金魚

臨床心理士で公認心理師です。幼児から成人の神経発達症(発達障害)が専門です。オンライン…

金魚

臨床心理士で公認心理師です。幼児から成人の神経発達症(発達障害)が専門です。オンラインで相談や療育のご依頼を受けています。 大きい人向けの記事も書いています:https://note.com/kotakotakotatsu/

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自己紹介

こんにちは。いつもは療育をしたり幼稚園保育所でカウンセラーをしたり、また大人へのカウンセリングもしたりしています。臨床心理士で公認心理師です。40代女性です。こちらのアカウントでは子育てや家庭にまつわる色々と、発達障害のあるお子さんについてなど書いています。 得意とするのは人の行動から能力的な背景を推定することです。以前は知能検査や発達検査のテスターもしており、検査結果を見てあれこれ考えるのが好きです。『今もっている力』『今やっておくといいこと』『どんな風にすると効果的か』

    • ズルい

      他人にいいことがあると「ズルい」と思ってしまうこと、ありませんか。口に出してしまうとちょっとまずいですけども。 ズルいという言葉からは、『あの人は大した努力もせず不当に良い結果を手にした』『それに比べて自分の現状に不満がある、公平でない』という意味を感じます。非難のニュアンスを含んでいます。 もし非難するつもりがないのに言ってしまうのなら、『いいな、うらやましいな』『私にも同じようなことが起きればいいのに』というのが正しい表現かと思います。 『いや、自分はどうしてもあの

      • この気持ち、ママに何とかしてほしい

        架空事例) Aくんは小学4年生の男の子、ASDの診断があります。 私の療育の生徒さんです。ある日の終了間際、Aくんが爆弾発言をしました。 Aくん:「昨日、お母さんが『もう家から出て行って』て言った」 Aくん母:「(驚)言ってないよ!」 お母さまの説明では、 ①Aくんは学校で嫌なことがあったらしく、帰宅後に同じクラスの子の悪口を言っていた。 ②「あいつ気持ち悪い!」などと30分にわたって繰り返し言うので、お母さまの忍耐に限界がきた。 ③Aくんに「もうこの話おしまい。自分の部

        • 療育とはいかないまでも、ちょっとした行動を身につけるための考え方のコツ。

          ASDやADHDのお子さんに、身につけてほしいこと。子どもさんごとに色々あると思います。 支援者に相談して助言が得られるといいのですが、そうもいかない場合。(行政がやっている相談は半年待ち、とかザラですよね) ご家庭で練習したい時の考え方をご紹介。 目標となる行動を具体的に決める できるだけ細分化する 出来ているところと出来たり出来なかったりするところに線引きをする 上の3で決めたところをターゲットに練習する 1について。 悪い例:「下の子に優しく接する」→漠然

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        自己紹介

          日常生活の中での視覚支援と環境調整~失敗を減らすために

          Rさんは置きやすい所にパッと置いてしまいます。 コップを置こうとした時に自分で「机の中心に置かなくちゃ」と思い出せればいいのですが、急いでいたり次にすることがあると思い出せません。 こういう時は見えるもので、ヒントになるものを設置するといいのです。 今回はコップを置く場所をはっきりさせるため、コースターを使いました。コースターは出したり閉まったりせず、常に置いておきます。 ASDやADHDなど発達障害(神経発達症)をもつかたは、うっかりミスを繰り返すことがあります。コ

          日常生活の中での視覚支援と環境調整~失敗を減らすために

          卵アレルギーの子にラーメン?

          小さい子と一緒にいると、何かにつけ子どもに合わせることが多くなります。どこに行って何をするか、食事の場所選びなど。 前にチェーン店のラーメン屋さんで、幼児を連れたお客が「子どもが卵アレルギーなので、卵無しの麺ってあります?」と言っていました。 →案の定、店員さんに「ありません」と言われていて。 卵アレルギーの子を連れてラーメン屋さんに来る…のかぁ…と思いました。 きっとそのかた、店選びの基準が『自分の食べたいもの』だったのでしょう。 自分1人だったらその基準でいいので

          卵アレルギーの子にラーメン?

          落ちついている時は正しい行動がわかるのに、その場ではできない

          神経発達症(発達障害)のあるかたにはよくあることだと思います。 「こういう時はこうする」とわかっているのに、実際はできない場合があります。 ・親切にしてもらったのにお礼を言わない ・自分が担当した作業が進んでいないのに、提出期日まで黙っている ・謝罪の言葉を伝えるべき場面なのに、あいまいな表現しかせず相手が怒る 考えられる原因はいくつもあります。 ・「今がその行動をとる時」だと気づいていない ・自分の気持ちの対処で精いっぱい ・問題の認識から行動までの間に時間がかかる

