稲橋 閃

物語を書く人|服飾パタンナーからライターになりました。 毎日投稿挑戦中。心が動くお話を…

稲橋 閃

物語を書く人|服飾パタンナーからライターになりました。 毎日投稿挑戦中。心が動くお話を書きたい。  2024年は挑戦する年!ちょいちょい修正したりしてます。 *アイコンはCanvaAIで作成

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火星の写真家|ショートショート

昨日の夜発射された宇宙船は、3日前に到着していた。 ねじり、ねじり。今と明日と、2分前が入り混じる火星のじかんは、とらえどころがない。 ひんやりと冷たい扇状位ガ…

稲橋 閃
2か月前
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ハイチュウの粘着力はそれほどでもない。 #放課後ランプ|毎週ショートショート

マミはカナで、カナがマミだった。 あの時の2人は、もうどっちがどっちなのかわからないくらいにそっくりで、マミが泣けばカナも泣くし、カナが怒ればマミも怒っていた。 …

稲橋 閃
19時間前
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本物の魔本の本はどれ? #放課後ランプ|毎週ショートショート

息を止めたらなんとかなると思っていた。 机の下でまあるくなって、息を潜める。 上靴の踵を折って靴を引きずるように歩く音が近づいてきた。やっぱりきた。 ワタシハコ…

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赤い目覚ましが走り出す|ショートストーリー

いつまであなたは寝ているの? もうそろそろ始まるよ。 真っ赤な耕運機が畑を横切る。 どかどかと強烈なドラムの音に、ねぼけた畑も目を覚ます。 もう、起きる時間だよ。…

稲橋 閃
2日前
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希菜子の偏愛|140文字小説

人が集まる家族の行事すらも餅のためにあると思っていた。 各所から集められた贈答用菓子の中から餅を使った菓子を探し出し、嬉々としながら頬張っていたらしい。 機械が…

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3日前
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道伍のブチ切れ日記|140文字小説

誰も居ない教室で蹴飛ばした机は、思ったよりも大きな音を立てて、遠くまで飛んでいった。 俺がここで1人なのはあいつらのせいだ。思い出すだけで、腹の底の蛇が暴れまわ…

稲橋 閃
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絡のゆるやかな日常|140文字小説

あぁ前からこうだったわけじゃない。 ゆるゆるのスエットで、ふわふわのソファーに座って、丸くなって本を読むんだ。ちょっといいコーヒーがあれば完璧。そんで、これはけ…

稲橋 閃
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不思議の森のお化けのお話。happy birthday to ぽんころちゃん。|ショートショート

あの時は「ああやっと終わった。」 それが1番の感想だった。 少しづつ、少しづつ中から育つ意味はわからなかったけど、どう感じるかはその人次第ってことが、ここまで顕著…

稲橋 閃
7日前
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藍子の絶望的な夜の次の日|140文字小説

とにかくお花がいっぱい咲いていた。 それだけでうふふと笑顔になってしまうなんて、自分は本当に単純だなと思う。 昨日はもう生きていく術は断たれたとか、最後の砦は崩…

稲橋 閃
7日前
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ミッキリとモッキリの船の旅|ショートショート #140文字

まだだ。ここは旅の途中。ミッキリ波とケンカして、両手両足突っ張った。揺れる船尾に沈み込む。大きな魚はみつからない。ぐぐぐと力を入れ直し。オールはまだまだ大丈夫。…

稲橋 閃
9日前
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美容系のえみちゃん #トラネキサム酸笑顔|毎週ショートショートnote

「私?私はねえ、えがおがかわいいっていわれるかな♡」 サンはいつも調子にのってる。わたしたちが笑えるわけないのに。えみちゃんが甘いからそうなる。 「でもぼくがい…

稲橋 閃
10日前
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足を怪我して思うこと|エッセイ

完全に自分を見誤っていた。 もうあの頃の私ではなかった。 30代で突然Japanロックに目覚めたわたしは、とにかくライブに行ってバケツの水をひっくり返したように汗をかき…

稲橋 閃
10日前
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【素敵なサイトマップ紹介】サイトマップを作りたいのでしらべてみる。

自分で書いている続きものの記事は、前回の記事を貼りつけているのだけれど、記事が増えた現在とても探しにくい……。 そうかこれがサイトマップを作るタイミングだな! …

稲橋 閃
12日前
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七つ祠のものがたり(仮)第3話|長編小説 連載

前回の話はこちら 志岐の長く美しい髪を見ていると、自分にもああいったものがあればと妄想してしまう。 志岐は髪だけでなく、指の形や所作、足の爪の形まで文句のつけよ…

稲橋 閃
12日前
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【カップ焼きそばの作り方】北海道民の腹に納まる青春の軌跡|エッセイ

もうすでに、私の手の内にあったのだ。 無添加や、オーガニックなどの言葉を気にしていないわけではない。ビタミンもとるし、コンブチャも嗜む。 しかし支配的で、強引な…

稲橋 閃
13日前
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タコの中からいるかがでてくる|ショートショート

