見出し画像

肌寒い日には温かい夢を見る

去っていったと思ったら

忘れ物でも取りに来たかの様に

舞い戻ってきた肌寒さ冬の高笑い

春はヒトが良いから戻ってきた冬の為に

場所をあけてあげたものだから

こちらとしては寒くて仕方ない

あぁ寒い寒い

冷たく吹きつける風が

懐かしいやら悲しいやらで

耐えられないから駆けだし

夕暮れくしゃみ身震い鼻水を啜る音

あぁ冬が終わり

春がいよいよと期待だけさせてこの仕打ち

ひどいったらありゃしない

冬は笑いながら木々を揺さぶり

家々の窓を鳴らす

あの路地を曲がれば見慣れたアパートまで

すぐそこだ

あぁ家に帰ったら熱いお風呂に入りたい

身体の芯まで温まりたい

湯船に浸かって解きはなちたい疲れの塊

ふぅうと息を漏らして浸る一時が幸せなんだ

悩みや不安も汗と共に流して

心も身体も軽くなるまで

ふにゃふにゃになるまで

浸かっていたい

かくも素晴らしきかな

風呂の醍醐味

極楽な有り難み

湯上がりには

冷たい牛乳が欠かせない

ぐいっと煽って

ぷはあと息を吐いて

幸せが全身を駆け巡る

瞬間が堪らない

冷たい風がびしばしと

頬を打ち体を冷やしてくるが

温かい未来を想像してる間は

意識しなくて済むんだ

扉に鍵を差し込めば

さあようやく幸せのひと時に

ありつける

この記事が参加している募集

スキしてみて

私の作品紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?