名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部

名古屋大学の研究情報を、Podcast、動画、イベントなどで発信しています! *名大研…

名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部

名古屋大学の研究情報を、Podcast、動画、イベントなどで発信しています! *名大研究フロントラインYouTubeチャンネル:https://bit.ly/3piXbwV *あいちサイエンス・コミュニケーション・ネットワーク:https://aichi-science.jp/

マガジン

  • 名古屋大学 研究フロントライン

    ポッドキャスト番組「名古屋大学 研究フロントライン」をテキストでお届けします♪ 名古屋大学の最近の研究の話題を、週に1回、柔らかめのトーンで紹介しています。

  • 名大URA通信

    名古屋大学のURA(リサーチ・アドミニストレーター)が、学内の教職員向けの情報を、月1回発行します。

記事一覧

レンズの精度を極めろ!X線顕微鏡に魅せられた研究者達

顕微鏡を最後に覗いたのはいつだったのか、覚えていますか🙂?ピント合わせが難しく、苦手意識を持っている方も多いのでは・・・1930年代には可視光の代わりに電子を使った…

赤い光も青い光も大事!植物の気孔開口に関わるしくみを解明!

今回は、ITbMのイチオシの植物の気孔についての研究成果を紹介します。 植物の体の表面にある気孔は、孔辺細胞とよばれる1対のゼリービーンズのような形をした細胞からな…

【名大URA通信】vol.47「名大のブランド価値を高める知財業務」

[1] 【URAコラム】名大のブランド価値を高める知財業務 ー向井さんは大学卒業後、一貫して知財や法務のお仕事をされてきたんですね。 ー(向井)はい。ただ、前職の最後…

お家でかぶるだけ!新たなうつ病治療装置を開発中

4月になりました。新生活が始まり、新しい場所や新しい人間関係でココロも少し疲れが出てきている方も多いのでは・・・ 今回は、うつ病の治療に新しい可能性を見出した稲…

訓練不要!たった3ステップで怒りを鎮める方法を開発

「わかりやすい怒りの抑制方法を開発しました」 川合伸幸さん(情報学研究科 教授)の最新成果の一報を受け、情報学研究科棟にある川合さんの研究室を訪ねました。 怒り…

心を記録する―長野のニホンミツバチ文化に出会った民俗学研究者の話

「ハチミツを食べながらお話しましょう」 数々の名大研究室を訪ねてきた名大研究フロントラインですが、そんな甘い予告つきの取材は初めてです。期待に胸を膨らませ向かっ…

樹上と地上、どっちがカエル(孵る)?

ユニークな産卵スタイルで知られるモリアオガエル。木の上に泡巣と呼ばれる白い泡をつくり、その中に卵を産みます。 「実は、地面にも同じように泡巣を作って卵を産むんで…

初の公開収録「宇宙線ミューオンで見えるものの姿とは

"KMISCT初の公開収録のゲストは、名古屋大学 理学研究科μ研の森島邦博さん。森島さんは「宇宙線イメージング」のプロフェッショナル。ピラミッドをはじめ、宇宙線ミューオ…

【名大URA通信】vol.46「URAが活躍してこそ大学が回る、と認知される価値を」

★新年度、学術研究・産学官連携推進本部にも新メンバーが加わり、新体制でスタートしました。こちらでメンバー構成をご覧いただけます。 [1] URAコラム|URAが活躍してこ…

AI集団1000世代がジレンマゲーム?性格進化は何を語るか

生成AI、活用していますか? 文章を作るAI、画像を作るAI、映像を作るAI、音声を作るAI…、新しい生成AIが次々に誕生しています。名大研究フロントラインも、今回初めて生…

作物の生きるチカラを引き出すバイオスティミュラント誕生

バイオスティミュラント── 直訳すると生物刺激剤。植物や土の中の微生物を活性化し、より元気な作物を育てようとするもので、農薬ではありません。農業分野の最新テクノ…

大学院生たちはどう生きるか!? 人生で打ち込んできたこと、ありますか?

