見出し画像

488.パン屋さんをやめた、パン屋さんの社長のお話  

coucouさんのお仕事論⑪

1.希望という処方箋」

〈鮮烈に生きる〉
 
今は一生懸命に生きる者が苦しみ、比較的いい加減な者が生きやすいと感じる時代かもしれないね。

でもね、一生懸命に生きることによって苦しみが多くなるってことは、その一生懸命に生きる方向に問題があるだけで、本来は一生懸命に生きることによって喜びや充実感が残るはずだと思う。

 
社長となって経営に苦しむほとんどの人たちは、一生懸命に真面目に事業をしている人たちだよね。だけど、無理して、無理をして、その先には苦しみという病が待ち受けている。

こうして誰もが生きることに無理をしてしまっている。

そうした人たちに共通するのが、目に見えぬ恐怖心なんだ。
さらに、悪く思われたくない、変な目で見られたくない、馬鹿にされたくない、笑われたくない、と。

その反面、良く思われたい、格好よくしていたい、褒められたい、愛されたいと思う矛盾もある。

 
ある目的があって会社を存続させなければならない場合と、
対外的にみっともないために、
会社を存続させなければならないというのでは、会社を存続させるという目的は同じでも、方向がまるで違うことがわかると思う。

また、一生懸命に全力で頑張ってきたけれど、会社を存続できない場合もあるけど、苦しさによって心理的な負い目となってしまうか、新たな発奮材料となるか、人によって異なる。
 
でも、全力で生きてきた者はね、その負い目が少ないのも確かだよね。
再起する人、やり直しができる人との違いはこんなところにあるのかもしれない気がする。
 
会社を辞めることも、続けることも、社長の心構えひとつで、その運命を変えることが誰にでもできる。

問題は、無理をしない状況づくりが必要なんだよね。
 
無理をしないってことは、自分を大切にしている証だもの。

正直に素直な気持ちをもって、無理を止めることによって、今までのその「思い込み」を外すことができる気がする。
 
会社や社長、社員を辞めても何も変わることはありません。
だって、人生そのものが経営であって、人生そのものの社長に変わらいものね。(ひとりぼっち起業さんはみんな社長さん、クリエイターさんたちもみんな社長さん)

胸に抱く苦しみや辛さは、自分が自分のために、本当の自分に戻り、正直な自分に戻る好機の到来かもしれないね。
 
これから「coucouさんのお仕事論」に登場している人たちは無名な人ばかりで、私たちの身近で頑張っている人たちなんだ。
彼らの共通する大きな特徴はね、様々な状況や事情の中でも人生を鮮烈に生きている人なんだよ。
 
デンマークの哲学者・キルケゴールは、
「自分を批難する者が現れたら、それはあなたが鮮烈に生きている証だ」といって称賛していた。
 
彼は私たちに問いかける。
「あなたは鮮烈に生きていますか?」と。
 
鮮烈に生きている人たちって、それぞれに夢や希望を持ち続けていることだよね。
 
やっぱり、「希望」って、すべての病の処方箋なんだから。

coucouさん作「けろぱん」©NPО japan copyright association 


 

2.パン屋をやめたパン屋の社長のお話 

 
 ある会社の社長さんには悩みがあった。

それは、これから会社をどう運営していくかということ。
今の業種では、これからの時代に存続していくことがむずかしいので、どうしたら良いのかわからないということだった。
 
本当は後継者に会社を譲り、自分は引退しようと考えていたんだ。
でも、後継者に譲るとしても、今の状況では誰にも受けてもらえない。

彼の業種はパンの製造業です(創業50年の老舗)。
 
パンの世界は価格競争の激しいビジネス。

粉代は値上がり、人件費も高騰しているために個店では、なかなか利益が出ない仕事。
この仕事はね、朝早くからパンを仕込むため社員がなかなか定着しない。さらに毎月不安定な売り上げで、日々の天候に左右されてしまう厳しい業界なんだよ。
 
彼は、何度も辞めようと悩み続けていた…。
 
しかし、辞めれば従業員たちは路頭に迷い、まだ十年も残っている借入金の返済ができなくなってしまう。また、社長を辞めたとしても、その後の生活ができなくなる。彼は、二代目社長で60歳を迎えたばかりのため、年金受給もまだない。
毎月の支払い、返済、人件費で赤字続きのため、常に頭の中はそれだけでいっぱい。

どうすればいいのだろう…。
 
この会社とcoucouさんの関係は、創業者の社長からのお付き合いで、40年近く販売促進等の仕事を受けていた。その関係上、この社長から直接相談を受けることになった。
 
でもね、この会社の苦しさの〈なぜ〉は一体何だろうね?
 
