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Vol. 171 実家に車が刺さった話

実家に車が刺さった。

比喩的な意味での「刺さった」ではなく物理的に刺さった。そしては母は危うく死にかけた。ほんの5分程度の差で命拾いしたのだ。

しかしこれは最近でなく10年近く前の話である。
いつかまとめてみようと思っていたがGWに帰省し現場写真を撮ることが出来たので書いてみる。

【前提】

実家はど田舎で鬱蒼とした森の中にある。
傾斜もきつく我が家は急な坂道の下に建てられている。この立地が災いした。坂道を猛スピードで下りて来たおばさんがそのままうちに突っ込んだのだ。

※私はこのとき既に都会で一人暮らしをしていたため以下伝聞となる。曖昧な点があったら失礼。

【概要】

事件は夜20時頃に起きた。
その日、母は風邪気味で早寝しようと洗面所で歯を磨いていた。その時、背後で 爆音がし、家が揺れたそうだ。何事か!? と駆け寄った母はものすごいものを見た。

これから寝ようとしていた寝室に車が突き刺さっていたのだ。
そして母のベッドは吹っ飛ばされ部屋の端まで行っていた。

つまり、あと5分早く歯を磨き始め・あと5分早く就寝していたら、母はベッドごと吹っ飛ばされていた事になる。なんという運の良さ。ここに「人の力が及ばない何か」を感じるのは私だけか?

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【被害】

●おばさん→エアバッグの圧で肋骨3本骨折。
意識は有ったがひしゃげた車から脱出できず結局消防隊員が救出。狭い田舎道にパトカー・救急車・消防車・レッカー車が列を成し一時騒然となったらしい。

●実家→寝室がグチャグチャ。
突っ込まれた外壁だけでなく飛ばされたベッドが当たった内壁なども損傷し、かなりの被害だった。もちろん相手の保険で直したが修繕までにはだいぶ不便を強いられたらしい。

【おばさんの弁明】

「なんかブレーキが効かなくって」と某・上級国民のようなことを言っていたそうだが普通に踏み間違いだろう。坂で思ったよりスピードが出てしまいブレーキを踏もうとしたが間違えてアクセルを踏んでしまった。そんなところだ。
おばさんの処分がどうなったのかは知らない。少なくともうちの両親はそれ以上追求もしていないし賠償も求めていない。何故ならご近所さんだからだ。田舎とはそんなものである。

【母の感想】

「まぁ壁が綺麗になったから良かったわ!ちょっと色違うけどw ハハハ〜!」
この強メンタルは私譲り、いや逆か。私が母に似たのか。とにかく強い。


・・・以上、実家に車が刺さった話である。

当時まだ母はガラケーすら持っておらず写真を撮らなかった事が返す返すも惜しい。今なら間違いなくスマホで撮影しLINEをくれるだろう。

私も是非「車が刺さった実家」という激レアな画を見てみたかったものである。




【猫ムスメより】
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