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中小企業診断士試験は、大人の学び、人格矯正ギブスでもある!?

来週10月30日が、中小企業診断士の二次試験ということで、6年前、私が受験していた頃のことを思い出していました。中小企業診断士の試験は年1回だけ。1年間の勉強の集大成をここで大放出します。

かなりの難関試験と言われていますが、その先に何があるのでしょうか?

中小企業診断士の役割

中小企業診断士試験の情報はこちら。

ザックリ言うと、経営コンサルタントに関する、国内唯一の国家資格です。税理士、公認会計士、社労士、行政書士、司法書士などは各専門分野を持ち、中小企業診断士は、それぞれの分野をつなぐ総合職。医者に例えると、専門医と街のかかりつけ医のような関係で、中小企業診断士は、かかりつけ医に例えられることがあります。

今年の一次試験は合格率28.9%と比較的高め。

https://www.j-smeca.jp/attach/test/r04/r04_1ji_toukei.pdf

しかし、二次試験は例年20%前後の合格率です。

私が受験した2016年度は、一次試験も二次試験も合格率が低く、単純計算では、両方合格する、いわゆるストレート合格率は3.4%でした。

2016年度の中小企業診断士試験合格率

大人の学び

中小企業診断士の受験生は、20代から70代まで幅広く、大人の学びと言えるでしょう。

私は学生の頃、ほとんど勉強せずに、自分の好きなことばかりしていました。テレビの分解とか、パソコンでプログラミングとか。技術や科学には興味ありましたが、それ以外はまったくゼロという感じ。

50代になって、人生初の猛勉強をすることになるとは、直前まで思ってもみませんでした。

大人になって、専門分野を極めるという方向性もあると思います。
一方で、中小企業診断士は経営全般を包括的にサポートする立場なので、モノゴトを俯瞰して大局的に観る力と、膨大な情報を統合する力が必要です。部分特化より全体のバランスが重要。

50代での中小企業診断士へのチャレンジは、それまでの経験の総まとめという感じです。経営に必要な知識を体系的に学び、それまでの知識や経験をまとめ直す感じ。感覚的にわかっていることでも、体系的に整理すると、「なるほど、そういうことか!」と色々な知見がつながって、構造化して捉えることができます。

私は理系的な発想で、仕組みがわかれば応用できる、という確信がある。知っていることと、できることは別次元と言われますが、知見を体系化・構造化することで、いつでも応用できる状態にすること。これが、大人の学び直し本質だと思っています。

経営コンサルタントに求められるもの

経営コンサルタントは、専門分野を持ちながら、やはり総合職としての役割が大きい。上から目線ではなく、ヨコから目線で、社長に寄り添い、一緒に考え、時には行動も共にする。そういった経営者のパートナー的存在が求められていると思います。

あれこれ正解を教えるだけでは、経営は良くならない。納得の判断を社長が自信をもってできるように、情報や環境を整えることが重要な役割です。

そうなると、知識、経験、ロジックも大切ですが、人としてのあり方が重要になります。
どういう立ち位置で経営に関わるのか?

私は、社長のパートナーとして、社員さんにとっては仲間として、現場に笑顔が増えるように、事業戦略から関わりたいと思い、「事業戦略パートナー」という肩書にしました。

人格矯正ギブスとしての、中小企業診断士試験

話しを最初の中小企業診断士試験に戻すと、なかなか難儀な試験なんです。たぶん、本気で受験した人でないと、難しさがわからないと思いますが。

以前書いた記事では、意味不明な日本語、理不尽さ、色々迷わせる仕掛け、などをご紹介しました(↓)


ハッキリ言って、中小企業診断士試験は理不尽です。努力して積み上げてきたことがあっさりムダになることがある。でも、「世の中の仕組みがそもそも、そういうものです。」というメッセージなのだと今は受け止めています。

意味不明な日本語は、社長の日常を模したもの。社長が理路整然と整理して話されることは稀で、あちこち取っ散らかった話をされるのが普通です。でも、そこには溢れ出る想い、ハンパない熱量があったりするわけで、不可能を可能にする経営者さんは、本当に尊敬します。リスペクトしかない。

だから、出来ないことに目を向けるより、出来ていることに注目して、お互いに得意なことで助け合えば、いい結果が生まれるハズ。そういう助け合いが経済成長の原理なんです。


自分の不得意なことは素直に認めて、得意なことで勝負する。でも、最低限押さえるべきことは知識でなんとかカバーして、誰かの助けを求める。そういうスタンスが試される試験です。人格が崩壊している人は、絶対に合格できない。本当によくできている試験です。

中小企業診断士の勉強を続ける中で、私自身も人格が矯正され、パワーアップした気分。受けて良かった、中小企業診断士になれて、本当に良かった。そう思います。

診断士になる過程で、余計なものがそぎ落とされて、素の良い自分に戻れる。
だから、もっと多くの人にチャレンジしてほしい。
絶対、世の中を良くする力が増しますから!


大人の学び直し、何歳からでもチャレンジできます。
ちょっとヘビーですが、あなたも、いかがですか?



この記事を書いたのは、
収益の柱を増やす「事業戦略パートナー」 川原茂樹
https://mousoubiz.com/
https://twitter.com/mousoubiz


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