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2022年展覧会BEST10

2022年に行った39の展覧会のうち、印象に残った10の展覧会をランキング形式で紹介します(博物館、動物園、科学館含む)。
2022年の途中からnoteを始めたので、noteに記載のない展覧会もあります。
きれいに10個が別々の美術館にバラけました。

BEST10一覧

1位:展覧会 岡本太郎@東京都美術館(東京/2022年10月)
2位:ゲルハルト・リヒター展@東京国立近代美術館(東京/2022年8月)
3位:ダミアン・ハースト 桜@国立新美術館(東京/2022年3月)
4位:国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ@国立西洋美術館(東京/2022年9月)
5位:Hello! Super Collection 超コレクション展 ─99のものがたり─@大阪中之島美術館(大阪/2022年2月)
6位:ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション@国立新美術館(東京/2022年8月)
7位:川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり@東京オペラシティ アートギャラリー(東京/2022年10月)
8位:蜷川実花「瞬く光の庭」@東京都庭園美術館(東京/2022年8月)
9位:コレクション展 第2期 特集:作家たちの20代@岩手県立美術館(岩手/2022年9月)
10位:東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」@東京国立博物館(東京/2022年11月)

ここから個別に紹介していきます。

1位:展覧会 岡本太郎@東京都美術館(東京/2022年10月)

一番好きな作品「森の掟」

個人的に岡本太郎が好きなのと、展覧会のボリューム、キュレーションが良かったため、2022年で一番の満足度だった。
岡本太郎の美術館は東京と神奈川にそれぞれあるが、その中から良いものを厳選して一挙に見ることができたのも嬉しい。
岡本太郎の「芸術なんて、道ばたに転がっている石ころと等価値だ」という言葉が私は大好きだ。難しいことを考えずに、もっとアートを身近に感じる人が増えてほしい。

2位:ゲルハルト・リヒター展@東京国立近代美術館(東京/2022年8月)

「Strip」という、画像をCGで線という極限まで煮詰めた作品

2022年は「現代アート」の展覧会は少なかった中で、まさに「現代アート」といえるアーティスト、ゲハルト・リヒター展は非常に良かった。
展示数は多くないものの、鑑賞者に考える余地を多く与えてくれる抽象的な作品は、普段の繰り返しの日常をフレッシュにしてくれる。
東京国立近代美術館の常設展も、クオリティが高く全体的に満足度が高い。

3位:ダミアン・ハースト 桜@国立新美術館(東京/2022年3月)

全ての作品が「桜」

ダミアンハーストといえば、ホルマリン漬けで牛が真っ二つの「Mother and Child, Divided」や、「Spot Painting」といった丸しかないコンセプチュアルなものなど、常識の一つ上をいく作品が多い。
そんな彼が桜のみをテーマにした作品群は日本人の感性にピッタリだ。
特に、展覧会場にあった動画は彼の考えがよくわかり参考になった。彼の作品は、思いつきで作られたのではなく、しっかりとアートの歴史的な背景、彼の考えが落とし込まれた上で作成されている。
「桜」はただキレイで終わらない、儚さや惨めさをも感じることができた。

4位:国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ@国立西洋美術館(東京/2022年9月)

クロード・モネ「船上」と、ゲハルト・リヒター「雲」を並べるセンスの良さ

国立西洋美術館が「リニューアル」したと聞いて馳せ参じたが、リニューアルしたのは、建物の外にある庭で、美術館内は大きな変化はなかった。
自然をモティーフに国立西洋美術館の代表作を並べた展示は圧巻だった。作品を見ていると、まるで作品内で吹いている風や木漏れ日、水の飛沫を感じるようだった。私の好きなシスレー、シニャックなどの展示もあったこと、常設展もお腹いっぱいなボリュームで満足度は高かった。

5位:Hello! Super Collection 超コレクション展 ─99のものがたり─@大阪中之島美術館(大阪/2022年2月)

美術館前に鎮座するヤノベケンジ「SHIP'S CAT (Muse)」

国立国際美術館前に新規オープンした美術館、大阪中之島美術館。その第1回目の展覧会に幸運にも行くことができた。
大きなブラックボックスを使った印象的な建築の中には、大阪にゆかりのある作品が多く展示されている。どうしても東京に比べて、大阪には美術館が少ないため、このような大きな美術館が増えるのは、とても嬉しい。
展示内容はローカル色が強く、渋めだが、今後の発展に期待したい。