生物、考古学、森林保護、数理生物学…さまざまな分野で研究に打ち込む現役大学院生5名を迎えた第102回名大カフェ。寒の戻り甚だしい3月初旬、「大学院」にピンときた幅…

あなたならどう使いたい? 「きっと楽しい」向こうが見える太陽電池

名古屋大学で太陽電池といえば「松尾研」です。よく屋根にのっている黒光りするアレを想像しつつ、ラボを主宰する松尾豊さん(工学研究科 教授)を訪ねると…、 開発中の…

【名大URA通信】vol.45「執行部の先生方の右腕に俺はなる!」

[1] 【URAコラム】「執行部の先生方の右腕に俺はなる!」 ー永井さんはIR(Institutional Research)戦略室(以下、IR室)担当ですね。データ分析のプロフェッショナルと…

いつ、どこに意識は宿る? 脳神経科学に問う、われわれの正体

私たちはこの世界をどのように感じ、経験しているのでしょうか。 その主体となる「意識」は、全身の感覚器官からの情報や記憶、そこから湧き上がる感情、思考など、たくさ…

研究者もなんとかしたい、つらい慢性疼痛

いつも体がだるく、あちこちが痛い、でも原因はわからない…。機能性身体症候群で悩む患者さんが多くいます。 効果的な治療法が確立されない中、原因を突き止め、患者さん…

レンズの精度を極めろ!X線顕微鏡に魅せられた研究者達

レンズの精度を極めろ!X線顕微鏡に魅せられた研究者達

顕微鏡を最後に覗いたのはいつだったのか、覚えていますか🙂?ピント合わせが難しく、苦手意識を持っている方も多いのでは・・・1930年代には可視光の代わりに電子を使った顕微鏡が発明され、サンプル表面のナノの世界を見ることが可能になりました。もし、表面だけでなく、内部深くまで見ることができ、三次元構造を明らかにすることができたなら・・・なんて想像してみたことありますか?それを可能にするのが、X線を用い

もっとみる
赤い光も青い光も大事!植物の気孔開口に関わるしくみを解明!

赤い光も青い光も大事!植物の気孔開口に関わるしくみを解明!

今回は、ITbMのイチオシの植物の気孔についての研究成果を紹介します。

植物の体の表面にある気孔は、孔辺細胞とよばれる1対のゼリービーンズのような形をした細胞からなり、まるでヒトの唇のような形をしています。

その間の小さな孔を開閉することで、植物は二酸化炭素や酸素などのガス交換や水分調節をおこなっています。まさに、気孔は、植物の成長と生存に必須な細胞器官といえます(図1)。

その気孔は、太陽

もっとみる
【名大URA通信】vol.47「名大のブランド価値を高める知財業務」

【名大URA通信】vol.47「名大のブランド価値を高める知財業務」


[1] 【URAコラム】名大のブランド価値を高める知財業務

ー向井さんは大学卒業後、一貫して知財や法務のお仕事をされてきたんですね。

ー(向井)はい。ただ、前職の最後4年ぐらいは株主総会など総務系の業務を担当することが多かったので、もう一度知財の仕事をやりたいと思って、名大に転職しました。

ー名大に来てみて、いかがですか?

ー(向井)企業は作るものが限られていますが、大学は社会実装の可能

もっとみる
お家でかぶるだけ!新たなうつ病治療装置を開発中

お家でかぶるだけ!新たなうつ病治療装置を開発中

4月になりました。新生活が始まり、新しい場所や新しい人間関係でココロも少し疲れが出てきている方も多いのでは・・・

今回は、うつ病の治療に新しい可能性を見出した稲田俊也さん(医学系研究科 特任教授)、立花昌子さん(医学系研究科 病院助教)、伊藤美佳子さん(医学系研究科 講師)に最新の研究成果を伺いました。