何のためにあるのか。 いつも意味ばかりを考えてしまう。 自分のやりたいように。だとか、心の赴くままに。だとか言われても、それになんの意味があるのか。 また正しい…

稲橋 閃
2週間前
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火星の写真家|ショートショート

火星の写真家|ショートショート

昨日の夜発射された宇宙船は、3日前に到着していた。

ねじり、ねじり。今と明日と、2分前が入り混じる火星のじかんは、とらえどころがない。

ひんやりと冷たい扇状位ガラスの窓に頬をぐいと押し当て、熱った顔の熱をすこしでも逃そうとしているニイ宮は手の中の大きなキカイを見つめた。

船内はハワイアンタイムとかで、ゆったりとしたウクレレの音とハイビスカスの香りと、ゆらりと揺れる太陽が、ズンズンと気温をあげ

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ハイチュウの粘着力はそれほどでもない。 #放課後ランプ|毎週ショートショート

ハイチュウの粘着力はそれほどでもない。 #放課後ランプ|毎週ショートショート

マミはカナで、カナがマミだった。

あの時の2人は、もうどっちがどっちなのかわからないくらいにそっくりで、マミが泣けばカナも泣くし、カナが怒ればマミも怒っていた。

高校に入ってすぐのとき、中学からの友人がいなかったマミが目の前に座っていたカナにこっそり、ハイチュウをあげたのがきっかけ。

だから2人の絆は、ハイチュウで始まって、ハイチュウで終わったともいえる。

おんなじものを食べて、同じブラン

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本物の魔本の本はどれ? #放課後ランプ|毎週ショートショート

本物の魔本の本はどれ? #放課後ランプ|毎週ショートショート

息を止めたらなんとかなると思っていた。
机の下でまあるくなって、息を潜める。

上靴の踵を折って靴を引きずるように歩く音が近づいてきた。やっぱりきた。

ワタシハココニイナイ。ワタシハココニイナイ。

ぷはっ。もう限界。

頬骨まで長く伸びたさらさらの髪を左耳にかけながらユウキが近づいてきた。

「おまえ、なにしてんの?また魔法の本とか言ってんの?」

ユウキの軽口を無視して、机の下から這い出す。

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赤い目覚ましが走り出す|ショートストーリー

赤い目覚ましが走り出す|ショートストーリー

いつまであなたは寝ているの?
もうそろそろ始まるよ。

真っ赤な耕運機が畑を横切る。
どかどかと強烈なドラムの音に、ねぼけた畑も目を覚ます。

もう、起きる時間だよ。
ほらみんなが待ってるよ。

【あとがき】北海道は少し町から離れると、広大な畑が広がっています。
5月は、冬の間眠っていた畑を整備して、畑を耕す時期です。

ちょうど畑の前を通った時に、「畑をおこす季節だね。」なんて会話があって、おこ

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希菜子の偏愛|140文字小説

希菜子の偏愛|140文字小説

人が集まる家族の行事すらも餅のためにあると思っていた。

各所から集められた贈答用菓子の中から餅を使った菓子を探し出し、嬉々としながら頬張っていたらしい。

機械が鳴って蓋を開けるよう促される。

つぶつぶの餅米が、小さな羽で少しづつ滑らかに変化してゆく様子をみながら、喜びを噛み締めていた。

【あとがき】
ゴールデンウィークから続けみた、喜怒哀楽をテーマにした140文字小説はここでいったんおわり

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道伍のブチ切れ日記|140文字小説

道伍のブチ切れ日記|140文字小説

誰も居ない教室で蹴飛ばした机は、思ったよりも大きな音を立てて、遠くまで飛んでいった。

俺がここで1人なのはあいつらのせいだ。思い出すだけで、腹の底の蛇が暴れまわる。

小さな頃から一緒だったのに。
俺の味方だと思っていたのに。

桜舞う春先の教室もこちら側からの風景は冷たく角には影も落ちる。

【あとがき】ゴールデンウィーク中の隙間を見ながら、140文字小説チャレンジ!

喜怒哀楽をテーマにして

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絡のゆるやかな日常|140文字小説

絡のゆるやかな日常|140文字小説

あぁ前からこうだったわけじゃない。
ゆるゆるのスエットで、ふわふわのソファーに座って、丸くなって本を読むんだ。ちょっといいコーヒーがあれば完璧。そんで、これはけっこうどこでもできる。もっと言うなら、ちょっと甘めなチョコレートも。お前はいいねって言うならさ、オマエもそうしてごらんよ。

【あとがき】ゴールデンウィーク期間は、書く時間が取れないからこそやっちゃおう!140文字小説チャレンジ!

