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コトリノ

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コトちゃんとリノちゃんの仲よし2人が、森や野原でフシギなことに出会ったり、自分の手で小さなものを作ったりしながら、元気になっていくお話です。
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『蜜豆の森』~コトリノ.1 / ショートストーリー

『蜜豆の森』~コトリノ.1 / ショートストーリー

このお庭はすきだな。

お部屋は箱でいっぱいだし、お友だちもまだまだ。
昨日も今日も、わたしはこのお庭の、この木といっしょに遠くを見てる。

たくさんのおうち、かべ、道。

橋の向こうにみどり、みどり、緑が見える・・・

「やあ、いらっしゃい。食べにきてくれたんだね。

さあそこへすわってね、ようこそ森へ。
森というほど大きくないけど、町の中ではりっぱな森さ。
木の実草の実、畑の実り、海に浮かべて

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みつ豆と生命力

みつ豆と生命力

みつ豆に興味を持ったのがなぜだったか、忘れてしまいました。
ここ数年、豆をよく食べるようになったので、赤えんどう豆というのが、みつ豆に入ってる豆だったのか、と思ったのはおぼえてます。

原型みたいなのは江戸時代にもあったそうです。粉を練って作った舟みたいなのに、豆や練り餅が入って蜜をかけたの。これだけではよくわかりません。

今のようなみつ豆は明治時代からだそうですが、私はこの江戸時代のみつ豆を見

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『緑の風とブランコ』~コトリノ.2

『緑の風とブランコ』~コトリノ.2

あお空みどり 地面でみどり

あお空みどりに 地面とくつと・・・

「コトちゃん。」
「あ、リノちゃん、おはよう。ドーナツあるよ。」
「ドーナツ?おやつにはちょっと早いよね。」

「あのねあのね。」

ゆっくりになるのをちょっとまって、両足をぱっとつき、ブランコをおりたコトちゃんは、かたかけかばんのふたをあけると、小さなうす茶のふくろをとり出して、おりまげていたふくろの口をあけました。

「ほら。

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