稲田さんらが開発したのは・・・地磁気よりも弱い1~8 Hz で変動するわずか 10 μTe

もっとみる
訓練不要!たった3ステップで怒りを鎮める方法を開発

訓練不要!たった3ステップで怒りを鎮める方法を開発

「わかりやすい怒りの抑制方法を開発しました」

川合伸幸さん(情報学研究科 教授)の最新成果の一報を受け、情報学研究科棟にある川合さんの研究室を訪ねました。

怒りを書き出し、眺め、捨てる。これだけで、怒りを劇的に鎮めることができることを実験で証明したといいます。

世界も注目した怒り抑制法は、何を根拠に開発され、どうすごいのか。認知科学を専門に、人の「心」を長年研究し続けてきた川合さんに訊きまし

もっとみる
心を記録する―長野のニホンミツバチ文化に出会った民俗学研究者の話

心を記録する―長野のニホンミツバチ文化に出会った民俗学研究者の話

「ハチミツを食べながらお話しましょう」

数々の名大研究室を訪ねてきた名大研究フロントラインですが、そんな甘い予告つきの取材は初めてです。期待に胸を膨らませ向かった訪問先は、民俗学が専門の甘靖超さん(人文学研究科 准教授)。

スッキリと整頓されたアジアンテイストの研究室の奥から、ハチミツの瓶をいくつも出してきてくれて、

「ぜひ、全部味見してみてください!」

贅沢にも、甘さんが調査で手に入れた

もっとみる
樹上と地上、どっちがカエル(孵る)?

樹上と地上、どっちがカエル(孵る)?

ユニークな産卵スタイルで知られるモリアオガエル。木の上に泡巣と呼ばれる白い泡をつくり、その中に卵を産みます。

「実は、地面にも同じように泡巣を作って卵を産むんですよ。天敵に狙われやすくなるのに。同じ種で二通りの行動をとるのがとても不思議です。」

そう話すのは、生来のカエル好き大学院生、市岡幸雄さん(生命農学研究科 博士後期課程3年)。

学部4年で始めたモリアオガエルの研究が、アオガエル進化の

もっとみる
初の公開収録「宇宙線ミューオンで見えるものの姿とは

初の公開収録「宇宙線ミューオンで見えるものの姿とは

"KMISCT初の公開収録のゲストは、名古屋大学 理学研究科μ研の森島邦博さん。森島さんは「宇宙線イメージング」のプロフェッショナル。ピラミッドをはじめ、宇宙線ミューオンを使ってさまざまなものを透視されてきました。

レントゲンのように巨大構造物の内部を透視する技術とは?宇宙線イメージングに魅せられた理由とは?森島さんの研究ライフを学生の目でスキャンしていきます!"

特に、私たち素粒子や宇宙を研

もっとみる
【名大URA通信】vol.46「URAが活躍してこそ大学が回る、と認知される価値を」

【名大URA通信】vol.46「URAが活躍してこそ大学が回る、と認知される価値を」

★新年度、学術研究・産学官連携推進本部にも新メンバーが加わり、新体制でスタートしました。こちらでメンバー構成をご覧いただけます。

[1] URAコラム|URAが活躍してこそ大学が回る、と認知される価値を

ー長島さんが着任されるときのことを覚えています。「鳥取大で”学長補佐”をしている人が名大に来てくれる!」と、内輪で話題になりました(笑)

ー(長島)ははは、そうですか。

ー学長補佐でもあっ

もっとみる
AI集団1000世代がジレンマゲーム?性格進化は何を語るか

AI集団1000世代がジレンマゲーム?性格進化は何を語るか

生成AI、活用していますか?

文章を作るAI、画像を作るAI、映像を作るAI、音声を作るAI…、新しい生成AIが次々に誕生しています。名大研究フロントラインも、今回初めて生成AIにトップ画像を作ってもらったのですが、キーワードや条件次第でいくらでも提案してくれるんですね…!! 

