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中学時代の思い出の場所に行ってみたら驚きの展開が待っていた


毎日note更新13日目。

昨日の朝、中学時代の事を書いていると色々と思い出してきた。

僕が中学時代で1番覚えているのは「深草橋」という橋にまつわる出来事である。

僕は中学高校と京都の深草という駅にある学校に通っていた。

その駅を出てすぐの場所にあるのが小さな橋、深草橋である。

学校に行くにはみんなこの橋を通る。

中学2年生の後半ぐらいからだろうか。

この橋にカップルが溜まるようになった。

スクールカーストの上の方の男女が付き合ってこの橋でイチャつくのである。

そして何故かカップル達は橋の両端、左右に2組ずつぐらいにわかれて陣取った。

つまりこの橋を通って駅に行くにはカップル達の花道を通り抜けなければいけないのである。


何してくれとんねん。


めちゃくちゃうっとしかった。

しかしスクールカーストの上の方のカップル達を排除できる者は誰もいなかった。


こいつらは基本部活終わりぐらいの時間に現れる。

卓球部の練習が終わって帰るとちょうどこいつらに鉢合わせするのである。


カップル達に見られながら歩く卓球部


地獄である。

僕は橋を通るのが嫌すぎて1つ隣の駅、藤森駅から帰る事が多くなった。

1つ隣だが歩くと中々遠い。

倍ぐらいの時間がかかる。

なぜカップルのために卓球部のモテないデブが遠回りしなければいけないのか。

今思い出しても腹が立ってくる。

余談だが以前書いた「結婚式」や「Mー1」の話に出てきた変人も当時まだ友達ではなかったが橋の被害者で藤森駅から帰っていたらしい。


ある日僕は時間に追われていた。

早く電車に乗らなければいけない。

藤森駅からだと時間が遅くなりすぎる。

どうする?

僕は考えた結果ある作戦を立てた。

「カップルの目にも止まらぬ速さで橋を駆け抜ける」

これしかない。


通学路を抜けると橋が見えてきた。

いつも通りカップル達が橋の左右にいる。

やるしかない。

僕はダッシュした。

猛スピードで橋に突撃するデブ。

橋に入った。

あともう少し。

その時だった。

足がもつれた。

そのままもんどりうって豪快にズッコケた。

体感3回転ぐらいした気がする。


アハハハハ!!!


カップル達にめっちゃ笑われた。

突然デブが猛スピードで突っ込んできてズッコケたのである。

笑うなという方がムリがある。

僕はこけながら非常にバツの悪いデヘヘヘという笑顔を浮かべた。


そんな事を思い出してたら無性にあの橋に行ってみたくなった。

東京に行ったらもう行く事は二度とないかもしれない。

そう思った時は電車に乗っていた。

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本当に来てしまった。

これが深草橋である。

懐かしいやら忌々しいやら。

この両サイドにカップルが配置されていたのだ。

たまったもんじゃない。


ついでにちょっとだけ通学路付近にも行ってみた。

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めちゃくちゃ懐かしい。

実際に来て思い出したのだが、当時前を歩いている知り合いのカップルを抜かすのが何故かすごい嫌だった。

抜かさないようにめちゃくちゃゆっくり後ろを歩いた記憶がある。

僕はカップルに対して牛歩戦術を使っていたのである。

なぜカップルのために牛になって歩かないといけないのか。

つくづく中学時代はトホホな思い出しかない。


しかし何やかんやで懐かしい。

僕は懐かしんで歩きながら当時ファンクラブに入るほど大好きだった「SPEED」を聴いた。


あ、何かすっごい良い。

夕陽が妙に感傷的にさせる。

良い事も悪い事も含めてあの頃の様々な記憶が蘇る。


告白未遂つらかったなあ

その1週間後にラグビー部入ったなあ

あれがなかったらその後の人生どうなってたかなあ

芸人なってたんかなあ


気付けば深草橋に戻って来ていた。

喉が渇いたのでコーラを買う。

コーラを飲みながら橋を眺める。

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夕陽が綺麗だ。

イヤホンからはSPEEDの「Starting Over」という曲が流れていた。

めちゃくちゃいい曲である。

"Starting Over もう一度始めよう この場所から
Starting Over 終わりは始まり そう信じているから
朝の光に 願いをこめて 明日へ旅立とう
生まれ変わるのさ"


あかん、泣きそう。


中学高校の6年間、芸人になってからの13年間、そして舞台が無くなったこの数ヶ月、これからの事


色々な想いが溢れてきて涙が出てきた。


気付けば僕は号泣していた。


すると高校生のカップルが深草橋を通った。


こっちを見た。


めっちゃ笑われた。


太ったおじさんがコーラ片手に号泣してるのである。

笑うなという方がムリがある。


信じられないが


20年越しに同じ橋でカップルにめっちゃ笑われた。


僕は前世でこの橋に何かしたのか。

この橋の建設に最後の1人になるまで反対でもしたのか。

ただならぬ因果を感じる。


まあいい。笑うがいいさ。

カップルよ、電車で話のネタにでもしてくれ。

5分ぐらいは盛り上がれるだろう。

これからも2人仲良くしてくれよ。

あと、その橋でイチャついたらダメだぞ。


さあ、これからまた頑張るか。

僕は謎に爽やかな気持ちになって深草橋を渡った。


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