マガジンのカバー画像

仏蘭西生活記

51
フランスに住んで考えたこと、気づいたこと
運営しているクリエイター

記事一覧

さよならパリ、たくさんのありがとうを!

突然ですが、今月で日本へお引越しすることになりました! パリを去るにあたって7年間のパリ生活総まとめを書きたかったのですが、この街で過ごした日々を一言にまとめてしまうのはどうにも難しそうです。でも帰国したらまた、バタバタと忙しい中でいまの気持ちはどこかへ忘れてしまうことでしょう。その前に何か残しておきたいので、とにかく書き出してみます。 小さなアパートの床を埋め尽くすように全ての持ち物をひっくり返し、必要なもの、誰かにあげるもの、処分するものと選別していく。本を一冊、服を

スクラブルで白熱言語バトル

アルファベットの書かれた駒を並べて単語を作って遊ぶボードゲーム、スクラブル (SCRABBLE)をご存知でしょうか?海外のドラマや映画で目にしたことがある方も多いのではと思います。 簡単に説明すると、アルファベットが書かれた手持ちの駒を盤上に並んでいるアルファベットと組み合わせて単語を作って繋げて行くゲーム。 アルファベット毎に点数が振り分けられていて、駒の右下に書かれている点数の合計が獲得点数となります。 A、E、Iなどの頻出アルファベットの駒はたくさんありそれぞれ1点

ブルターニュの島で、時間は静かに流れる

義両親とパートナーと4人でブルターニュ地方のとある島へバカンスに来ています。 この辺りは天気が変わりやすいことで有名なよう。朝は曇り、昼に小雨、午後に晴天、夕方に雷、夜の間にまた小雨と1日の間にコロコロと空の様子が変わります。 とは言っても太陽がカンカン照りになることは珍しく、曇り空と霧雨が交互にやって来ます。 8月だけど気温は20度前後。パリよりも涼しく、ビーチで泳いで日光浴というよりは、のんびりしたりお散歩するのによい避暑地という趣きです。 レストランはどこもバカン

小説講座を始めてみる

いつもチョコレートひとつ、Tシャツ1枚買うのにだって延々と悩み続ける買い物悩み症の私と違い、パートナーは決断のキレが良く何を買うのにも迷いがありません。 この間始めた日本語学校の集中講座も、私が昼寝をしている間に「日本語習おう!」と決めるやすぐに語学学校を探し、支払いと登録を済ますところまで行っていて驚きました。 語学学校に登録するって大きなお買い物ではありませんか。私ならどの学校にするかカリキュラムや料金を比較し、ネットで評判を調べ、実際に見学に行って尋ねてみたりと時間

ヴェネチアのビエンナーレへ行って来た

8月の初め、ヴェネツィアに行ってきた。聞きしに勝る観光地で、住人よりも観光客の方が多いのではと思うほど。カメラ片手に歩き回る人の数に驚く。 パリは猛暑日でも湿気がなくカラリとしているのを物足りなく感じていたが、8月のヴェネツィアはジメジメと蒸し暑く、日本の夏を思い出す。 ねっとりした空気が体にまとわりつくのは懐かしくもある。しかし潮風の中を泳いでいるような茹だる蒸し暑さが、こんなにも体力を奪うものだったとはすっかり忘れていた。歩いているよりは泳いでいる気分でジリジリと体力を

友だちの結婚式へ行く

フランス人の友人Lと、そのブラジル人の彼氏Bの結婚式に参加して来た。ドレスアップし小さなお花を頭にたくさん載せ、カラフルなセンスの良いブーケを持ったLは幸せそのもので、とっても可愛かった。 フランスの結婚式は市役所のホールで市長さんと共に行われる。市長さんのスピーチがあり、婚姻の宣誓を読み上げ、新郎新婦がこれに同意し、各々証人と共に書類にサインをすると婚姻成立だ。 拍手が鳴り止まない中、何度も見つめあいキスし合う2人の様子を見るとこみ上げるものがあった。 コロナ禍もあり

いろいろなカップルのあり方

先週の土曜日、久しぶりにMをうちに招いて一緒に夜ご飯を食べた。ついつい連絡不足になってしまって、Mに会うのは去年の暮れに彼の誕生日会に呼んでもらって以来だった。 さて、なにを食べよう? そういえば、お気に入りのイタリア料理屋さんでこの前食べたサーディンとサフランのパスタがとっても美味しくて記憶に残っている。干し葡萄と松の実が入っていて、サフランの独特な芳雅を引き立てる干し葡萄の甘みと松の実の香ばしさ、そこにサーディンの旨味が混ざり合い、非常に印象的な組み合わせだった。 ち

