マガジンのカバー画像

創作ショートショート

100
たぶん星新一さんの影響をモロに受けているショートショートです。今後は他の方のnoteも観て創造力を増していきたいです。アイディアもらっちゃうかもしれません笑 ショートショートを書… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

ショートショート べこべあ

ショートショート べこべあ

博士「ようやくここまで来たか~。日々の積み重ねが結果に繋がるってわけだ。継続は力なりってよく言ったもんだなぁ。」
助手「博士。継続は力なりって、継続するためにはものすごい力が必要だって意味じゃないですか?」

博士「あれ?そうなのかい?そりゃ恥ずかしいな。それにしても、その意味だとどんな時に使うんだい?」
助手「そうですね~。例えば、
あるゲームをクリアした人が俺は続ける力があったからできた、継続

もっとみる
ショートショート 絵本作家

ショートショート 絵本作家

何度もダメと言われた。僕の描いた絵本は全く何かわからないらしい。いくつも出版社を訪ねたが、遂に一つも僕の絵本を出してくれる出版社はなかった。

ベンチに腰を掛けると、魂が抜けそうなくらい深いため息が出てきた。
それと同時に、僕の絵本が鞄から飛び出した。生暖かく強い風が吹いていた。春風だ。

こども「これ、なに?とんできたよ。
あ、絵本だ!」

僕はよろめきながら声のする方へ向いた。
僕「拾ってくれ

もっとみる
ショートショート 寝オチ

ショートショート 寝オチ

すごい旅をした。
たまたま1つ隣の駅で降りただけなのに。
僕に眠っていた僕の能力。
同じように能力を持っていた仲間。
仲間とともに訪ねた秘境。
生死をかけた討伐。
最後は、今まで敵だったアイツの助けもあって何とか勝つことができたけど、まるで主人公にでもなったかのような高揚感だ。

またいつか仲間と戦いたいな。
面白い奴らだった。

「お客さん!終点です!大丈夫ですか!
お客さん!」

うわっ!

もっとみる
ショートショート ZZZ

ショートショート ZZZ

博士「集まってやる会議だと眠くならないのに、オンライン会議だと眠くなる現象あるじゃろ?」

助手「唐突ですね。まぁ確かに。そもそも普段二人なのでオンライン会議なんて仲悪くなったときしかしてないですけどね。」

博士「あの現象が起きる理由は、話しかけられてる感覚を持てないからだと思うんじゃ。会話する時は目と目をあわせて話すのに、オンライン会議はそれができないんじゃ。」

助手「カメラを見て話すように

もっとみる
ショートショート いつか、後で

ショートショート いつか、後で

あぁ。今日もまたダメだ。
ダメダメな自分が嫌いだ。
やらなきゃいけないことが溜まっていく。それでもやらなくてもいいことに時間を取られて後悔し、己の気持ちの弱さに嫌気がさす。

昨日も今日も同じことを続けてる。この悪い流れをどうしたものか。何もしないわけにはいかない。このままいても腐るだけ。でも、どうしてもやる気が出ない。

こんな自分が嫌になる。
このままいけば、自分を信じることもできなくなる。ど

もっとみる
ショートショート お金失くしちゃった

ショートショート お金失くしちゃった

「失くしちゃった〜!
お金失くしちゃったよ〜。」

誰かが泣いているようだ。お金というものをなくしてしまったらしい。

どんなものを失くしたか聞いてみると、何やら紙らしい。数が印刷されていて、それと引き換えに物と交換できるみたいだ。

「お金ないと、お金ないと生きていけない。」

またもや泣き出しそうになっているのだが、生きていけないものなのか。そりゃ大事なものだ。街の人にも協力してもらってお金を

もっとみる
ショートショート 車窓から

ショートショート 車窓から

鈍行の車窓が好きだ。
こんなに窓が大きな乗り物は他にあるだろうか?飛行機も新幹線も車もこんなに大きな窓はついていないだろう。この窓は、間違いなく外の景色を見せるために違いない。

