも3時間でわかる 超有機化学入門

          書評:有機人名反応

          読んだ本 日本化学会 編、小倉克之 著、有機人名反応、初版第6刷、朝倉書店、2000年、204頁、(化学者のための基礎講座、9) 分野 対象 評価 難易度:易 ★★☆☆☆ 難 文体:易 ★★☆☆☆ 難 内容:悪 ★☆☆☆☆ 良 総合評価:★☆☆☆☆ いらない 内容紹介  発見者・発明者の名前がすでについているものに限ることなく,有機合成を考える上で基礎となる反応および実際に有機合成を行う場合に役立つ反応約250種について,その反応機構,実際例などを解説。(引

          書評:有機人名反応

          書評:Bioorganic and Medicinal Chemistry of Fluorine

          読んだ本 Jean-Pierre Bégué, Danièle Bonnet-Delpon、Bioorganic and Medicinal Chemistry of Fluorine、第1版、John Wiley & Sons, Inc.、2008年、384頁 分野 フッ素化学、有機フッ素化学、薬学、創薬科学 対象 含フッ素医薬品関連に携わっている人 評価 難易度:易 ★★★☆☆ 難 文体:易 ★★★★☆ 難 内容:悪 ★★★★☆ 良 総合評価:★★★★☆

          書評:Bioorganic and Medicinal Chemistry of Fluorine