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高齢者に日々接している私が、晩年に最も必要だと思っていること。

私はフリーランスの看護師として日々たくさんの高齢者と関わっています。

その中には底辺と思われる人もいれば、資産〇億円以上で月に200万以上かけてヘルパーさんを入れているようなお年寄りもいます。

認知症の人、ベッド上から動けない人、100歳過ぎても創作活動に熱心な人、大正生まれだけど川沿いを散歩するのが日課なくらい元気な人。

フリーランス看護師として様々な現場で働いているゆえ、健康面も経済面もいろんなケースの方にお会いします。

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昨日は単発バイトで、比較的高級な老人ホームである女性の高齢者の足の爪切りをしていました。
ずっと爪が切れなくて困っていると。みると巻き爪で指の肉に食い込んでいて、肉から爪を離そうとすると痛みが伴うくらい。

常勤の看護師さんは忙しくてなかなかそこまで手が回らない。かといって、皮膚科に行くのも一苦労でいけない。と嘆いていたので、時間的に余裕があったこともあり、「私でよければ」と爪切りをさせてもらうことに。

高齢者の爪は硬くていびつな形をしていることが多いので、神経を使います。一歩間違うとすぐ出血してしまう。
なので慎重にゆっくりとやっている間にいろいろとお話ができました。

・自分は98歳であり、こんな歳まで生きるとは思わなかった
・どこかへ出かけたいが子どもも忙しく迷惑がかかるから外に出られない
・早くお迎えが来てほしい
・ホームに入った当初はホーム内のラウンジなどで他の入居者と話をしたが、今は誰も集まらなくなってしまい話相手がいない
・80代の人は元気でうらやましい

など。
経済的な不自由もなく、身の回りのことは自分で動けているし、心身ともに恵まれている方ではあると思うが、でもどこかさびしそう。
ゆっくり傾聴して、指に食い込んだ巻き爪も解消され、少し気が晴れたよう。
「ありがとう、これできれいな状態であの世にいけるわ」
と笑顔で話してくれました。

最期は精神世界が大切

経済的に恵まれているお年寄りでも、健康面に問題がないお年寄りでも、どこか「心の渇き」を感じる方がいます。
そっちの方が多い、と言ってもいいかもしれません。
日々満足して暮らしている人の方が少ない。

お金があっても、健康でも、満たされない思いを抱えている人はいます。
一方で、どちらもなくても日々感謝して満たされた生活をしている人もいます。

その違いは何か?

私は、心が満たされているがどうか、そう思います。

読書の趣味を持っている人。
絵を書いたり、作品作りが好きな人。
写経をしている人。
毎日お祈りしている人。

外の世界とは距離を置き、自分の内面の世界を充実させている人は、
どんな状況に置かれていても、楽しそうにしているし、
不平不満をもらしたりすることなく、落ち着いて生活していたりします。

高齢者の晩年はせっかく時間はたっぷりあるのですから、
俗世の欲望はもうほどほどに、
精神世界を広げる時間を長く持つことが、
晩年を有意義に過ごすコツではないかと感じています。

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ですが、やはり高齢になってから、
時間ができてから始めようと思っても、できないようです。
若いうちから、気づいたときから、
お金がなくても、体が動かなくても、心を満たすことができることを、
準備しておくことが必要だと思います。

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フリーランスの私の仕事については、こちら。


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