パートナー、日本語講座始める

隣りでカリカリカリとノートに書き綴っているパートナーが「こんなもん覚えられるかー!」と声を上げノートを投げ出す。 「どうして3種類もアルファベットがあるの?」 「なんでひらがなだけで46文字もあるの?」 「どうして”こんにちわ”って発音するのに”こんにちは”って書いてあるの?」 前々から日本語を習ってほしいと思っていたけれど、語学にしろなににしろ押し付けられて学ぶ気になるでものでもなし。何事も本人の自主的なやる気がなければ身につくものではないよなと半ば諦めかけていただけに

ある冬の朝、パリを想うこと

自転車に乗って十一区のアパートを出る。 冷たい風で耳が痛い。キャスケットじゃなくニット帽を被ってくればよかった。まだ夏時間だけど、朝はすっかり冬だった。夏と冬の個性に押し潰され秋はどこへ行ってしまったのだろう。秋を感じるのは近所の八百屋で南京と葡萄を見かける時くらいだろうか。 自転車を漕ぎ、パルマンチエ通りを北上し、ヴォルテール通りへと抜ける。夏時間が冬時間に変わる前の朝は特に暗い。見上げると灰色の分厚い空が建物に切り取られている。 六時一五分。 七時前に郊外の撮影ス

スマホのカメラが目となり、記憶は共有され存在が伝播する

現在パリではファッションウィークが開催中です。先日とあるブランドのショー会場の裏側でルックブックを撮影する仕事のアシスタントに呼んでもらいました。せっかくなので仕事の間にショーを覗かせてもらいました。 コロナの影響もあってか、招待客の少ない小規模なショー。その代わり誰もが最前席に座れるようになっています。音楽が大音響で流れ、モデルが登場し颯爽と歩き出します。 しばらく眺めていて気がつきました。自分の目で、目の前を歩いているモデルと服を見ている人のなんと少ないことか。ほとん

自転車でめぐるロワール川食い倒れの旅

先週3日間、自転車の旅に出ていました。ロワール川沿いを走る食い倒れ旅行です。 初めて自転車で旅したのは去年の夏。自転車好きのパートナーに連れられて、同じくロワール川沿いを1週間ほど走りました。初めは恐る恐る1日に35km。徐々に距離を伸ばして1日に最大で60km走りました。 ロワール川沿いは比較的なだらかな道が続く自転車初心者にもおすすめの自転車ルートとして有名なようです。老若男女問わずたくさんの人が自転車で走っているのに驚きました。自転車で旅行するってかなりポピュラーな

あの無愛想なウェイターさんはどこへ

近所に行きつけの美味しいカフェがあります。シナモンロールが抜群に美味しくて、休みの日に朝食を食べに行きます。 朝はいつも大柄で色白の男性ウェイターさんがいます。パートナーと初めて行った日、カフェを出ると顔を見合わせ「感じの悪いウェイターだったね」と言い合いました。可愛いカフェの雰囲気に似合わずなんとも無愛想な人なのです。 それでも美味しいので通い続けました。 ある日ひとりでお茶をしに行くと、テラス席でオーナーシェフのマダムとウェイターさんが2人で話をしています。なかなか

俳優とばったり遭遇する街、パリ

マレ地区を散歩していた時のこと。ギャラリーの入り口に貼られたポスターを見ていると、中から出てきたムッシューが「ここ、よかったよ」とニコッと教えてくれた。 後からパートナーに「さっきのムッシュー誰だかわかった?」と聞かれ、驚きました。なんと俳優のダニエル・オートゥイユだったと言うのです!全然分かりませんでした! ダニエル・オートゥイユといえば、『メルシィ!人生』。 コンドーム会社に勤める主人公が突然解雇を言い渡され、思い詰まってベランダから飛び降りようとするところを隣人に

山でダラダラするか、街でダラダラするか

久しぶりにパートナーの母とその旦那さんのお家に遊びに行って来た。 義母たちはパリから電車を乗り継ぎ5時間、さらに最寄りの駅から車で30分ほどの山の上に住んでいる。人口6人の小さな村だ。 猫4匹と暮らす大きな家にはお庭とテラス、それに屋根裏部屋と地下室があって、遊びに行くといつも屋根裏部屋に泊まっている。 一度、ノミが大量発生して全身を噛まれてからしばらく訪ねていなかったのだけど、今年はノミ対策をしっかりされたようで、去年のように足が水玉模様になることはなかった。 家の前に