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盲学校からの発信

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視覚障がいのことをあまり知らない方や教育関係の方に向けた情報を発信します。 視覚障がいに興味が出てきた方は、「見えない・見えにくい方への情報提供」もおススメです。
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記事一覧

体験記事「盲学校フロアバレーボール練習試合でのアドバイス その2」

体験記事「盲学校フロアバレーボール練習試合でのアドバイス その2」

ちょうど1年ほど前にも、盲学校のフロアバレーボール練習試合に参加させていただく機会がありました。

今年も練習試合にお邪魔し、盲学校を離れた責任のない立場から勝手気ままに思いついたことをお話しさせていただきました笑。

全国盲学校のフロアバレーがより盛んになるよう…そんなのは大きすぎる夢見事かもしれませんが…。

もちろん試合に臨む前にルールを把握しておくことが前提になります。去年よりもルール理解

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盲学校からの発信「子どもたちの世界を広げる、科学へジャンプ」

盲学校からの発信「子どもたちの世界を広げる、科学へジャンプ」

科学へジャンプって聞いたことありますか?

視覚に障がいのある子たちがさまざまな体験するイベントなんです。3泊4日のサマーキャンプと地域版、そしてITワークショップの3つがあります。

僕も盲学校時代に地域版に携わらせていただいたことがある、思い入れのあるイベントです。

今回はそんな科学へジャンプについて紹介します。

科学へジャンプ・サマーキャンプサマーキャンプは、全国の視覚障害がある中学生・

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そうだ、フロアバレーボールの試合動画を見よう!

そうだ、フロアバレーボールの試合動画を見よう!

この度、マガジン「フロアバレーボール」をはじめました。

視覚障がいスポーツのフロアバレーボールの魅力について発信していこうと思います。

…が、僕の拙い言葉ではなかなかうまく伝えられず、「知ってる、シッティングバレーボールやったっけ?」「ボールに鈴が入ってるやつやんな」と別のスポーツと間違われることもしばしば…。

いや、確かにパラリンピック種目でもなく、国体(全国障害者スポーツ大会)種目でもな

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体験記事「盲学校フロアバレーボール練習試合でのアドバイス」

体験記事「盲学校フロアバレーボール練習試合でのアドバイス」

先日盲学校のフロアバレーボール練習に参加させていただく機会がありました。

コロナ禍のため自分の所属する社会人チームからはしばらく離れていたのですが…久しぶりに大好きなフロアバレーボールに触れられて楽しい時間を過ごせました。

勤務していた盲学校に対する思い入れはとても強いのですが、それと同じくらいブラサカやゴールボール に比べて認知度や盛り上がりに欠ける感のあるフロアバレーボール熱が高まってほし

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盲学校からの発信「視覚障がいに関連する自立活動をまとめてみた」

盲学校からの発信「視覚障がいに関連する自立活動をまとめてみた」

以前も自立活動について紹介しました。

盲学校で自立活動といえば、伝統的に点字、弱視レンズ(拡大読書器)、歩行、PCですが、それだけではありません。

今回は『自立活動学習指導要領解説』を参考に、視覚障がいに関連する6区分27項目ある自立活動の指導内容や具体的な支援の手立てについて紹介していきます。

(画像は山口県より)

また自立活動については広島県立広島中央特別支援学校の『自立活動指導書』も

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盲導犬・アイメイト まとめ

盲導犬・アイメイト まとめ

今回は視覚障がいのシンボルの1つでもある、盲導犬・アイメイトについて、いろいろと紹介していきます。

1 盲導犬・アイメイトとは盲導犬・アイメイトは、視覚障がいの方を安全に快適に誘導する犬で、視覚障がいのシンボルとしても知られています。「盲人誘導犬」が盲導犬の由来です。

(画像はいらすとやより)

ハーネスと呼ばれる白い胴輪をつけ、視覚障がい者が外出する際に安全に目的地へ誘導する為に特別に訓練さ

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目や視覚障がいに関する記念日・イベント まとめ

目や視覚障がいに関する記念日・イベント まとめ

いつもいつも「点字の日」や「点字ブロックの日」なんかに過去の記事を紹介しようと思いつつ忘れてしまうので、自分の忘備録も兼ねて視覚障がいに関する記念日などをまとめてみました。