          落ちついている時は正しい行動がわかるのに、その場ではできない

          謝れない

          素直に謝れない子どもさんに、私ならどんな風に話をするかなーと考えてみました。 自分が悪いところがあったのはわかってる。でも抵抗を感じてどうしても謝れない。 ↓ よく聞いてみると… 相手も悪かった、状況のせいでこうなった。自分だけが悪いんじゃないから謝れない。 じゃ、どういう時なら謝れるのか。 ↓ 100%自分が悪い時。言い訳の余地がない時。 たいてい、こう思っていらっしゃいます。 …でもどっちかが100%悪い時って、あんまりないですよね。何かしら別の要素があるものです

          謝れない

          発達障がい✕歯医者

          歯医者探しの相談をちょくちょく受けます。 嫌がるだろう施術を受けさせるのは大変ですよね。。 日本障害者歯科学会の認定医がいる、全国の病院などが載っています。 私もTwitterで知りました!

          発達障がい✕歯医者

          コミュニケーション能力への支援(事業について)

          多様性。何でもあり。とはいっても、生きていくために身につけておいた方がいいものの一つが、コミュニケーション能力です。 得意とまではいかなくても、ある程度は力をつけておきたいものです。 他人とのコミュニケーションが苦手=ダメ、とは言いません。 いろいろな人がいる世の中、何が苦手であっても勿論いいのです。 本当は私もコミュニケーションは苦手な方です。特に初対面のかたとは緊張します。今は何とか仕事ができるレベルにはなっていますが、働き始めは苦労しました。 コミュニケーション

          コミュニケーション能力への支援(事業について)

          メンタルが強いって?

          良いパフォーマンスのためには、ほどよい緊張が必要です。 サッカーW杯のPK戦で思ったのです。この一蹴りで決まると思うと、キッカーはものすごい重圧なんでしょうね。トップレベルの選手でも調整は難しいんだなと思いました。 緊張と弛緩のバランスが崩れると、筋肉のコントロールや集中力に大きく影響します。練習でやっていた通りに動いたつもりでも、実際の動きとはやはり違ってくるのでしょう。 話は違いますが、時々聞く話で、『ここぞ、という時にパフォーマンスのレベルが上がる』という人がいら

          メンタルが強いって?

          正しく判断するのは難しい

          架空事例)ある男子中学生が、女子に嫌悪を露わにされています。 目が合ったら「オマエ、俺のこと好きやろ」とすぐ言うからです。 全くそんな事実はなく。勝手に「俺に惚れてる」呼ばわりされた子達は憤慨しています。 彼は『目が合った→自分に気がある』と、相手の気持ちをかなり単純化してとらえています。 でも人の気持ちはもっと複雑ですよね。 他人の気持ちを正しく読み取るためにはいくつかのポイントがあります。 表情、声の調子、視線、体の向きなど。 それを、その時の会話の流れや状況

          正しく判断するのは難しい

          教室の前で動けない

          この記事、別アカウント(こたつ)であげてしまいました。 子ども関連は金魚アカウントで載せるはずがうっかりしました。

          教室の前で動けない

          私が親離れを始めた時の話

          仕事柄、自分が子どもだった頃のことをよく思い返します。覚えていると、子ども視点で世界を見ることに役立つのです。 高校時代、多分1年生の今頃です。 まだ日々の出来事はほとんど母に喋っていました。 ある時はたと気づいて、『こんなに何でも母に知られているって何か嫌だ』と思いました。 『本当に秘密にしたいことができた時、困るのではないか』とも。 それから「わたし、ヒミツ作るから」と宣言。 でもその後もついうっかり言いかけては、「やっぱり内緒」と話の途中でやめたりしていました。

          私が親離れを始めた時の話

          子どもの困った行動に

          無視が効くのは →子どもが相手の反応だけを求めて行動している時 です。 他に何の楽しみも混じっていない時。 でもこれはすごく少ないんです。 困った行動をするのって、その行動自体を子どもが楽しんでいることがほとんどです。 わざと悪い言葉を言うとか。 危ないことをするとか。 本人が楽しいのなら、無視されても子どもはそれをし続けるでしょう。だって楽しいんだもの。 悪い言葉は、悪いとわかっているから口に出すこと自体が楽しいみたいです。 こういう場合、無視だけでは弱いので

          子どもの困った行動に

          家事がしんどい理由と、子どもが宿題をなかなかやらない理由は同じ

          『外で働くvs家事、どちらが楽か』の論争。 →私は『人による』と思います。 どちらに達成感を感じるか、コツコツ型か刺激追求型か。 それによって違うんじゃないかなーと思います。 で、想像ですけど 家事がしんどい派のかたは(私もメンバーです) コツコツ型ではない。…ですよね? そして『よし、やるぞ』と自分を奮い立たせるには、とてもエネルギーが要るはず。 やる気になるまでが大変なんです。 …さて、ここでタイトルの『宿題をなかなかやらない子ども』との共通点が見えてきました。

          家事がしんどい理由と、子どもが宿題をなかなかやらない理由は同じ