線上のキンクロハジロ 第二話
清澄庭園に隣接する深川図書館の斜向かいに、登美彦の所属するアニメーション制作スタジオ『ハバタキ』がある。隅田川の支流沿いにある『リバーサイド・カフェ』と軒を並べた陸屋根のこじんまりとした平屋で、スタジオの存在を示す目立つ表札もなにもないので、外観上はたんなる個人宅にしか見えない。
近年はハンドドリップのコーヒーと現代アートの街として知られるようになった清澄白河の地に、なぜアニメーションスタジオを立ち上げたのか不思議に思った登美彦は、採用試験を兼ねた面接の場で社長の林田に