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私と私、私と誰か【生きてるだけで、愛。】

【注意】
※映画『生きてるだけで、愛。』のネタバレを含みます
※木曜の晩に読む物ではないと思います、ヘビー級のヘビーですが、読んでくれる人本当にすき。
※個人的意見強めです、ごめんなさい

〜 〜 〜 ⚪︎○ 〜 〜 

1.さいしょに


こんばんは。ゆづかです。
これから、本当に暇な日には、
心と感性を育てるべく、映画を観ようと今目標を掲げました。

自分のための、自分本位な、備忘録的な感想文をここに残していこうと思います。
どしどし感想、反論、言いたい事など、お待ちしてます。


さて、今回見たのは『生きてるだけで、愛。』です。

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いかにも私が好きそうな、いわゆる重い系のお話を、深夜に観ました。一人で号泣していました。(すぐ泣く)

簡単にあらすじを説明すると、
躁鬱で過眠症の自己中心的で社会不適合なヒロインと、
波風立てないのが良い、というかそこまで考えてないつまらんゴシック出版会社の恋人のお話です。

簡単すぎますね。怒らないでください。

この字面だけ見たらやばいんですけど、きっとみんなどこか共感する部分があると思うのでその辺もお話できたらと思います。


2.【結論】
逃げたくても、1番逃げられないのが自分だったりする


珍しく、結論から話そうとしています。今日伝えたいのは、この小見出しがほとんどを物語っています。


「津奈木は私と別れられるけど、私は生きてるだけで疲れるような私と、生きてる限り別れられない」

夜を全裸で駆け抜けて、走り切った後、津奈木を解放するときに躁状態の寧子が言ったセリフ。

私はここで1番泣きました。

毎日泣いてる人、苦しんでる人、面白くもないのに笑ってる人、
頑張って生きてるのにうまくいかない人、
自分自身に振り回される人皆んなに刺さるのではないでしょうか。

そうして誰しも、そんなことを思うくらい苦しい出来事があったのではないでしょうか。

少なくとも、私はそのうちの一人です。

そんな人たちに、何かを与えるなんて大袈裟なことはできませんが、
少なくともこの映画を見ると、

社会的弱者の視点、
一般的視点、
など、色んな視点で一瞬だけ理解することができます。

例えば、そばに脆すぎる恋人がいる人、
会社で何もできない部下がいる人、

逆に、そばにいる恋人ができた人間すぎて消えたくなる人、
SNSにいる人みんなキラキラしてて、苦しくなっちゃう人。

いろんな人が、理解とまでは言わないけど、少しでも同じ環境にいる人の考え方を知って、
お互いが楽になれたら、居心地の良い空間もできるんだろうなと思います。



3.1【寧子】

ヒロインであり、多分主人公である、
趣里さん演じる寧子。本当にリアルで、役を役と思えない演技でした。

最初の寧子の印象は、
ニートのくせに、同棲してる彼氏に文句タレ。他責癖も強く、人の気持ちより自分軸の強い人でした。
正直言ってやな奴でした。甘ったれてんじゃねえと思ってました。

でも、なんでそう思うのかと後から考えた時に、
羨ましいだけだったんだと思います。不思議ですよね。

この映画の登場人物、皆んなに共感する部分があって、特に寧子は自分の本質みたいなものが写されているようだったんですけど。

自分には寧子的性質があるのに、寧子みたいに正直にはなれないんですよね。

こんなところで暴露するとは思いませんでしたが、私は、本当に笑えないくらい名前の付く性質や特性を持ってます。
発達持ちだし、育ちはあまり良くないアダルトチルドレン、自律神経は何回かやっているし、診断は出てないから軽々しく言えないけど、多分鬱はかじってるし。社会不適合者が社会復帰にビビってるナウの状況です。

全部自分のせいっていう自覚はしているけど、本当は人のせいにしたい。変わって欲しい。助けて欲しいって叫びたくなる時がありました。

我慢して我慢して、やっとの思いでここまで保っています。

そういう気持ちを変に大人のふりをしてやり過ごしていたから、「ひとりで生きていけそう」だなんて平気で言われるんです。

それを、寧子は簡単に、津奈木にあたっちゃうんだから、むかついちゃいました。私は言えないのにって。

彼女は誰よりも正直でまっすぐでした。

それが根本のズルさだったのかもしれません。


彼女が過去、どんな家庭で、どんな生活をしてきたのか、映画では細かく描かれていませんでした。

でも突然フラッシュバックする過去の記憶、冒頭のセリフを聞く限り、色々はあったんじゃないかと思います。


3.2【津奈木】

一方、津奈木はま反対の男性で、

「表面上の私」によく似ていました。(私やばいやつやん)

基本的に、相手が納得するだろうなというありきたりな返事や会話しかしないんです。というかそれ以上の労力が無いんですよね。

波風なんてもってのほか、平和主義です。

よく言うと大人ですが、悪く言うと冷たく無関心な人間だと思います。

面倒くさいんです。色々。

理解して欲しいという期待を持って、熱量をあげても、何も変わらない、理解してくれないなんて経験はザラですよね。

むしろ「お前は何もわかってない」と言われ、長くなることもわかりきってるから。省エネでいきたい人は、津奈木のような人柄のイメージです。


津奈木もそんな人生だったのでしょうか。これは妄想に過ぎませんが。

そうやって逃げて生きてきたんです。

人の感情から逃げて生きていくしか術がなかったんです。


終盤のシーンに、寧子が「なんで私なんかと3年も一緒にいれたの」と津奈木に問いました。

津奈木は

「初めて会った日、頭に血を流しながら走る君を追いかけていて、青いスカートが揺れるのが綺麗だった」
「またわけわかんないけど、綺麗な物がみれると思ったから」

と言っていました。(文言は一言一句同じでは無いかもしれません。ちゃんと覚えてなくてすみません)

きっと津奈木も、私みたいに羨ましかったのかもしれません。

自由で、正直な寧子が。

やり過ごす毎日から、いつか抜け出せるんじゃないかと。淡い期待をしてしまっていたのかもしれません。



4.さいごに


さて、冒頭にもどります。

寧子視点が多いこの映画でしたが、

寧子だけでなく、津奈木も、わたしも、みんなも、

人や環境から逃げることができても、自分から逃げることはできません。
一生かけて、死ぬまで付き合っていくのが自分自身です。

見かけだけ変わることができても、過去の経験や潜在的自分は一生背負って生きていかねばなりません。

それでいいじゃん、って思える人はきっと強運ハッピーな強い人です。

私は、そうは思えない人に、だからこそ、少し楽をしてもいいんじゃないかなと伝えてまわりたいです。

もし自分の子供が暗い顔していたら、「今日はサボって映画でも見にいこうよ」と言える親になりたいです。

そして、私と同じ考え方価値観の人はいないってことを忘れないように生きていきたいです。

少なくともこの映画で、自分の二面性に気づけたからこそ、二面性分、人の理解ができるはずです。
苦しい経験が役に立つとしたら、その分優しくなれることです。

これからも、大切な人や、自分から逃げたいのに逃げれないと苦しんでる人に、
少しでも優しく包み込めるような、そんな大人になれればと思います。


寧子は津奈木の感情に触れたくて
津奈木は寧子を思って全てを受け入れていて

そんな2人が交わったのはほんの一瞬でした。

でもきっと、その一瞬だけでも、2人にとって人生を生きていく糧になればいいなぁ。

そうして私も誰かの生きていく糧になりたいなぁと思いました。


感情的になると、文章がまとまらないのですが、今日はこの辺で。

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