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職業人としての柿本人麻呂
第一章 氏族社会の和珥族と柿本臣
柿本人麻呂の氏族を考える
人麻呂が生きた時代は、家族・一族・係累が互いに助け合い生活していた氏族社会と規定し、個人が自由に住居地を定め、また、個人の意思で職業を選べる時代ではなかったと規定します。その時代、皇族・王族・豪族などの有力者の子弟だけが特別に教育を受ける機会があり、その才能によって天武天皇の時代以降に始まった律令規定の社会環境でのみ選抜を受けて官
職業人としての柿本人麻呂 第一章 氏族社会の和珥族と柿本臣
職業人としての柿本人麻呂を考えるにあたって
この覚書は、万葉集と云う日本最古の詩歌集の中で重要な位置を占め、また、その後の和歌の発展に大きな影響を与えた柿本朝臣人麻呂の人物像を考察するものです。
巻頭「はじめに」でも紹介しましたが、今日においても万葉歌人、柿本人麻呂の人物像は定まっていません。そのために人麻呂歌を鑑賞する立場により、その人物像は変化します。職業を例としますと、遊女を伴う旅の遊行