振り返れば、ChatGPTが話題になった頃から、大学では生成AIとどう付き合っていくのか、より深く議論されるようにな

もっとみる
作物の生きるチカラを引き出すバイオスティミュラント誕生

作物の生きるチカラを引き出すバイオスティミュラント誕生

バイオスティミュラント── 直訳すると生物刺激剤。植物や土の中の微生物を活性化し、より元気な作物を育てようとするもので、農薬ではありません。農業分野の最新テクノロジーとして、世界で注目を集めています。

「収量を上げる品種改良などが注目されがちですが、現場の一番の課題は作物の病気なんです。」

そう話すのは、植物病理学が専門の竹本 大吾さん(生命農学研究科 教授)。

ひと度病気が発生すると、農場

もっとみる
大学院生たちはどう生きるか!? 人生で打ち込んできたこと、ありますか?

大学院生たちはどう生きるか!? 人生で打ち込んできたこと、ありますか?

生物、考古学、森林保護、数理生物学…さまざまな分野で研究に打ち込む現役大学院生5名を迎えた第102回名大カフェ。寒の戻り甚だしい3月初旬、「大学院」にピンときた幅広い年代のみなさんが名古屋大学に集まりました。

今回のテーマは、「大学院生たちはどう生きるか。」大学院進学が減少傾向の今、大学院生たちは研究を通じて何を得て、苦境にどう向き合っているのか、赤裸々に語り合いました。

大学院で打ち込んだ研

もっとみる
あなたならどう使いたい? 「きっと楽しい」向こうが見える太陽電池

あなたならどう使いたい? 「きっと楽しい」向こうが見える太陽電池

名古屋大学で太陽電池といえば「松尾研」です。よく屋根にのっている黒光りするアレを想像しつつ、ラボを主宰する松尾豊さん(工学研究科 教授)を訪ねると…、

開発中の透明な太陽電池とともに出迎えてくれました。確かに、左側は松尾さんの顔が透けて見えますが、右は透けません。

そこへ、大学院生の大岩詩門さんも登場。手にしているのは「最近の自信作」という透明な太陽電池です。

室内でもしっかり発電しています

もっとみる
【名大URA通信】vol.45「執行部の先生方の右腕に俺はなる!」

【名大URA通信】vol.45「執行部の先生方の右腕に俺はなる!」


[1] 【URAコラム】「執行部の先生方の右腕に俺はなる!」

ー永井さんはIR(Institutional Research)戦略室(以下、IR室)担当ですね。データ分析のプロフェッショナルというイメージですが、ご専門は森林科学だったんですか。山林に分け入ってフィールドワークをされていた?

ー(永井)いいえ、僕は切られる木を山の下で待っている方の人間でした(笑)。材料工学が専門で、木材の節の

もっとみる
いつ、どこに意識は宿る? 脳神経科学に問う、われわれの正体

いつ、どこに意識は宿る? 脳神経科学に問う、われわれの正体

私たちはこの世界をどのように感じ、経験しているのでしょうか。

その主体となる「意識」は、全身の感覚器官からの情報や記憶、そこから湧き上がる感情、思考など、たくさんの情報をもとに形作られています。ですが、そもそも「意識」とはいったい何なのでしょうか?

1月12日に開催した名大カフェ第100回 × 高等研究院ウェビナーでは、文学、脳神経科学、実験心理学など、様々な分野の研究者が集いました。第一線で

もっとみる
研究者もなんとかしたい、つらい慢性疼痛

研究者もなんとかしたい、つらい慢性疼痛

いつも体がだるく、あちこちが痛い、でも原因はわからない…。機能性身体症候群で悩む患者さんが多くいます。

効果的な治療法が確立されない中、原因を突き止め、患者さんを痛みから開放したいという研究者の挑戦は続いています。

機能性身体症候群の痛みの研究に長年取り組み、最近、原因究明への大きな一歩となる研究成果を発表した木山博資さん(医学系研究科 教授)にお話を伺いました。

── 機能性身体症候群はど

もっとみる