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まつたく
2022年9月11日 07:30
小学校高学年。夏休みも明けて、蝉時雨も落ち着いてきた頃の出来事。少年がいつものように本を片手に下校をしていると、「○○く〜ん!」と真正面から手を振る少女がいた。少年は顔を上げ、笑顔を振りまく少女に一瞥をくれる。特に面識もない、隣のクラスの同級生・A子だった。軽く会釈をしながら通り過ぎようとすると、A子は「気をつけて帰ってね!」と同じトーンで元気よく声をかけてきた。少年は、
2024年3月28日 02:16
例えば僕が生きる意味を見出せるとしたら、白とピンクの色彩をまとった綺麗な君のためだろう。その花は、秋に種をまき、冬に蕾を咲かせ、春に大輪の花を咲かせるのだ。あまりにも素敵な色彩に、思わず目を背けそうになってしまったけれど、その美しすぎる姿にいつの間にか魅了されていた。少しばかりか不安そうではあるものの、芯のある茎を従え、はつらつとした姿を見せている君は、僕の目先を明るく
2022年9月15日 00:08
自分の人生に集中したいのにも関わらず、少し気を許して他人本意になった結果、ろくでもない地雷を踏んでしまうなんてのはよくあることだろう。例えばInstagramのストーリーズに、僕とA子ちゃんがデートに行った帰り道で同じ風景写真を同時刻にあげていたとしよう。そうすると、5分後には共通の知人の野次馬どもが「A子と○○行ってるんだね!付き合ってるの?!」などと無駄なレスポンスをしてくる。正直
2022年9月10日 09:20
上記は秩父市を舞台としたアニメ「あの花」のじんたんの台詞で有名なものだが、僕にとっての夏のケモノは“人間”というトラウマーー。ふと自分自身で閉じ込めていたはずのトラウマが蘇ってしまい、毎日続けると公言していたnoteを2日間も更新できないほど精神的に参ってしまった。今回は暗い話なので、気分を害する人にはブラウザバックしてもらいたい。9月7日(水)の夜、いつものようにAM1時頃に眠りに落
2021年11月19日 08:00
小学校高学年のときに、よく小説を読んでいた。愛読書は重松清、阿部夏丸、椎名誠、石田衣良。青春モノからミステリーから随筆集まで、年間で100~200冊は読んでいたと思う。当時の僕は中学受験を控えており、いわゆる“缶詰”のようなを暮らしを強いられていたので、両親の前では本を読むか勉強をするかの二択しかなかったため、常に周りには本がある状態。友達と遊ぶのも禁止で、小6に進級したタイミングで
2019年11月25日 21:29
紫陽花が咲き乱れる梅雨の通学路ぼくは独りで雨に打たれながらうまずたゆまず 自分の“言葉”を整理していたこの孤独な気持ちに当てはまるワードが浮かびそうな気もしていたがそれはまるで泡沫の雫のように浮かんでは消え 浮かんでは消えぼくをしっかり困らせた靴がえらく小さくぎゅうぎゅうになっており踵に不思議な痛みを感じた雨の水滴が ぼくのその靴擦れの傷に染みてくるそこに特
2019年11月20日 13:27
また目の前がモノクロになった白と黒その2色の交錯には何の希望も感じられない交わっても灰色になるだけその事実が ただいたずらにぼくの心を閉ざしていく崖の上にある岩場で空虚を感じながらおもむろに太陽の光を浴びていたぼくは自然と目の前を飄々と通り過ぎる風の音に耳を立てていた最初はまるで興味もなかったがぼくはそのしらじらしさに若干心をうばわれかけたキミの色はぼくには