なつこ

1974年うまれ。2017年立夏から俳句をはじめました。安定感なくつくっていますが、少…

なつこ

1974年うまれ。2017年立夏から俳句をはじめました。安定感なくつくっていますが、少しでもよくなるように読んで、詠んでいきます。2018年7月から始めた剣道も楽しんでいます。

記事一覧

生態系のなかで

新型コロナウイルスの世界的な蔓延で、命を感じざるを得ない状況になっています。そんな中、個体としての自分ではなく生態系の中の自分を感じて、孤独ではないという感覚を…

なつこ
4年前
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まねごと ひとり連句

句会で3回ほど連句を体験しました。 捌きを先生がじてくださって、初心者をリード。いろんな人がいろんなところへつれていってもらっている感じ。 まねごとで、一人連句…

なつこ
4年前

出会いと…

合歓一木しばらくを咲き合うている 池田澄子 出会いと別れを、こういう風に詠めたなら…。 池田さんの句を読んで、私の感情も言葉も、繊細さがなくいいかげんで、ごつご…

なつこ
5年前
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俳句と表現の自由

俳句弾圧昇降機しづかに雷の夜を昇る 西東三鬼 この句が共産主義思想を詠んだものとして、1940年に三鬼は治安維持法違反で検挙されました(関悦史、新興俳句と弾圧『…

なつこ
5年前

柳絮(りゅうじょ)

句会の兼題に「柳絮(りゅうじょ)」がでました。 はじめて聞く言葉に「りゅうじょって何ですか?」状態。 柳絮とは「白い綿毛のついた柳の種子のこと」とのことでしたが…

なつこ
5年前

「桜」のなかの「ソメイヨシノ」さん

さまゞ(ざま)の事おもひ出す桜かな 芭蕉 夕桜家ある人はとくかへる 一茶 ソメイヨシノは、江戸末期~明治初期頃から栽培されているサクラの園芸品種ということで、「俳…

なつこ
5年前
1

季語「若布(わかめ)」

海藻の季語を見てみました。「鹿尾菜(ひじき)」「海雲(もづく)」「(かじめ)」…。なかでも、わかめは、もっとも身近な海藻ではないでしょうか。昆布は? と調べると…

なつこ
5年前
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具体 ↔︎ 抽象

たまゆらに迷いほどけて春の川 なつこ 句会に提出した句が、「抽象的」と言われることが多い気がします。「哲学」的なことが好きだったりするので、詠む時に普遍の方向へ…

なつこ
5年前

季語「たんぽぽ」

やはり明るいイメージかな、と歳時記やネットでたんぽぽの句を探しました。 いいなと、思ったのが下記の句。 たんぽぽの明るさに置くふくらはぎ 山下ひろみ なんだか、春…

なつこ
5年前

季語というコミュニケーションツール

入門書には「日常の中の些細な感動を句にしてみましょう」といったスタンスのものも少なくなく、この場合、感動した自己は日常の自己から一歩も「虚」へと離れることがない…

なつこ
5年前
2

俳句 「なる」

人を通して何かが生み出されるときの共通点を感じたのでメモ。 柿本さんは若いときに軟式庭球の選手で、何度も国体に出場しているんです。球技ができる反射神経・運動神経…

なつこ
5年前

季語 「山笑う」

花粉症たけなわ。 昨年は、この時期に軽登山に行って鼻水が止まらなくなりました。 鼻の周りが擦り切れてしまうのではないか…というくらい、山を歩きながら鼻をかみました…

なつこ
5年前

季語 「霾(つちふる)」

句集を読んでいると読めない漢字によくであいます。 冷戦以後や惨事便乗型資本主義(ショックドクトリン)の血の霾る 関悦史『花咲く機械状独身者たちの活造り』 「霾る…

なつこ
5年前
2

剣道 構え

雑誌『剣道時代』5月号の特集は「構え。」 前にどうやって出たらいいのかと考えている、今の問題意識にぴったりです。 まず目にとまったのが、大阪体育大学の神﨑浩教士八…

なつこ
5年前
2

剣道 丹田から前に

剣道を始めたのは2018年7月。まだ1年に満たない超初心者です。 剣道をはじめて「いいな」と思ったのは、具体的に「できる」か「できない」かがわかるところ。当たり前だ…

なつこ
5年前
2

俳句をはじめる

自分が知りたい 10年以上前、写真を撮ることに夢中になっていました。 昼休みや退勤後に日々200枚くらい。はじめの頃は、白黒フィルムを手巻きして、押入れで現像して…

