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武士&HIPHOP!はとぽっぽー!おじぃマフィア~s! 映画「ゴースト・ドッグ」★3,5

武士道精神を持つNYの殺し屋ゴースト・ドッグとマフィアのいざこざ。

1999年 米・仏・独・日 116分
Ghost Dog: The Way of the Samurai
監督ジム・ジャームッシュ

日本の「葉隠はがくれ」という本を愛読し、だいぶ武士道に傾倒してる、クマさんみたいな黒人の大男が主人公。腕利きの殺し屋だが、ハトなどの鳥が好きで、それらと接してると笑顔が溢れている。あと本も好きなよう。

サムライらしく、主従関係がきっちりしてて、助けてもらった恩から、マフィアのルーイを主としている。良い関係を築いてこれていたが、ある仕事の件で問題が発生し、そのマフィアグループと戦うことになってしまう。

作品の雰囲気は、それほど重苦しいということもなく、どちらかというと笑えて軽い空気間で、気軽に観れる。HIPHOPとサムライ、そして殺し屋とマフィアという組み合わせが、独特で面白い。

ふと思ったが、殺し屋ならニンジャの方が良いような。ニンジャには武士道のようなものはないのかな?なんか通じる部分がありそうだけど。ニンジャとサムライの差異が気になってきた。似てるのか、全然違うのか。

まあメインとなる「葉隠」が、武士の為の本みたいだし、やっぱりサムライじゃないとダメなんだろうな。読んだことないけど、作中に出てくる言葉だけでも、けっこう感心させられた。読んでみたい。

「大事は心軽く、小事は心重くしろ」や「物事は七回呼吸する間に決めよ。決めたら一気に。」、「雨の覚悟」みたいな。あと何だっかな。思い出せない。まあとにかく、こんな感じで思いのほか感銘を受けた、ことに驚いた。

もう一冊の気になる本が「羅生門」。読んだことあると思うけど、覚えてないな。「藪の中」てどんな話だったかな。「昔の日本て変だね」、みたいなセリフが出てくるけど、なんかちょっと嬉しい。

敵対することになるマフィアだが、どーにもおじいちゃんばっかで怖さはない。むしろコミカルで微笑ましくもある。何しろ行動に俊敏さがないし、ボケてる人もいるし、ハト足のメッセージが読みづらくて老眼鏡とか。

ヴィニーというギャングが死ぬ前に、「昔のギャングばりにってくれたもんな」と言ってゴーストドッグに感謝して死んでいくところは、なんか悲哀を感じた。最後にギャングらしく死ねて本望だったのだろう。

それからやっぱり、アイスクリーム屋の仏人?レイモンが良かった。言葉が通じてないのに、何故か成り立つコミュニケーション笑。面白かった。心が通じている、本当の友達って感じか。二人のシーン好き。

あと黒人少女パーリーン。この子もきっと、ゴーストドッグと友達になったのだろう。羅生門の感想も聞けて満足そうだったし、たぶん大事な本であろう「葉隠」を死ぬ前に渡しているし。この三人のシーンもっと観たかった。

気になるところがいくつかある。あのじっと見つめてくる黒い犬は…ゴーストドッグを主だと思ってる感じか?あと「報酬は秋の日の最初の日」てのもよく分からない。初秋?何か意味あるんだろうなー。あとアニメも。

そしてラスト。ゴーストドッグとルーイの決闘みたいなのは、うーん…なぜそうなるのか、殺す必要あったのか疑問。すごいドラマチックではあるんだけど、話の流れ的に不満というか。武士だから、死ぬ必要があったのかな。

テーマ曲はけっこうクセになる感じで好き。ウータン・クランRZA。ということで、嫌いではないけど、そこまでお気に入りにならなかったジャームッシュ映画。またいつか観よう。それまでに「葉隠」と「藪の中」を。

上方には、花見の重箱というものがあり、花見の一日にこれを用い、用が済むと踏みちらし、捨つるなり。万事、最後が肝要なり。 「葉隠」

☆\(^^)/★


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