車窓から外を眺める。
風景が窓枠の端から窓枠の端に移動する。

この風景はどこに行くのかなぁ?そんなことを考えている間にも、列車の窓には次から次へと新しい風景が生まれては消え、生まれては消えを繰り返している。

ぱっと隣

もっとみる
ショートショート 培養液浴

ショートショート 培養液浴

「この培養液効くのよ〜」
週末に賑わうここは、培養液浴場。
緑色の養液に浸かると身体の調子が良くなると、数十年前から普及してきた。その以前には培養液に浸かるなんて気色悪いと受け入れられて来なかったらしい。なんでも、培養液というとマッドサイエンス的なニュアンスが含まれていたらしい。

培養液浴の火つけ役になったのは、街中に出現する立体広告だった。人間が、培養液浴をしながら、「レッツ薬漬け」と誘ってく

もっとみる
ショートショート 外部メモリー

ショートショート 外部メモリー

日向「僕を誰だと思ってる。僕に不可能なんてないさ。」
うわ~本当にこんなセリフ言う奴いるんだ〜。と、内心笑いそうになりながらも、真面目に話す日向の話を聴いていた。

彼は、自慢してくることを除けば、アタマもいいし、面白いし、男前だし、何よりも周りの人を明るくする完全無欠の男なのだ。しかし、彼の今回のアイディアはどうも恐ろしい。いや、今までに一度も恐ろしくないものはなかったのだが…。

どうやら、彼

もっとみる
ショートショート マッサージロボ

ショートショート マッサージロボ

博士「よーし!完成だ〜!」
助手「おや、今回はいい感じに外装もあって何かわかりやすいですね!」
博士「これはマッサージロボ、マサシだ!マサシの質問に答えれば、的確にツボを圧えてくれるのだよ。もう試運転もしたし、折角だから誰かに試してもらおう。」

マサシ「イラッシャイマセ。
マッサージロボのマサシです。ヨロシクお願いします。今日のご気分はいかがですか?」

A「ロボットのマッサージか。機械にマッサ

もっとみる
ショートショート 時空泥棒

ショートショート 時空泥棒

「うわ~!盗まれた〜!!!」
朝、いつも駐輪場に置いている自転車がない。
昨日自転車を戻した記憶しかない。
つまり、盗まれたとしか考えられない。

「クソ〜!誰だよこんな朝忙しいときに盗みやがって!果たし状書いてやる!」
少しでも早く見つけるために交番へ相談しに行った。しかし、腹の虫は収まらない。誰が俺の自転車を盗んだのか。見つけたらボコボコにしてやる。

仕事の帰り際、近所のスーパーに寄った。

もっとみる
ショートショート 鈍感

ショートショート 鈍感

主「OK google
缶どうやって開ければいい?」

AI「飲み干してください。」

主「違う違う。
フタ缶どうやって開ければいい?」

AI「まずは1個ずつ開けてください。」

主「いや〜違う違う。悪かった。
缶の蓋どうやって開ければいい?」

AI「すみません。日本語で話してください。
カンノフ タドウヤ テアケレ バイーとは何ですか?」

主「すみません。よくわかりません。
もういいよ、缶

もっとみる
ショートショート 独り

ショートショート 独り

ピーーー
ピィーーー

僕の部屋には雛がいるようだ。
いつからいるのか、どこから入ったかも知らぬが、確かに鳴き声が聞こえる。

鳴き声のする方向はすぐ近くなのだが、中々見つけることができない。

「出ておいで〜」

独身男性の大きな独言が部屋の中で虚しく響き渡る。先ほどの鳴き声もなくなってしまった。

ピィーーー

しばらくするとまた鳴き始めた。
よかった。これで寂しさが薄まる。

もう一度鳴き声

もっとみる
ショートショート sense

ショートショート sense

(そうか、それが無くなっていたのか…。)

人類は20歳になったら身体をサイボーグにするようになった。サイボーグにすることで人生を何倍にも長くし、さらに不具合が起きた身体も寿命が尽きるまで交換すれば、何歳になっても運動できる身体が手に入ったのだ。

私は身体をサイボーグにした。
今までの身体は、急に腹痛になったり、頭痛がしたりして大変だった。どこかがおかしくなる度に、少し歩けば隣を横切った車に思い

もっとみる