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【今日のnote】「好きなものについて書かれている文章」が、やっぱり好き。

 こんにちは、狭井悠です。

 毎日更新のコラム、72日目。

 世の中にはいろんな文章がありますが、「好きなものについて書かれている文章」と「嫌いなものについて書かれている文章」ってありますよね。

 僕はどちらかといえば、「好きなものについて書かれている文章」が好きです。なんだか、いいじゃないですか。一生懸命に、なぜそれが良いかを教えてくれる。こころがほっこりすることが多いです。

 一方で、「嫌いなものについて書かれている文章」があります。世の中の良い側面だけでなく、悪い側面を知るためにも、そうした文章は必要です。

 でも、ちょっとつかれているときって、「嫌いなものについて書かれている文章」は、個人的にはあんまり読めないんですね。


 で、なんで読めないのかなあ? と考えてみたんですが、言葉が剣と化す姿が浮き彫りになるからなんだと思うんです。

 僕は常々、言葉の力というものを信じているわけですが、言葉はまさに諸刃の剣です。

 たとえば、嫌いなものについて書くときには、嫌いである対象を斬る力がはたらくわけですね。このとき、言葉は加速し、とても威力を持ちます。

 そして、対象を切り裂く瞬間の痛みが、読み手にも直に伝わる。それがけっこう、受け取る側としてはダメージになるときがあるんだろうな、と。


 ただ、僕がここで言いたいのは、「嫌いなものについて書かれている文章」がこの世からなくなればいい、ということではありません。

 重要なことは、文章を書くという行為は、どんな話題であっても、必ずどこかで、誰かを傷つける可能性があるということなんです。

 ある程度、長く文章を書いてきた人は、きっとそのことについて、よくわかっていると思います。(中には実感のない方もいるのかもしれませんが)

 だからこそ、書き手は日々、書くべきことを考えて、「これだ!」とテーマを決めたら、たとえ誰かを傷つける可能性があったとしても、致し方あるまいと、覚悟を持って書いているのだと思います。

 そして、そういうことを書かざるを得ないときは、往々にして、僕自身にもあるんです。ですから、どんな話題で書かれた文章であっても、それは尊いものであるし、僕は日々、すべての書き手に敬意を持っています。

 今日もおつかれさまです。


 ただ、冒頭にも述べたとおりですが、個人的にはやっぱり、「好きなものについて書かれている文章」を読むのが好きですね。

 「これが好きなんよ!」と、書き手が一生懸命に語る文章は、読んでいて純粋に気持ちがいいから。

 僕はたまの暇つぶしに、著作権切れの作品データベース「青空文庫」を流し読みすることがあるのですが、たとえば、北大路魯山人の書くグルメエッセイなんかは、最高に良いです。

 魯山人といえば、言わずと知れた著名な陶芸家・美食家で、気難しさ満点のじいさん、というイメージですが(失礼)、そんなじいさんが淡々と食についてのこだわりを語るエッセイは、控えめにいって至極です。

 僕はとくに「茶漬け」のエッセイが好きなんですが、もしも興味のある方は、以下の青空文庫リンクから探してみてください。125作品を無料で読むことができます。


 ちなみに、僕が過去に書いたコラムの中でよく読まれたものも、実はどれも、好きなものについて一生懸命書いた文章たちでした。以下に、代表的なものを3つあげてみます。

 こちらは、ファッションブランド「Yohji Yamamoto」が、画家「内田すずめ」さんとコラボした服の素晴らしさについて、切々と書いたコラムです。

 このnoteは「おすすめのnote」に掲載いただき、Yohji Yamamotoの公式Twitterにもリツイートいただいたという思い出があります。そして、内田すずめさんや、絵のモデルの方とも、Twitter上で交流することができました。

 あれは嬉しかったなあ。ものを書く醍醐味を味わう、貴重な体験ができました。また、こういうコラムを書いてみたい。

 でも、この手のコラムって、狙って書けるものではないんですよね。圧倒的な体験があって、はじめて書くことができるタイプの文章ですから。また、何か圧倒的なものと、出会わなければいけないなあ。


 このnoteは、僕が大好きなバンド「ZAZEN BOYS」のリキッドルームワンマンライブを観に行ったときのレビューです。こちらはnote公式の「#コンテンツ会議」でレコメンドしてもらいました。

 好きなバンドについて、熱く語る。これほど、楽しいことはありません。今後も、ライブやイベントのレビューは、体験したら随時、書いていきたいと思っています。

 そういえば、こちらのコラムもまた、体験ありきの文章ですね。書くにおいては、何かを体験することが、ほんとうに大事なんだなあ。


 こちらはグルメレポートです。飲兵衛御用達の街、夜の高円寺を案内してもらったときの、最高だった美味しい思い出を書きました。この日は、ほんとうに、良い夜だったなあ。ありがたいです。

 このnoteは、公式マガジンの「#グルメ 系記事のまとめ」で紹介してもらえました。グルメレビューって、書いていてめちゃくちゃ楽しいので、誰からも頼まれていないレビューコラムを、これからも嬉々として書いていきたいなあと思っています。


 ここまでチェックしてみて、「おや?」と思った気づきがひとつ。

 良い文章を書くためには、良質な体験が必要なのかもしれない、ということです。


 好きなものに出会うと、好きなものを詳しく知るために行動します。

 行動すれば、そこには体験が発生し、さらなる感動が生まれます。

 そして、その感動が書きたい衝動に代わり、文章に姿を変えます。


 なるほど。このロジックは、書きながらふと思い浮かんだことなんですが、整理してみると、けっこう合点がいきますね。

 良い文章を書くためには、好きなものに出会い、感動を味わう体験が必要なのかも。

 ちょっと、今後の執筆活動の参考にします。僕の場合は、特にフィジカルな物書きなので、良い文章を書くことと、良い体験をすることはニアリーイコールかもしれませんね。

 以上、長々と書きましたが、読者の皆様にも、何か気づきがあれば幸いです。

 僕はこれから、この場所では「好きなもの」について、楽しみながら毎日書いていこうかなと思っています。


 今日もこうして、無事に文章を書くことができて良かったです。

 また明日も、この場所でお会いしましょう。

 それでは、よい週末を。ぽんぽんぽん。

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