なつこ
5年前
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生態系のなかで

生態系のなかで

新型コロナウイルスの世界的な蔓延で、命を感じざるを得ない状況になっています。そんな中、個体としての自分ではなく生態系の中の自分を感じて、孤独ではないという感覚を持ち始めていました。

これがどういうところからきていたのか。福岡伸一さんの記事を読んでつながったように思いました。

「ウイルスは撲滅できない」福岡伸一さんが語る動的平衡:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/ar

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まねごと ひとり連句

句会で3回ほど連句を体験しました。
捌きを先生がじてくださって、初心者をリード。いろんな人がいろんなところへつれていってもらっている感じ。

まねごとで、一人連句をしてみました。
繋がっていないかも…となってるところや、言葉がつきすぎているところ、季語をどうしても入れてしまったところなどありますが、楽しむことができました。

1、(冬) いちはやく焚火にくべる公文書
2、(冬) 煙突さがすサンタク

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出会いと…

出会いと…

合歓一木しばらくを咲き合うている
池田澄子

出会いと別れを、こういう風に詠めたなら…。

池田さんの句を読んで、私の感情も言葉も、繊細さがなくいいかげんで、ごつごつしていると感じました。

会わなくなった走友を思い浮かべつつ、どれくらい感情を、言葉を咀嚼すればこういうところに行けるのか、と。

遠いなぁと思うも道はあると信じて。

俳句と表現の自由

俳句と表現の自由

俳句弾圧昇降機しづかに雷の夜を昇る
西東三鬼

この句が共産主義思想を詠んだものとして、1940年に三鬼は治安維持法違反で検挙されました(関悦史、新興俳句と弾圧『新興俳句アンソロジー』)。

この間の日本に、危うさを感じ取っている人は少なくないのでは? と思います。
関悦史さんは、この三鬼の句を紹介したあとに下記のように書いています。

筆者が本稿を書き渋って遅らせている最中に「共謀罪」法が成立し

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柳絮(りゅうじょ)

柳絮(りゅうじょ)

句会の兼題に「柳絮(りゅうじょ)」がでました。

はじめて聞く言葉に「りゅうじょって何ですか?」状態。
柳絮とは「白い綿毛のついた柳の種子のこと」とのことでしたが、はたして見たことあるんだろうか…と首をかしげてしまいました。

飛ぶために力抜きたる柳絮かな
山本一歩

困ったときのYouTube。「柳絮」で検索をしました。
映像を見ても、記憶は呼び起こせなかったので見たことないのかな…。「見て」い

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「桜」のなかの「ソメイヨシノ」さん

「桜」のなかの「ソメイヨシノ」さん

さまゞ(ざま)の事おもひ出す桜かな
芭蕉
夕桜家ある人はとくかへる
一茶

ソメイヨシノは、江戸末期~明治初期頃から栽培されているサクラの園芸品種ということで、「俳諧で詠まれている桜はソメイヨシノではない」と歳時記の解説。芭蕉とか、一茶が詠んでいるのは、どんな桜だったのでしょうか。

そして「ソメイヨシノ」さん。
Wikipediaからのコピペですがソメイヨシノという品種まで含む学名は下記のように

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季語「若布(わかめ)」

季語「若布(わかめ)」

海藻の季語を見てみました。「鹿尾菜(ひじき)」「海雲(もづく)」「(かじめ)」…。なかでも、わかめは、もっとも身近な海藻ではないでしょうか。昆布は? と調べると「昆布刈る」が夏の季語でした。

草の戸や二見の若和布貰ひけり
蕪村

この間読んでいる、関悦史さんと柿本多映さんの句集からも「和布(わかめ)」で探してみました。

若布かぶって撮られし幼女震災前
関悦史
放心の婆に届けり灰わかめ
柿本多映

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具体 ↔︎ 抽象

具体 ↔︎ 抽象

たまゆらに迷いほどけて春の川
なつこ

句会に提出した句が、「抽象的」と言われることが多い気がします。「哲学」的なことが好きだったりするので、詠む時に普遍の方向へと流れてしまうというか…。

言語自体が、抽象度の高いもの。関悦史さんは、こんな文章で表しておられます。

俳句作品も言語である以上、個別の指示対象(現物)は見えず、概念しか指示しない。
(関悦史『俳句という他界』「断章」から)