6位:ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション@国立新美術館(東京/2022年8月)

アウグスト・ザンダー「Pastry Cook」

ドイツのケルン市が運営するルートヴィヒ美術館のコレクション展。
作品は市民からの寄贈で成り立っているとは驚きの量と質だった。撮影が不可だったのは残念だったが、多くのピカソ作品、ドナルド・ジャッドなどの現代アートもあって満足度は高かった。
本展覧会や、ドイツ出身のゲハルト・リヒターの作品を見ると、ドイツには独特の硬質な性質があると感じたのは興味深かった。

7位:川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり@東京オペラシティ アートギャラリー(東京/2022年10月)

展覧会最後の大画面のインスタレーション

私がアートに興味を持ち始めた時、2012年に東京都写真美術館で川内倫子さんの作品を見て、山焼きのスタティックな作品や、淡い白飛びしたような写真、独特な作品の配置が印象的で好きなアーティストの一人になりました。
そんな彼女の個展が再び見られたことが嬉しかった。
この展覧会では、東京都写真美術館に比べて空間も大きく使われており、写真だけでなく、動画や空間を使ったインスタレーションが印象的だった。
アートは、額の中だけでなく、空間全てを含めてアートだと再認識できた。
視点を変え、日常に潜む映像や音を、アートとして鑑賞するのが好きです。

8位:蜷川実花「瞬く光の庭」@東京都庭園美術館(東京/2022年8月)

映像インスタレーション「胡蝶のめぐる季節」

東京都庭園美術館と蜷川実花さんの親和性がピッタリだった。
作品名をつけないことに加え、展示する部屋の特徴に合わせて作品を選んでおり、建物と一体になって作品も鑑賞できるのは良い没入感を得られた。
写真展示だけでなく、空間を使ったインスタレーションも、映え映えで、鑑賞者の嬉しいポイントも蜷川さんはよくわかっていると感じた。

9位:コレクション展 第2期 特集:作家たちの20代@岩手県立美術館(岩手/2022年9月)

特徴的な細長い館内

ちょうど企画を行なっておらず、常設展のみの期間だったが、「これぞ常設展の楽しさ」と感じられる良い思い出になった。
岩手地元のアーティストである萬鐵五郎や、船越保武に対する敬意を感じるキュレーションが素敵で、展示数は多くないものの、人も少なくてゆっくり良い時間を過ごすことができた。自然を感じる建築も快適だった。

10位:東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」@東京国立博物館(東京/2022年11月)

展示を行なっていた平成館の外観

ジャンルレスで東京国立博物館にある全ての国宝、約100点を見られる貴重な展覧会。チケットが超争奪戦で即売り切れなんて聞いたことがない。展示会では特にストーリーはなく、現代アートを見るように「感じる」ことは少なかったが、ただ「貴重なものを見せてくれて、Thank you」と思える展覧会だった。人が多すぎて疲れるので、博物館側はもう少し対応があると良い。

総括

美術館に行くのは好きでしたが、こうやって年間を振り返ったのは初めてでした。振り返ってみると、その時の思い出や楽しさ、誰と行ったとか、その日に何を食べたとか、思い出して楽しかったです。
時間があれば、毎年続けていきたいです。

2023年に行きたい展覧会

2023年はすでにいくつか行きたい展覧会(以下、順不同)もあるので、まだ死ねません。特に、東京都現代美術館のホックニー展は楽しみです。

・「恐竜博2023」(国立科学博物館)
・「重要文化財の秘密」(東京国立近代美術館)
・「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」(森美術館)
・「マティス展」(東京都美術館)
・「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」(仮称)(Bunkamura ザ・ミュージアム 渋谷・ヒカリエホール)
・「テート美術館展 光」(国立新美術館、大阪中之島美術館)
・「デイヴィッド・ホックニー展」(東京都現代美術館)
・「モネ 連作の情景」(上野の森美術館・大阪中之島美術館)

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