マガジンのカバー画像

小さく生まれた赤ちゃん

6
小さく生まれた息子たちの記録です。
運営しているクリエイター

記事一覧

二人が生まれた日。

二人が生まれた日。

604gと552g、小さく生まれた息子たちの記録(双子が生まれるまで⑤)です。前回はこちら。

23週に入った日、弟の破水がわかった。

数時間のうちに流れた羊水は計300g以上。健診前には破水を疑っていなかったのか、担当医は「測り間違いじゃないか」ともらしていた。

超音波検査(エコー)で見ると兄側の羊水が増えていて、弟側から流れていたようだった。

2ヶ月ぶりにMFICU(母体・胎児集中治療室

もっとみる
「産むか、産まないか」を問われ続けた50日

「産むか、産まないか」を問われ続けた50日

604gと552g、小さく生まれた息子たちの記録(双子が生まれるまで④)です。前回はこちら。

入院52日目、22週を迎えた。

相変わらず兄の方は羊水がほぼなくて、弟は十分ある状態が続いている。14週で入院して「お腹で亡くなるかもしれない」と言われた命は、この日も元気に動いていた。

私は一気に肩の荷が降りた。22週を超えれば絶対安心、というわけではまったくないけど、21週6日と22週0日の間に

もっとみる
多胎に「安定期」はないらしい。

多胎に「安定期」はないらしい。

604gと552g、小さく生まれた息子たちの記録(双子が生まれるまで③)です。前回はこちら。

妊娠14週で破水し、2週間と言われた入院生活。羊水のない子(兄)は「どうなるか分からない」と医師に言われ続け、「MFICU(母体・胎児集中治療室)」で15週を迎えた。

一般病室に移動してからも、16、17、18週……とどんどん更新していく。費用はかさむが、嬉しい悲鳴だった。

一般的に16週(=妊娠5

もっとみる
カーテンで仕切られた病室で赤ちゃんの心音を聞くのがつらかった夜

カーテンで仕切られた病室で赤ちゃんの心音を聞くのがつらかった夜

604gと552g、小さく生まれた息子たちの記録(双子が生まれるまで②)です。前回はこちら。

双子の一人が破水した翌日、医師からの電話を受け、急遽入院生活が始まった。

破水すると赤ちゃんが外の世界とつながり、感染症を起こして母体にも影響する恐れがあるそうだ。子宮内感染を防ぐため、入院して管理する必要がある。

急なことだったけど、夫も午前中は仕事を休み、入院手続きを手伝ってくれた。

入院期間

もっとみる
妊娠14週、「尿もれ」だと思ったのは破水だった

妊娠14週、「尿もれ」だと思ったのは破水だった

604gと552g、小さく生まれた息子たちの記録(双子が生まれるまで①)です。

破水とは、出産が近い妊婦さんだけに関係することだと思っていた。思い込んでいた。

妊娠14週と4日、何の前触れもなく破水した。

2月中旬ある日の19時50分ごろ、家で仕事をしていたら急に「おしっこ」が漏れた(本当にそう思っていた)。よりによって担当している企画のリモート収録中。あと10分で終わるから、とすぐトイレに

もっとみる
604gと552g、小さないのちの誕生と旅立ち

604gと552g、小さないのちの誕生と旅立ち

2021年4月、わが家に小さな小さな二人の男の子が生まれた。

604gと552g。身長は約30cm。足を曲げていると、ペットボトルと同じくらいの大きさだ。

二人とも生まれた直後からNICU(新生児集中治療室)に入った。

1000g未満で生まれた赤ちゃん(超低出生体重児)を含む、あらゆる病的新生児が治療を受ける場所。

そこは、マンガやドラマでしか知らない世界だった。

本来であれば出産予定日

もっとみる