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【感想】療育なんかいらない! #1

こんにちは、もももと申します。

普段小説ばかりで、実用書はほとんど読まないのですが、珍しく気になる本を現在読んでいるので、少しずつ感想を書いてきたいなと思います。

 正直、好きな小説なら何十万字でも読み続ける自信があるのですが・・・実用書系は不向きなのか、興味はあっても本当に進みません( ;∀;)


なので、少しずつ読み進めながら感想を書いていこうと思います(´艸`) 



***


滅多に実用書を手に取らない私が、この本を手に取ろうと思ったきっかけは、たまたまネット記事の中で、佐藤 典雅さんと放課後デイ「アイム」の存在を知ったからでした。


それは、まだ息子が「自閉スペクトラム症」の診断を正式に受ける前のこと。


周りのお友達と明らかに興味を持っているものが少し違い、いわゆる「定型発達」の枠に収まっていないであろう息子。


だけど、私はそれ自体がどうしても悪いことだとは思えませんでした。


落ち着きがないのは、たくさんのことに興味があるから。それは、言い方を替えれば好奇心が旺盛だということ。


集団での遊びに参加できないのは、それだけ今興味を強く持っていることが他にあるから。これだって、言い方を替えれば、好きなものに対する集中力や探求心が旺盛だということ。


これらは本来悪いことではないはずだし、新しいものを思いついたり、何かを創り出す上では、必ず必要になる能力のはず。


しかも、そのどちらも努力だけではなかなか手に入らないもの。


確かに協調性や集団生活も大切だけれど、それは本人が必要性をきちんと理解したうえで、経験を重ねることで手に入るものではないのだろうか。


むしろこの行動を「問題行動」と捉え、「療育」で平均値に寄せていくことは、息子の生まれ持った長所を殺すことになるのではないだろうか。


ずっとそんなことを考えていました。


そんな時に知ったのが、佐藤 典雅さんでした。


『SHINGA FARM』より抜粋

佐藤典雅さん
子ども時代の大半をアメリカで過ごし、グラフィックデザイナーからBSジャパン、ヤフー・ジャパン、東京ガールズコレクション、キットソンなどを経て、さまざまな企業のコンサルティングを行う。現在はアイム放課後の代表取締役として福祉の現状を伝えるべく、メディアにも多数出演中。著書に『療育なんかいらない!』(小学館)などがある。

アイム放課後http://imhappy.jp
自閉症がっちゃんブログhttp://blog.livedoor.jp/gacchan_blog/


佐藤さんはご自身の息子さんが3歳の時に重度自閉症と診断されています。


そして、当時最先端の療育が行われていたロサンゼルスへと移住し、約9年間LAで最先端の療育プログラムを受け、日本へ帰国されたそうです。


その後日本に帰国した佐藤さんを待ち受けていたのは、どうしても当事者が「地味でかわいそう」に見えてしまう日本の福祉施設だったそうです。(あくまでも、佐藤さんが感じたことですよ💦)


「通わせたい施設がないならば、自分の子を通わせたいと思う施設を自分で作ってしまおう!」(この時点でだいぶバイタリティ半端ないですが・・・。)というところから、息子さんのために放課後デイを立ち上げたお父さんです。


ちなみに息子の楽音がくとくん(がっちゃん)は現在アーティスト・GAKUとして、絵の世界で活躍をされているそうです。


本のタイトルはなかなかセンセーショナルですが、別に私自身は特段「アンチ療育」というわけではありません。


ただ、佐藤さんが書かれている自閉スペクトラム症に対しての考え方に、共感できる部分が多いなと思い、今回この本を手に取ってみました(*^^*)


もしかしたら、賛否両論ある内容かもしれませんが、私なりに本を読んで感じたことを少しずつまとめたいと思います。


***


第1章 
「子育ての常識」は、すべて疑ってみる


今回はこの中から、これは共感できるなと思った内容を少しだけ抜粋。

親が、「自閉症は可哀想だ」といっている時点で、実は親自身が自閉症を差別している可能性が高い。私は思うのだか、不憫な子供なんて、世の中にはいない。いるのは、「この子は不憫」と勝手に決めつける大人たちだけである。
親が子どもの障害に関してずっと悲しみ続け、泣き続ける。自閉症関連の子育て本でもよくあちがちなシチュエーション。でもこれって、「子どもに対してとっても失礼な行為では?」と私は思う。

これは、実際に私も息子の発達の遅れを指摘されたときに感じたことです。


あたかも息子の今の発達状態や行動が問題であり、早めに対処しなければいけないような言われようは、正直、息子という存在そのものを否定されているように感じてしまいました。


