刀と鍬 堕落論

刀と鍬は似てる
前者は生きものより尊厳なる命を奪って残酷な死を与えり、
後者は死人より尊厳なる死を奪って
生を与えず
只管過ぎ去ったものより死を求めるだけ
鍬で土を掘る事の、
そしてその後での種を蒔く事の意味は
生者へ死を下さる事
その逃げられないゆゆしく裁きを
そして畏い物たちが嘲笑される時も来るべきだろうよ
春で生者が鍬を背にしょって、種に溢れた袋一つ
そして笑いながらかつて凝った冬の無邪気の大地の優しい顔へ
自らの土足で降りこむ時には


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