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かもめのジョナサン(著:リチャード・バック)【読書紹介は書物の紹介ではない。完全なる境地のことなんだ】

ずっと昔に流行ったカルト小説。

どこにでもいる一羽のカモメ。
ジョナサン・シーガルは、
他のカモメと違ったことをやり始める。

ほとんどのカモメは、生きるために飛ぶ。
しかしジョナサンは、違う。
何の役にも立たない飛行技能に磨きをかけ、
いかに美しく、いかにアクロバティックに飛ぶか。

飛ぶために飛ぶ。

最初はバカにされてひとりぼっちだった。
何の役にも立たないことをやっている極潰し野郎だ。

しかし、社会の雰囲気は徐々に変わり始める。
すこしづつカモメの弟子たちが集まり始める。

何よりも楽しい。
生きることに意味が生まれる。
生きるために生きるのではなく、
意味を手に入れるために生きる。

そんなジョナサンの生き方に、
若いカモメたちが少しづつ彼の背中を追いかけ始めたのだ。

やがて、飛行学校になっていくジョナサン集団。
集団はどんどん大きくなっていき・・・

なんか違ってたらごめんなさい。
私の想い出の中ではちょっと違っているかも。
(ジョナサントロジー派なのです)
(哺乳類型宇宙人が怖い)

正確なあらすじはこちら。

******

60年代ヒッピー文化の時代、
キリスト教や仏教の創業期をオーバーラップしたような本作は、
アメリカ版ライトノベルくらいの軽い本だったのに、
あっという間に人気が出始めて、社会現象となったのでした。

シンプルな話ですが、
人間はこういう話にひどく感動する類型なんです。

でも、
カモメの話なんです。
ヒトの話ではないです。
だから距離感がある。
ヒトは空を飛べないし。

だけど、何かに憧れて、
どこまでも追いかけていく。

なんだろう、どこかで観たことがある。
カリスマやアイドルといった存在。

後世、政治化する信仰と、



名もなき「最初のひとり」の違い。

人類は何度もこれを過去の歴史で体験してきました。

その構造を文化人類学的に抜き出して類型化して、
寓話と小説の形に仕立てた本作は、
20世紀文学の古典として間違いなく1000年後にも残るのでしょう。
20世紀の人類はこんな物語を読んでいたんだな、てな風に。

今日も光がまぶしいですね。


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