という

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不思議の森のお化けのお話。happy birthday to ぽんころちゃん。|ショートショート

不思議の森のお化けのお話。happy birthday to ぽんころちゃん。|ショートショート

あの時は「ああやっと終わった。」

それが1番の感想だった。
少しづつ、少しづつ中から育つ意味はわからなかったけど、どう感じるかはその人次第ってことが、ここまで顕著なものってないと思う。

ほらみんなやってるじゃない?ねえ、目の前にいるあなたのお母さんもよ。

まさに命懸けの危険な所業だって、みんな知ってた?わたしだって知ってたよ。でも知っているってのは、安全なお部屋のソファーの上で丸くなってテレ

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藍子の絶望的な夜の次の日|140文字小説

藍子の絶望的な夜の次の日|140文字小説

とにかくお花がいっぱい咲いていた。

それだけでうふふと笑顔になってしまうなんて、自分は本当に単純だなと思う。

昨日はもう生きていく術は断たれたとか、最後の砦は崩れたなんて事をいって深い沼の奥に沈み込んでいた。

お花の名前なんてしらないけど、ただそれを見ているだけでよかった。

【あとがき】ゴールデンウィークが始まってもう時間がぜんぜんとれないので、先日ちょっと書いてみた140文字小説にしてみ

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ミッキリとモッキリの船の旅|ショートショート #140文字

ミッキリとモッキリの船の旅|ショートショート #140文字

まだだ。ここは旅の途中。ミッキリ波とケンカして、両手両足突っ張った。揺れる船尾に沈み込む。大きな魚はみつからない。ぐぐぐと力を入れ直し。オールはまだまだ大丈夫。船にも穴は開いてない。そのころへさきのモッキリは、美味しい小魚炙ってた。ここらは珍味もとれるらしい。船の旅はゆかいだな。

【あとがき】140文字でお話を書く……。
noteでちょこちょこ見かけていたけれど、140じゃなにも書けないなあ……

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美容系のえみちゃん #トラネキサム酸笑顔|毎週ショートショートnote

美容系のえみちゃん #トラネキサム酸笑顔|毎週ショートショートnote

「私?私はねえ、えがおがかわいいっていわれるかな♡」

サンはいつも調子にのってる。わたしたちが笑えるわけないのに。えみちゃんが甘いからそうなる。

「でもぼくがいちばん触れられる時間は長いんだよ。」

トラは自惚れが強い。えみちゃんはひいきしたりなんかしない。みんなに平等なんだから。

「ぼくはね、おおきくなったね。っていわれるよ。」

サムはいい。かわいい。

「ネキは、またおこってるの?それ

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足を怪我して思うこと|エッセイ

足を怪我して思うこと|エッセイ

完全に自分を見誤っていた。
もうあの頃の私ではなかった。

30代で突然Japanロックに目覚めたわたしは、とにかくライブに行ってバケツの水をひっくり返したように汗をかきながら大声をだすことにはまっていた。

そこから16年。

先日大人になってからできた友人が突然バンドを始めた。もともとバンドをやっていたらしい。

久しぶりのライブだとすこし浮かれながらライブハウスに向かった。

プロではない人

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【素敵なサイトマップ紹介】サイトマップを作りたいのでしらべてみる。

【素敵なサイトマップ紹介】サイトマップを作りたいのでしらべてみる。

自分で書いている続きものの記事は、前回の記事を貼りつけているのだけれど、記事が増えた現在とても探しにくい……。

そうかこれがサイトマップを作るタイミングだな!

そこで今日は素敵なサイトマップを作られている方々の記事を見ながら、自分の理想のサイトマップについて考えてみる。

文字の大きさや太文字を使って変化をつける私も共同運営マガジンに参加させていただているクロサキナオさんのサイトマップは、やっ

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七つ祠のものがたり(仮)第3話|長編小説 連載

七つ祠のものがたり(仮)第3話|長編小説 連載

前回の話はこちら

志岐の長く美しい髪を見ていると、自分にもああいったものがあればと妄想してしまう。

志岐は髪だけでなく、指の形や所作、足の爪の形まで文句のつけようがないほど整っている。

ひとつひとつは、普通よりちょっといいなと思える部品なのだが、それらが全て集まって志岐になると、神々しいまでに美しくなる。

ああいったものが1つでもあれば、私の生き方も違ったのだろうか。

「まだ、感じるか?

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【カップ焼きそばの作り方】北海道民の腹に納まる青春の軌跡|エッセイ

【カップ焼きそばの作り方】北海道民の腹に納まる青春の軌跡|エッセイ

もうすでに、私の手の内にあったのだ。

無添加や、オーガニックなどの言葉を気にしていないわけではない。ビタミンもとるし、コンブチャも嗜む。

しかし支配的で、強引なそれは、私を引き寄せて放さない。

……

北海道民の私にとって、カップ焼きそばといえば「やきそば弁当」通称“やき弁”である。

道民が好きな甘めのソースとたっぷり入った具、もちもちの麺は、見つけると食べたくなる、ソウルフードである。

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タコの中からいるかがでてくる|ショートショート

タコの中からいるかがでてくる|ショートショート

何のためにあるのか。
いつも意味ばかりを考えてしまう。

自分のやりたいように。だとか、心の赴くままに。だとか言われても、それになんの意味があるのか。

また正しい答えを求めてしまうのだ。

今日もそうやって、もりもりと膨らんだ脳みそを持って、ビツ屋へ向かう。

「すみません。」

「ああ、きみかね。ずいぶん早いお出ましだね。前回来たのは…そうさな、半月前かね。」

「最近はもう、自分でもさっぱり

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