ちょう

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季語「たんぽぽ」

季語「たんぽぽ」

やはり明るいイメージかな、と歳時記やネットでたんぽぽの句を探しました。
いいなと、思ったのが下記の句。

たんぽぽの明るさに置くふくらはぎ
山下ひろみ

なんだか、春の晴れた日の遠足を思い出しました。緑を通り抜けてきたさわやかな風とか草の匂いとか。

柿本多映さんの句に「たんぽぽ」を探したら、「冬たんぽぽ」の句を見つけました。

軍靴の音冬たんぽぽを摘みをれば
『柿本多映俳句集成』拾遺 一九九一

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季語というコミュニケーションツール

季語というコミュニケーションツール

入門書には「日常の中の些細な感動を句にしてみましょう」といったスタンスのものも少なくなく、この場合、感動した自己は日常の自己から一歩も「虚」へと離れることがないまま、その感動を物語ってしまうことになるので、じつは上達にはほとんど結びつかない。その自己を最低限、他者性へと開くのが「季語・季題を入れること」という約束事なのである。俳句の前身は俳諧体の連歌における最初の句「発句」であり、発句の詠み手が自

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俳句  「なる」

俳句 「なる」

人を通して何かが生み出されるときの共通点を感じたのでメモ。

柿本さんは若いときに軟式庭球の選手で、何度も国体に出場しているんです。球技ができる反射神経・運動神経が、句を作るときにも生きている気がします。……一瞬でそこまで走って行って的確に打ち返す。それが言葉でもできている。
………
柿本さん自身は、「季語を体に取り込んで、自分のイメージを体感する。ものに潜り込んで書く」ということをおっしゃってい

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季語  「山笑う」

季語 「山笑う」

花粉症たけなわ。
昨年は、この時期に軽登山に行って鼻水が止まらなくなりました。
鼻の周りが擦り切れてしまうのではないか…というくらい、山を歩きながら鼻をかみました。

そんなこともあり、ことしは行くまい! と誓って、山に近づかないようにしていました。
突然の出張。東京から大阪への新幹線の車窓から見えた山は、うすい緑色に。
日差しも燦燦で、まさに「山笑う」な風景です。

故郷やどちらを見ても山笑

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季語 「霾(つちふる)」

季語 「霾(つちふる)」

句集を読んでいると読めない漢字によくであいます。

冷戦以後や惨事便乗型資本主義(ショックドクトリン)の血の霾る
関悦史『花咲く機械状独身者たちの活造り』

「霾る」が読めませんでした。内容の読みもなかなか歯がたちませんが(汗
調べてみると、この句の季語が「霾る」でした(汗。汗

歳時記を見ると「つちふる」だけでなく、他の読みも難しい…。
霾(つちふる)
霾(ばい)
霾ぐもり(よなぐもり)
霾風(

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剣道 構え

剣道 構え

雑誌『剣道時代』5月号の特集は「構え。」
前にどうやって出たらいいのかと考えている、今の問題意識にぴったりです。

まず目にとまったのが、大阪体育大学の神﨑浩教士八段が紹介する「立ち稽古」。作道正夫師範がやっておられた練習法とのこと。

壁に向かい無心で立ち続けるというものです。意識しておきたいのは、腰を入れる感覚です。背筋を伸ばしてまっすぐ前を向き、腰をしっかりと入れて立ちます……作道先生は日に

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剣道  丹田から前に

剣道 丹田から前に

剣道を始めたのは2018年7月。まだ1年に満たない超初心者です。

剣道をはじめて「いいな」と思ったのは、具体的に「できる」か「できない」かがわかるところ。当たり前だけど、わからないし、できないことばかり。それが、否応無くはっきりわかる! のが楽しいのです。

変化も楽しめる最初はとにかく力づくで竹刀を握っていたので、手のひらにマメもできたし、右腕もなんとなく痛めたし…。それでも素振りを重ねている

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俳句をはじめる

俳句をはじめる

自分が知りたい

10年以上前、写真を撮ることに夢中になっていました。
昼休みや退勤後に日々200枚くらい。はじめの頃は、白黒フィルムを手巻きして、押入れで現像していました。

しばらくして写真を元に絵日記を描くようになりました。
撮った写真を眺めて気になったものを配置していきます。うまく描きたいなどという思いはなく、とても自然な作業でした。
色も考えて決めることはなく、自然と手が伸びたものを塗っ

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