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死にたい生きたい

84錠の錠剤、絶望を殺すためのピンク色のカミソリ、出血を止めるためのティッシュとテープ、9%のアルコール二本に10個の裏アカウント。
わたしはわたしを生かすことも殺すこともできずに、中途半端に毎日を誤魔化しながら、自分を摩耗している。

どうか、どうか、わたしのこと、嫌いにならないで。
リストカットでボロボロになった左腕も、オーバードーズでボロボロになった肝臓も、いじめと虐待でボロボロになった精神も、ぜんぶひっくるめて愛してよ。明るく笑顔で取り繕った仮面の裏側の、涙でびしょびしょになった顔も、いとおしいねって言ってよ。

何度も首を吊って、過剰服薬もして、気づいちゃったの。わたし、死ねない側の人間なんだって。勇気が足りないだけ?そんなこと言わないで。死のうとする勇気があるんなら、この絶望が渦巻いた世界で生きていける勇気もあるだなんて、そんなの嘘。自分の気持ちにモザイクをかける魔法、ママや先生は使っちゃダメって言うけど、そんなこと言うんならわたしを助けてくれるの?だれか、わたしをキラキラしたそっちの世界に連れて行って。みんなもつらいけど頑張ってるんだよって、そんなの知ってるもん。でも、その「みんな」の「つらい」と、わたしの「つらい」って、ベクトルが違うの、わかってほしいな。

きっとわたしは一生この病気と付き合っていかないんだと思うし、もし寛解したとしても、そのころにはオーバードーズで内臓がやられて体の病気になって、生きたいって希望をもった途端に死んじゃうんだろうなって思ったんだ。

大丈夫、君の絶望はちゃんと綺麗だよ。そんな言葉を、とある詩人さんの記事で読んだ。少し、救われた気がした。


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