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志望校をめぐって母親に泣かれる。

高校受験の時の話。

中学まで勉強を頑張っていた。

勉強のできる子、というのが、当時の自分にとって、唯一の取り柄かつ存在意義&アイデンティティ、みたいになっていた。

テストでいい点をとったときや、いい点をとって周りから褒められたり認められたりするのは嬉しかったけど、勉強しているその内容に興味関心や好きがあったわけではない。

楽しかったのは、唯一社会の歴史の部分、戦国時代くらいだ。

周りからの評価や、親(母親)から植え付けられた価値観、勉強していい大学に入って、いい就職をれしないと、人生大変なことになる…という他者の価値観や評価軸に従っていたと思う。

で、高校受験に戻る。

志望校は、上記のような価値基準、判断基準から、当時の自分の判断基準で決めた。

偏差値的にちょうどいいところ。

でもアンパイというか、チャレンジングでないところ。

の結果、第一志望は公立校のN高校となった。

でも、N高校に行きたい理由は、偏差値がちょうどいい以外、ほとんど見当たらなかった反面、N高校に行きたくない、行く不安理由はいくつかあった。

まず、

プールが50mプールだった。(当時カナヅチで体育のプールの時間が大の苦手だった)

私服だった。(当時、ファッション的にイケてることが偉いみたいな風潮があったが、自分は洋服屋が苦手で、センスにも自信がなく、できれば学ランなど制服があった方が気が楽だった)

そして、男女共学だった。(前に記事で書いた中学時代の女子との間のトラウマで、女子の目や女子と接すること、女子と同じ空間にいることが苦手で苦痛で嫌だった)

そんな理由から、N高校に行くのは本当は嫌だった。

でも、N高校より一つ偏差値を落としたU I高校は、兄が当時通っていたので、嫌だった(兄に負けたくないと言う気持ちがあったかもしれない)。

そして、N高校より二つ偏差値を落としてしまうのは、少し落としすぎな気がしたし、N高校よりひとつ上へあげると、男女共学だけれど校舎が別で、それはいいなあと思ったのだけれど、落ちる可能性があるのが嫌だった。

そして、結局私は第一志望に公立のN高校、第二志望に私立のK高校、第三志望に私立のS高校、滑り止めに、私立のU G高校を受けることにした。

それで決まっていたのだけれど、ある日、同じ塾に通っている友達、同じくらいの偏差値(でも地頭は彼の方が良い)の友人にその話をしたら、

えー、S高校なんて受けるの?あそこは無しでしょう⁉︎

みたいな感じで、S高校を受けることだか、S高校自体を否定され、なんだか自分もそんな気がしてきて、受けるのが嫌になった。

そして、そのことを帰って母に話をした。

S高校を受けるのを辞めようと思う、と。

そうしたら、母は泣きながら、S高校を受けないなんてあり得ない、受けるべきだと言ってきた。

理由や動機は忘れたしよくわからない。

でも、受けないと言った後で泣かれたことをよく覚えてる。

そして、それがすごく嫌な気分というか、胸にずしんと来るというか、重苦しく感じた。

意にそぐわないと泣かれる。みたいな捉え方をしてすごく嫌な気分だった。

父が間に入って、そんなに嫌だったら受けなくていい。

と言ってくれた。

ただ、母は納得してなかった。

結局私はS高校を受験した。

最終的に、受験した高校は全て合格したので、第一希望のN高校に入学することになった。

第一志望とは言ったものの、不安材料や嫌な材料がある学校だった。

なんでN高校に行ったんだろう。

偏差値で全て決めていただけだ。

行かない理由はいくらでもあったのに。

そして、S高校を受けるのをやめたくなったのは、友人の影響で、最終的に受けることにしたのも母親に泣かれたからで、一連の高校進学の進路選択に、自分の意思や意見、動機や、やりたいこと、好きなこと、目標…

なんでもいい。

ここの高校に入ってこの部活をやりたい。
でも、
制服がかっこいい
でも、
電車通学してみたい
でも、
プールがない
でも、男子校で苦手な女子と接しない
でも…

一つでも、ネガティブでもいいから、その進路選択に自分なりの意思や意見や嗜好、志向があればよかったのにと今では思う。

あのころの自分にら今自分が声をかけてあげるとしたら…

偏差値で選ぶのもいいけれど、君は本音で言って何が好き?何が嫌い?どんな環境にいたい?どんな環境は嫌?やりたいこと、挑戦してみたいことはない?高校生になったら何がやりたい?今どんなことを感じていてどうしたい?

周りの友達や親の意見と関係なく、自分の意思で、自分の好き嫌いで、自分の趣味嗜好で、自分がどうしたいかで、自分の進路を決めてもいいんだよ、と声をかけてあげたい。

あの頃の自分には、そんなことを教えてくれる大人は誰もいなかった。

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