前頁にも記載した通り、567に戦争、円安もドル高、物価高、「製粉の値上り」「人件費の高騰」「価格競争」「売り上げ不振」「支払い」「借金」「後継者問題」…。

理由はそれだけじゃあない。

何よりも不足しているのは「希望」なんだ。
 
coucouさんは数か月かけてありとあらゆる情報を集め、勉強し、ある事に到達した。そこで、「過去の成功」「こうでなければならない」「ああでなければならない」という固定観念(思い込み)のすべてを払い去り、次の「希望」を提案した。
 
それはね、「完全分離経営」

パン製造業の老舗だけど、パンの製造をすべて止めてみることを相談した。

もちろん社長や従業員は驚いた…
だって、パン屋さんがパンの製造をやめる話なんだもの。
 
その方法はね、現在のパンの製造部門を外部発注にすることにした。
つまり、自社では生産しないという随分と思い切った考え方なんだ。
当然、外部製造業者は入札で決める。

その入札の結果は驚いたことに、現在の製造原価よりも安い製造原価になったことだった。(大手の製造業と取引、この会社の外部下請けとなる)
 
彼は「希望」持った。
 
この「希望」は、今まで萎えてしまった気持ちを新たに奮い立たせ、社長は現役続行宣言をした。彼は、さらに将来の後継者を育てる「希望」も持ち始めたんだ。
 
そして、coucouさんの提案する、「すべてを外部委託する」ことを取り入れてくれて、会社は製造工場を止めることになった。
もともとある販売店7か所に直接業者に納品させることで大幅な改革ができるようになった。
(配送も自社で行っていた。軽自動車4台で)

今までのパン製造チームはすべて現場の販売員となり、誰も解雇されていない。(みんな店頭で働くようになった…)

現在もあの時と同じ、パンが売れる時もあれば、売れない時もある。
相変わらず資金繰りで考え込むこともあるけれど、あの時とまったく違うのは、「希望」が生まれたことで、未来を感じるようなったことだった。
 
彼はcoucouさんにとても感謝してくれたけれど、問題は〈なぜ〉という部分を明確にして、行動して、この考えを取り入れた社長の柔軟性がすべてを決定したんだ。

凄い、社長さんでした~

 
「希望」があるって、人は強くなるんだね。



そして、coucouさんとのコラボ作品をご紹介~

これがこのお店の希望なんだよ~

coucouさん作「さくらパン」©NPО japan copyright association 
©NPО japan copyright association 

coucouさんです~
みなさん、ごきげんよう~

みんな、読んでくれてありがとう~

おまけ~

みてね~

3.オリジナルパンの開発~新登場!「けろぱん」(メロンパン)


©NPО japan copyright association 

※パン屋さんは一切の製造をやめた。店員さんはパン職人

©NPО japan copyright association 

※7つのお店のイメージ(「業態」)を変える。ホームセンターからフレーム購入してすべて手作り外装と内装。

©NPО japan copyright association 

※天井が汚くて、イメージを変えるために生地を購入してボロ隠し。
赤、緑、黄色の3色で統一。内装すべて手作り~


©NPО japan copyright association 

※目玉商品としてカエルのメロンパンを開発~実際はかなり苦戦~同じ顔にはならないため、あえて、不揃い、微妙に顔が違う~coucouさんの得意な下手うま~(目が苦戦)あえて、春のバレンタインデーに合わせて桜色のカエルさん。

©NPО japan copyright association 

※もちろん、シーズンが終われば緑のカエルさん~クリエイターさんのみなさん~キャラクターの食べ物も面白いよ~(キャラクターはcoucouさん作)

©NPО japan copyright association 

※バレンタインデーのペナント型PОPはコンビニのカラーコピーですませた。ポスターもね。季節ごとにこのPОPは変わる~

©NPО japan copyright association 

※グリーンバージョンの「けろぱん」もあるよ~これはね、箱詰めにしたらさらにパワーアップ~お土産物、プレゼントとしてインパクト大~

©NPО japan copyright association 

※PОPは全部手描き文字~coucouさんの下手くそ文字~サインペン使用~
メロンパンなんだけれど、coucouさんの大好きなカスタードクリームにチョコレート~あんこもチャレンジしたい~

©NPО japan copyright association 

※店内に入ると、嫌でも目立つ~けろぱん~

©NPО japan copyright association 

※けろぱんでなくても、パンの包装もする。顔のないパンだけれど、包装するだけで手に取りたくなる~

©NPО japan copyright association 

※店内はカエルだらけ~まるでカエル専門店みたいだね、って言われる。特に子どもたちには大人気のオリジナルメロンパン

©NPО japan copyright association 

※他のパン屋さんと圧倒的な違い、独自性の演出~強い個性~これからはネットでも販売計画中~

©NPО japan copyright association 

※みんな違っていい~おんなじ顔なんていらない~下手くそでいい~

©NPО japan copyright association 

※実はね、パンの職人さんたちはほとんどが障がい者さんたち。外注先のパンの製造業者も障がい者さんたち~そして彼らの自立支援を念頭に入れて販売に主力を置いている。(coucouさんの外部ブレーンとの、とっても小さなジョイントベンチャーなのさ)

こんなお仕事の仕方があるんだよ~

coucouさんの顧問料、月当たり20,000円~

働きさんたちとね、お客さんの喜んでいる顔がとてもうれしい~


 
 






coucouさんのホームページ~みてね~

 
Production / copyright©NPО japan copyright association associationphotograph©NPО japan copyright association Hiroaki
Character design©NPО japan copyright association Hikaru








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?