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No.19 ノンフィクション小説「ブロークンライフ!!」

No.18 ノンフィクション小説「ブロークンライフ!!」はこちら

2016年10月末

時刻は、18:00
僕は、タイバンルンのヘムにニューオープンした日本食レストラン、
香川屋にいた。

店長の、葛城さんに挨拶をする。

「葛城さん、今日はお世話になります!」

「あ!田中さん!こちらこそ宜しくね!
いっぱい仕込んでおいたから!」

「うわー!楽しみにしてます!」

そう言いながら、2階席に上がって行く。
(今日は、25名だから…1テーブル5名だな。)

段取りをしていると、
一人、また一人とイベントの参加者が
到着する。
「田中さん!お世話になります!
今日は宜しくお願いします!」

「あ~鈴木さん!こちらこそ、
宜しくお願いします!先に会費を50万ドン頂けますか?」

慣れた調子で、挨拶をしては、
会費を集めて行く。

しかし、次第に、参加者が続々と入ってくるようになり、
すぐに僕はパニックになった。

「えっと…斎藤さんからは頂いたから…
あれ?50万ドン足りない気が…」

すると、いつの間に到着したのか、
田島さんが、スッと集金袋を取ってくれる。

「私が集金しておきますので、
田中さんは、初めていらした方と
名刺交換した方が良いですよ!」

「あ!ありがとうございます!
助かります!」

田島さんに促され、
新来者と名刺交換をする。

この会は、
「そーしゃる」会と言って、
木崎支店長が初めてベトナムに来た頃に
始めた、異業種交流会だ。

新規オープンの日本人オーナーのお店で、
50万ドンでお店のおすすめコース料理と、
飲み放題を条件として開催している。

会の登録者は、500名を超え、

毎回20名〜30名が集まる会だ。

僕は、4月に赴任してから幹事を引き継ぎ、

もうすぐ半年になる。

僕の采配を待たずに、
慣れた参加者の方々が、
思い思いに乾杯の飲み物を
頼んで行く。

(ああ…幹事の仕事だけど、
皆さん勝手に動いてくださる。。)

18:30になり、いつも通り、
「皆さん!こんばんは!」
僕の大音量の声で、音頭を取り始める。

初めての参加者の方々は、
(何事だ!?と驚きながらこちらを見る)

「時間になりましたので、
始めます!本日も、美味しい料理を
頬張りましょう!乾杯!」

「乾杯!」

そこからは、名刺交換タイムだ。

「孝一!お疲れさん!」

「お!あき!参加してくれて、
ありがとうね!」

「いやいや、こちらこそやわ!
ここ空いてるか?」

「うん!大丈夫!」

そう言いながら、僕の隣に席を取る。

「田中さん、こんばんは!」

振り返ると、本郷さんがいる。

「本郷さん!ご参加ありがとうございます!」

「いえ、こちらこそ。ちょっと…知り合いいないから、
ここ良いですか?」

「もちろん!初めまして!水野です。」

あきと、本郷さんの会話が始まる。

更にそこに、

「こんばんは!×2」

見ると、野中さん、谷川さんだ。

「僕らも、ここ座って良いですか?」

「もちろん!どうぞ、どうぞ!」

水野あきひろ、本郷としこさん、野中しんじさん、谷川そうしさん、
この4人は、僕がホーチミンで一番仲良くなる人達だ。

僕は全員を既に知っていたが、
それぞれ初対面だった。
だが、異業種交流会で、
同じテーブルに座った縁で、
すぐに打ち解ける。

僕は、参加者との名刺交換の為に
少し席を外して、帰って来たら、

「孝一が、全然俺らの事構ってくれないからな〜」

「そうだそうだ!×3」

という調子で、完全に結託している。

(こいつら…(苦笑))

と思いながらも、輪に入って行く。

「いやいや、幹事なんですから、
仕方ないじゃないですか。」

「嘘嘘!1次会は仕方ないよね!
2次会行ける?」

「行けますよ!皆さんはどうですか?」

「行けます!」
「行けるで!」
「僕も大丈夫です!」

5人で2次会に行く事を決めた後で、
恒例の自己紹介タイムが始まる。

「皆さん!改めまして、こんばんは!
恒例の自己紹介タイムを行います!
会社名と、お名前含め、簡単な
自己紹介をお願いします!
まず、僕は、そーしゃる会幹事の田中です!
いつもありがとうございます!
今後とも宜しくお願いします!」

…自己紹介タイムを終えると、
会はほぼ終了だ。


参加者を見送り、会計をして頂いた、
田島さんに声を掛ける。

「ありがとうございました!会計問題ありませんでしたか?」

「はい!大丈夫で〜す♪今日は社長もいないし、
ゆっくり出来て良かったですね!」

「ありがとうございます!では、お疲れ様です!」

田島さんを最後に見送り、
さっき約束した4人の待つ
店に向かう。

「お!孝一着いたで!」

「田中さん遅い!」

店に着いてすぐ、
あきと、しんじさんが僕をイジる。

もう意気投合したようだ。

「すみませ〜ん!お待たせしました!」

「田中さんも着いた事だし、
さて、やりますか!」

ここは、あきと、僕の行きつけのダーツバー
『ICE BLUE』だ。日本人も少なく、
気兼ねなく飲める。

僕の頼んだTigerビールが来ると、
皆飲み物を持って、
「1.2.3ヨー!!」
と乾杯。

「じゃあ、チーム分けして、やろか!」

あきは、ダーツが上手い。

「あきは上手いから、4人の合計ポイント:あきのポイントで
良いよね!」

「賛成!!×4」

「何でやねん!(笑)普通に3チームに分けてやろや」

「仕方ないな!」

3チームに分けて、結局あきが一人、
僕と、本郷さん、野中さんと谷川さんチームになった。

1ゲーム目は、
僕と本郷さんチームが負けた。

「孝一も本郷さんも、下手やな〜!」

「うるさい!次は勝つから!」

「ごめん、田中さん、足引っ張って。。」

「いや、次は勝てますよ!」

その発言の通り、
本郷さんは、ルールすら怪しいにも関わらず、
2ゲーム目は、一騎当千の活躍を見せた。

2ゲーム目は、
あきの一人負け。テキーラショットを飲む。

「いや〜、余裕やわ。次は俺勝つしな。」

が、ここから、3連チャンで、
あきの負けが続き、テキーラショットを合計4杯だ。

「ハハハ!本郷さんめっちゃ上手い!」

「おかしいやろ!俺しか飲んでないやん!(笑)」

「ハハハ!」

5人で出会った初めての夜は、
楽しい笑い声と共に更けていった。

明日に続く。

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