「問題行動を抑える」、「特性を緩和する」ということは、逆を言えばあなたの子どもは今のままでは駄目なんだよ、と言われているようなもの。


このままではあなたの子が不憫だから、早めに治してあげなさい。みたいな。


もちろん、直接的に他人を害したり、迷惑をかけたりするような行動は、何かしらの対処が必要かもしれませんが・・・。


発達の遅れを指摘されたとき、私は会社の給湯室でめちゃくちゃ泣きました。でも、それは決して息子の発達障碍に絶望して、悲しかったからではありません。


息子の今の状態が、まるで悪いもののように言われたことが、単純にめちゃくちゃ悔しくて仕方なかったのです。


ただ単に「平均値」や「普通」、「人並み」という枠に当てはまっていないという、たったそれだけのこと。


「普通」にはまったからといって、必ずしも幸せになる確証なんてどこにもないのに、それだけが「正」であるかのような、捉え方をされること。


それは、息子に対して失礼なのではないか。


「平均」や「普通」、「人並み」じゃないことは、本当に悪いことなのか。


確かに、保育園という集団でお世話になる以上、なんでも息子の自由に!!というわけにはいかない。当然、この先の社会でも協調性やコミュニケーション能力が必要な場面は出てくる。


だけど、それは「みんながやってるから、あなたもやるのが当たり前なんだよ」と教えるものではないし、目の前にご褒美をぶら下げてやらせるようなものでもないと思っています。


自分が好きなことをやるための延長線上に、結果としてある程度の協調性やコミュニケーション能力は必要だよね。と、本人がメリットを感じて初めて、そこから経験を積み重ねて獲得するものではないのか、と感じています。


個人的にはもっと、「平均」や「普通」、「人並み」から外れた部分でも、当たり前に個人の長所や可能性を見つめることが出来る価値観や環境が、せめて教育や福祉の中には当たり前に存在していてほしい。


「平均」の枠からはみ出た部分を補って、修正することばかりを考えるのではなく、本人が本来持って生まれた特性を伸ばしながら、それを活かして戦えるような環境があればいいのに。


そんな風に思っていました。


だから最初は、息子の行動を問題と捉えて、それを抑えよう、できるだけ「普通」に寄せていこうとする「療育」には、私自身もあまり価値を見い出せていなかったのが正直なところです。


私が「療育」に通う理由は、息子の発達を促すためではなく、どちらかというと息子と接する周りの大人が、どうやったら息子と上手に接することが出来るかのヒントを得たいという思いから。


「療育」に通うことで自治体の加配制度を利用したり、自閉スペクトラム症の特性を持つ子どもとの接し方を学ぶことで、少しでも本人が集団の中で過ごしやすくなる環境を模索したい。


ただ、それだけの理由です。


息子の特性を緩和することや、発達を「普通」になるべく寄せていくことは、はなから期待していないというよりも、そもそも望んでいません。


だって、治すべきものだと思っていないから。


たぶん発達障碍の子どもを育てる親の中でも、少数派なのかもしれませんが・・・(^^;)


第1章の文末で、佐藤さんは自閉スペクトラム症をもつ子どもについて、以下のように述べられています。

ちょっと高尚な言い方をすれば、「普通に生きることを選んでいない魂」と言えるかもしれない。もとから既成概念の外にいる子どもたちなのだから、親の方も子どもに常識を求めるのはナンセンスである。そしてもっというと、親自身も既成概念の呪縛から出る必要がある。

もともと、自閉スペクトラム症を持つ子ども自体が少ない環境。


noteなど、SNSやネット上では珍しくはないものの、それでも私の周りでは同じ保育園の同じ学年に1~2人いるかいないか。


そんな中で、療育センターに通っていても、たぶん私や夫のような考え方をする保護者はさらに少数派だと言えると思います。


でも、この本に出会って、少なくとも私たちだけではなかった・・・!!と思えました( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)


これが正解かどうかは分からないし、残念ながら放課後デイ「アイム」は神奈川県にしかないので・・・地方都市に住むわが家が、この価値観で息子を育てたければ、自力で色々と情報を集めながら模索していくしかないわけですが。


それでも、この考え方は必ずしも間違っているわけではない。


この本を読んでそう思えただけでも、とても心強いなと思いました(*^^*)


まあ・・・まだ、1章しか読んでいないのですけれども!!!(;'∀')


章ごとにnoteに感想を書くという目標を設定しつつ、苦手な実用書ですが、少しずつ読み進めていこうと思います(´艸`)



*あくまでも、これは私個人が息子の自閉スペクトラム症に対して感じていることであり、これが絶対的な正解だなんて思っていません。

色々な考え方があって当然だと思いますし、もしも読まれて不快な気分になられた方がいたら、大変申し訳ございません。

自閉スペクトラム症に対し、こういう考えをもって子育てに挑む親もいるのだなと、あくまでもひとつの例として捉えて頂けると幸いです。



つたなくお見苦しい文章かもしれませんが、最後までお読みいただきありがとうございました(*^^*)


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