小説「彼女は狼の腹を撫でる~第7話・少女と三日月と暁の星・後編~」
私の名前はウルフリード・ブランシェット。16歳、狩狼官。
母の持ち出した狩狼道具を回収するために、タヌチャッチャ地方の大森林に来ている。タヌチャッチャ地方は元々タヌキの生息地で、そこにサキガケという東方からやってきた半人半獣の種族が住みつき、現在は神聖視している樹海を守っている。
そしてサキガケの若長ツキノワが所持している狩狼道具【剛腕のダッデルドゥ】だけど、色々あって彼本人の手により無残にも叩き壊されて、屋敷の中庭に鎮座する愉快に折れ曲がった腕形の置物と化してしまった。
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