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コラム/余生, kommen Sie.
生きることには、まだ堪えられそう。これまでごまかしたように、これからもまあ、ごまかせばいい。だいぶ疲れた気もするけど、余でない生が、すこし重たいだけだ。ぼくは、一日に一食、冷や飯と、できればレトルトの味噌汁があれば、それで十分だ。ひとり養うなら、三万のアパートにちょこんと住んで、大好きな教える仕事、それか単価は安くても、ウェブ・ライター、その月暮らしでいいんだ。節句も、祝日も、盆も正月も忘れ果てて
もっとみるエッセイ/くろけっと
そういう方面のコオロギの話、あまり興が乗らないが、そこは敵も策士、その鼻毛、読まれてますぜ、こちらが興の乗らない話ほど、岩にしみ入るコオロギのこゑ、気づいた頃には、コオロギポイント、法制化、宣伝カー、まずはおやつに、一日に二食、勘弁つかまつる。
誤解の種は、先につぶしておく。
コオロギを食うのが嫌なのではない、コオロギを食わされるのが、断固、嫌なのだ。
まあ、聞いとくれ。
給食の何が恐ろしいっ
エッセイ/劇薬に寄せる思いを激白
あなたと一生一緒にいたい
という(抑揚までも)同じことばに、
ある人は添い遂げる契機と決意を与えられ、
また
ある人は身体の底から冷える恐怖を味わわされる。
ことばとは、確かにそのような劇薬でありながら、使用には、資格も制限もR指定も存在しない。
車で死ぬ人と、ことばで死ぬ人は、どちらが多いか。
酒に酔って失敗する人と、ことばに酔って失敗する人は、どちらが多いか。
煙草の投げ捨てと、ことばの投
エッセイ/It Is As It Is
頬を叩きつける、硬い雪つぶの嵐がおさまり、要塞のような倉庫のかげから、明るい陽がさしてきた。と、すぐに陽は翳り、また、こんどは柔らかい雪が頬にあたり、いや、叩きつけ、目の前は霧のように白む。その移りかわりは、私の意思から遙かなところで、粛々とおこなわれる流れであり、私は、ただそこにたゆたう、ひとつぶの発光エテルである。私が霰のような雪に叩きつけられる瞬間、霰もまた、私の強ばった頬に叩きつけられ、黄
もっとみる随筆/A Style
かくまでと雪の白きをしらざりきをさなごのごと手にすくふ朝
何かをたゞ、ぢつと感じてゐたかつた。さうすれば、このぢごくから、ほんのつかの間、身をかはせると思つたから。
さう云へば、あなたは、些ともかはらないね。わたしはかはりはてた、とわたしは云ふ。
あなたは、ご自分で仰るほど、かはれてゐませんわ。妾、去年の妾とは違ふのよ。色味にばかりだまされて、まつたく笑止ね、と雪は笑ふ。
それでも、やはりあなた
コラム/ドイツ銘菓・エックハルト
マイスター・エックハルト Meister Eckhart について書く。
いまから700年ほど前、ドイツのあたりで坊さんをしていた。
余談だが、ぼくの兼好法師とほぼ同世代だ。
知ってるから書くのではなく――もう、そんな記事は廃れてゆくのだろう――あくまで、知りたくて書くのが本稿の目的なので、もし、おなじく関心をお持ちいただけたら、まずは Wikipedia, あとはググっていただき、各々方、面白
エセイ/戒語 '23
以下、歯に衣着せぬ自省。
*
構想が湧いた、よしいっちょ小説でもと思えばそこで既に負け戦なのである。エセイと随筆の隙間でちょちょいと筆を動かすから、愚にもつかぬポエムが出来上がるのである。棺桶の型に嵌める覚悟が失せて、細かな行替えと聯立てでどうも分からぬ事を書けば詩、な訳がないのである。存在、事象、言語、認識、認知、社会、文化、鏡像、形式――以上の語をすべて用いて文学の本義を述べよ(二十点)。
エッセイ/Quod Erat Demonstrandum
毛錢の話なのである。
取りみだして失礼、とりあえず、読んでいただければよいのだ。
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カントもびっくり、きょうも律儀に、朝いちばんのルーティーンである、「娘と歌いながらだれもフォローしていないツイアカのおすすめを読む」を実行していた私は、このツイートを目にし、ことばどおり仰天した。
一読して、軽い動悸をもよおしたものの、これは症状かもしれない。再読して、やや呼吸が荒くなるのを覚えたが、これ