近年の開催時期を調べてまとめていますので、日程変更やズレが生じる可能性大です。ご了承ください笑。また詳細は各自でご確認ください。

1月記念日

1月3日「瞳の日」

眼鏡・コンタクトレンズの業界が「瞳をいつまでも美しく保つ

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ビジョントレーニング その5 自作教材紹介編

ビジョントレーニング その5 自作教材紹介編

今回はiPadや電子黒板などで使えるように僕が作成したビジョントレーニング用スライドのデータ( Keynote/PowerPoint)を紹介します。よければ学校やご家庭で活用ください。

1 画面の数字にタッチしよう0〜9の数字がランダムに配置されたスライドです。

0から9まで順番(あるいは逆順)にタッチするもよし、こちらが「5」「8」「3」といった読み上げる数字をタッチするもよしです。「53」

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北京パラリンピックの視覚障がい競技 まとめ

北京パラリンピックの視覚障がい競技 まとめ

書こう書こうと思いつつ、もう北京パラリンピックの開会式が終わってしまいました笑。

(画像はスポニチより)

以前、東京パラリンピックでの視覚障がい競技を紹介しましたが、それの北京パラリンピック版です。

夏季パラリンピックは、1960年にオリンピックの開催されたローマで行われた第9回ストーク・マンデビル競技大会が第1回となります。

冬季パラリンピックは、1976年にエンシェルツヴィーク(スウェ

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視覚障がいの方への声かけ・誘導(手引き)について

視覚障がいの方への声かけ・誘導(手引き)について

僕も毎回楽しみにしていますが、「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」というドラマが好評で、僕が盲学校にいたことを知っている職場の方も声をかけてくれました。

ドラマの効果か、Twitterでフォローさせていただいている視覚障がい当事者の方からよく声をかけられるようになったともお聞きしました。

それと同時に白杖を持った方を無断で撮影してSNSにアップされるような方もいらっしゃるそうです。白杖がどう

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体験記事「特別展 ユニバーサルミュージアム さわる!"触"の大博覧会」

体験記事「特別展 ユニバーサルミュージアム さわる!"触"の大博覧会」

コロナ禍のために延期になっていたみんぱく(国立民俗学博物館の特別展「ユニバーサルミュージアム さわる!"触"の大博覧会」を体験してきました。

みんぱくへ行く日を調整中の間は、特別展実行委員長の広瀬先生の解説動画を観て気分を盛り上げます。

それと指を数えて待つ間に、「触って鑑賞するためのレクチャー」なんて記事も書いてみました。

さぁ準備は万端ですよー。

いざ入場、そしてのっけからベタベタ触る

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触って鑑賞するためのレクチャー

触って鑑賞するためのレクチャー

今まで僕自身の盲学校での体験や経験から、触ることに関する記事をいくつか書いてきました。

今回は、そんな触れる世界へ招待する、触ってわかる触察の方法についていくつか紹介していきます。

過去の触ることに関連した記事はこちらから振り返ってみると触ることについていろいろと紹介してきたんですね。よければ覗いてみてください。

盲学校の触察の指導方法より触るといっても闇雲に触ればいいというものではありませ

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盲学校からの発信「言葉かけの構造化で、見通しをもてるように伝えよう」

盲学校からの発信「言葉かけの構造化で、見通しをもてるように伝えよう」

僕の教員生活は、1校目(1年間)が知的障がい支援学校、2校目(10年間)が盲学校、そして現在が3校目の知的障がい支援学校になります。

2校目の盲学校でであった全盲でアスペルガータイプの子どもとの関わりから、視覚支援がなくても言葉かけで構造化の支援ができることに気づきました。そして、言葉かけの構造化は意外と耳からの情報に強いこともあるASD児(特にアスペルガータイプ)に対しても有効な支援の手立てに

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盲学校からの発信「視覚障がい体験をそれで終わらないこと」

盲学校からの発信「視覚障がい体験をそれで終わらないこと」

総合的な学習の時間などで障がい理解のために、アイマスク体験や弱視体験をすることってありますよね。

でも、体験して終わりではなくて、そこから何を得るのか、どういった視点から世界を見直すのかが個人的にとても大切だと思っています。

今回は主に学校の先生向けに、そんな視覚障がい体験について語りたいと思います。

視覚障がいの世界を体験するツール直接シミュレーションレンズを身につけるだけでなく、スマホや

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