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#10 愛情と狂気

#10 愛情と狂気

〈あらすじ〉

答えてください。
娘を殺したのは私でしょうか。

娘の小学校受験が終わったら離婚すると約束していた夫婦に悲報が届く。
病院に駆けつけた二人を待っていたのは「おそらく脳死」という残酷な現実だった。
一度は、事実を受け入れた二人だったが、直前になって翻意する。そして娘との生活を続ける事を決意した母親。それは愛情なのか、それとも狂気かー。愛する人を持つすべての人へ。

〈感想〉
家族が、

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#09  巡り巡って

#09 巡り巡って

初恋さがし / 真梨幸子 著

それがそこに繋がって、そこがああなって、こうなるか!!
確かに、初恋さがしではあるけれど、それだけじゃ終わらない。ちょっとした事の連続が、不幸を招く。悪意やら、妬みやら、執着心やら、これでもかと言うくらいのドロドロっぷりです。元凶は誰なのかー。黒幕は誰なのかー。色んな感情が渦巻いて、背中がヒヤリとします。

読解力は良くないので、どこがどう繋がっているのか、という物

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#07 #08 ツバキとキラキラ

#07 #08 ツバキとキラキラ

ツバキ文具店
キラキラ共和国(ツバキ文具店の続編)
小川 糸 著

ツバキ文具店

伝えたかったことはありますか?
伝えられなかったことはありますか?
大切に想っているからこそ、伝わらない、伝えられなかった想いはありませんか?
鎌倉の山のふもとにある、小さくて古い文房具屋「ツバキ文具店」。
店主の鳩子が、あなたの思いを込めた、手紙の代書を請け負います。

キラキラ共和国

ツバキ文具店に持ち込まれ

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#06 読書記録

#06 読書記録

シェア / 真梨幸子 著

いわくつき物件のシェアハウス「さくら館」。あやしい六人の女性入居者たち、床下から発見されたとんでもないもの、この家の過去にまつわる奇妙な噂。六人の女性たちの思惑が交差したその時、何が起こるのか-------。

ええ、イヤミスです。これでもかと言うくらい、人のドロドロした黒い思惑がダダ漏れです。なので、イヤミスが嫌いな方、ドロドロしたのは読みたくない方には、向かな

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#05  読書記録

#05 読書記録

君を描けば嘘になる / 綾崎隼 著

内容(「BOOK」データベースより)
瀧本灯子には絵しかなかった。小学一年生で美術教室に通い出してからは、寝食も忘れてアトリエで感情の赴くまま創作に打ち込む毎日。そんな彼女の世界に南條遙都という少年が現れた。自分にはない技術を持つ遙都を認め、次第に彼にだけは心を開きはじめる。しかし嵐の夜、二人のいるアトリエを土砂崩れが襲い―。妬む人、託す人、助ける人、ともに歩

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#04  読書記録

#04 読書記録

凍裂 / 喜多由布子 著

凍裂/喜多由布子 著

貞淑な妻が善良な夫を刺した。妻は容疑を認めているが、理由は話そうとしない。相反する周囲の想いが、家族の真実を浮かび上がらせる。

心に余力がある時に読むのをお勧めします。本の厚みとしては厚くないですが、内容は少し重めです。
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夫から妻への無自覚なモラルハラスメント。元を辿れば、また、夫の父親もモラルハラスメンをす

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 #03 読書記録

#03 読書記録

博士の長靴 /瀧羽麻子

天気の研究に生涯をささげた藤巻博士。博士一家・四世代の歴史と、彼らとの出会いで変化していく人々の生きざまや家族の在り方を描いた連作短編小説。

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藤巻家を中心に、藤巻家各々の視点、そして藤巻家と出会った人たちの視点。日常の中の、些細なささくれだったり、小さな棘だったりを描く。それでも着地点はどこか柔らかで、少し優しい。

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#02 読書記録

#02 読書記録

毒よりもなお /森晶麿 著

内容(「BOOK」データベースより)
都内でカウンセラーとして働く美谷千尋は、自殺願望のある高校生、今道奈央から“首絞めヒロの芝居小屋”という自殺サイトの存在を知らされる。そこに犯罪の匂いを感じた千尋は、サイトの管理人が8年前に故郷の山口県で知り合った「ヒロアキ」ではないかと疑いを抱く。千尋によって徐々に明らかにされていくヒロアキの恐ろしくも哀しい過去。ヒロアキはな

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#01  読書記録

#01 読書記録

カザアナ / 森絵都 著

平安の昔、長閑に暮らしていた、石や虫など自然と通じ合う力を持った風穴たち。それから八百五十年後、国の規制が強まり、空には監視ドローンが飛び交うようになっていた。そんな近大の世界で、中学生理宇とその家族が、カザアナに出会う。そこから始まる、家族のささやかな冒険とは----。

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物語に出てくるのは、空読(空を読み、

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読書記録

読書記録

N/道尾秀介 著
「名のない毒液と花」
*教え子の秘密を探る理科教師
「落ちない魔球と鳥」
*(死んでくれない?)鳥がしゃべった言葉の謎を解く高校生
「笑わない少女の死」
*定年を迎えた英語教師だけが知る、少女を殺した真犯人
「飛べない雄蜂の嘘」
*殺した恋人の遺体を消し去ってくれた、正体不明の侵入者
「消えない硝子の星」
*ターミナルケアを通じて、生まれて初めて奇跡を見た看護師
「眠らない刑事

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Q&A /恩田陸 著

Q&A /恩田陸 著

内容(「BOOK」データベースより)
2002年2月11日午後2時過ぎ、都内郊外の大型商業施設において重大死傷事故発生。死者69名、負傷者116名。未だ事故原因を特定できず―。質問と答え(Q&A)だけで物語が進行する、リアルでシリアスなドラマ。謎が謎を呼ぶ“恩田陸ワールド”の真骨頂。

ネタバレ含みます。
*****************

えー、読者に丸投げの煙に巻く

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記憶の渚にて/白石一文 著

内容(「BOOK」データベースより)
国際的に著名な作家だった兄が謎の死を遂げた。古賀純一は兄の遺品の中から謎の遺書と『ターナーの心』と題された随筆を発見する。我が家の歴史を綴ったその文章は、記憶とは大きく食い違うデタラメばかり。偽装された文章は兄の死となにか繋がりがあるのか?兄の死の真相に迫る古賀を待つ、謎、謎、謎―。日本からイギリスへ。海を跨ぎ、一五〇年の時を越える一族の歴史。そのすべてが一つ

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読書日記

刻まれない明日/三崎亜記 著

内容(「BOOK」データベースより)

十年前、三千九十五人が一瞬にして消え去った故郷に、沙弓は戻ってきた。その街では既にない図書館から本が借りられたり、廃線の路線バスの光が見えたりと、消えた彼らの存在が強く感じられるのだ。だが、その気配が徐々に薄れ始めて…。沙弓は事件の「傷」と闘いながら、残された人々もまた葛藤している姿を目にする。人々の営みが胸を打つ感動長編、待

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読書

今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います
/夕鷺かのう 著

パワハラなんて当たり前。執拗なまでの嫌がらせや業績を掠めとる上司。若い女子を目の敵にするお局様。コネだけで会社に居座り傍若無人に振る舞う上司。三編からなる短編集。ちょっと(ではないかも知れない)ブラックなお仕事小説。

ネタバレ含みます。
うん、わかるよ。そんな上司がクソだって事も、居なくなればいいのにって思う事も。どの会社にでも

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