最後に泣いたのはいつですか?

 最近の私はちょっと涙もろい。ここ1年近くはほとんど泣いていなかったのに。

 基本的に、「泣いても物事が変わるわけじゃないしな」と思っている節がある。でも同時に、「泣いてもどうしようもないからこそ泣くのかもしれない」とも思っている。それはきっと宇多田ヒカルの『time will tell』の影響だ。この曲はこんな歌詞から始まる。

泣いたって
何も変わらないって言われるけど
誰だって
そんなつもりで泣くんじゃないよね

 まあ、「泣き落とし」目的のこともあるかもしれないけれど、そうでないときももちろんあるだろう。死別のときなんかは特に。泣いたって亡くなった人は帰ってこない。お盆の季節は改めてそんなことを考える。

Time will tell 時間がたてばわかる
Cry だから今は泣きたいだけ泣いていい
もっと もっと もっと 

 この曲を聴くと、泣きたい時は泣けばいいと素直に思える。

Time will tell 時間がたてばわかる
Cry 明日へのずるい近い道はないよ
きっと きっと きっと

 大人になればなるほど、泣くことは減るのかもしれない。けれど、泣いてきたからこそ、大人になったからこそわかるようになったこと、共感できるようになったこともある。江國香織の『泣く大人』というエッセイ集もそれを思い出させてくれる。

 もし今度泣きたくなったら、少しでいいから泣いてみるのもいいかもしれない。

ありがとうございます。いつかの帰り道に花束かポストカードでも買って帰りたいと思います。