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映画レビュー

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見た映画適当にあげるマガジンです。割と変な趣向。
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記事一覧

好きな映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』

好きな映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』

「マイ・ブルーベリー・ナイツ」は好きな映画だ。これは大学の頃映画チャンネルのCMをみた時から確信していた。何故かはわからない。筋書きとしては淡々とした人間ドラマだ。とにかく色彩が好きだったのだ。

時数年経って改めて観直したのだが、もともとの好きなのもあって人間ドラマも素敵だなと思った、そんな映画である。

「好き」にもいろんな種類がある。ガツンと頭を殴られるような好きもあれば、この映画のように、

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本質は、差別にあえぐ者の物語 〜 「アス Us」感想

本質は、差別にあえぐ者の物語 〜 「アス Us」感想

「ミッドサマー」や「ヘレディタリー」でも思ったが、本当に怖い映画というのは優しい人が作るものだと思う。ホラーという不条理な状況を、抜け出せない悲しみを表現する手段として用いるからこそ、見るものにとってもっとも予想を許さない恐怖を生み出すのだろう。

この「アス」という映画はドッペルゲンガー的であり、予告からして不可解な映画だ。幼い頃に自分とそっくりの人に遭遇したトラウマから失語症を一時的に患った過

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しあわせって何だろう。 〜「MIDSOMMAR(2019)」感想〜

しあわせって何だろう。 〜「MIDSOMMAR(2019)」感想〜

自分はホラーというのはあまり怖くないと思う人間である。だから見れてしまう。
やはりホラーを作るといえど所詮人間であるので、どこか生理的な遠慮や他人に対する見栄などが見える瞬間があって、そうなると怖いというより逆に可愛げすら覚えてしまう。
普通のホラーはお笑いと同じで、大抵ツッコミが入ってしまうのだ。恐怖を演出するために恐怖じゃない描写を入れる、死んでしまって当然なくらい不注意なお馬鹿を主人公たちに

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目次

目次

見た映画集。
・洋画、邦画関係なくあいうえお順となります。
・劇場で見た映画については太字となります。
・感想はあくまで独断と偏見となります。
・作者の趣味によりSF・ホラーに比較的寄ってます。



あ行


か行


さ行
・シェイプ・オブ・ウォーター (2017)
・スキャナーズ (1981)

た行


な行


は行
・ヘレディタリー/継承 (2018)

ま行
・Mr.タ

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人をセイウチにしたくてたまらないおじさん〜「Mr.タスク」感想

人をセイウチにしたくてたまらないおじさん〜「Mr.タスク」感想

ポッドキャストというまあいわばインターネットラジオがあるわけですが、そこで配信してるとある二人組がとんでもないクズだったわけなんですよね。
一人はテディーという、まぁこのかたを演じてるのが実はシックスセンスの主人公でもあるハーレイ・ジョエル・オスメントさんの育った姿だったりするのですが、それはともかく、もう一人のウォレスという男が、これがまあ、セイウチ髭がチャームポイントの、いかにもセイウチみたい

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差別の裏のメルヘン~「シェイプ・オブ・ウォーター」感想

差別の裏のメルヘン~「シェイプ・オブ・ウォーター」感想

予告の「半魚人と清掃員の美しい純粋なメルヘン」的なイメージのみに期待して見始めると色々と面食らう映画だと思う。冒頭で清掃員の主人公がいきなりおっ始めるアノ行為(しかも日課のように淡々と描写される)とか、結構アグリーで時に酷い事をしちゃう半魚人とか、意外とグロテスクで邪悪な陰謀が普通に渦巻いてる感じとか、とにかくいわゆる美しいだけじゃない意外に大人な生々しい映画という印象を抱くこともあろう。
だがし

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人の肉体を持った機械たち - 「スキャナーズ(1981)」感想

人の肉体を持った機械たち - 「スキャナーズ(1981)」感想

タイトルを見ると人造人間の話かな?と思われるかもしれないが、「スキャナーズ」は超能力者同士の戦いを描いた話である。能力を極め過ぎてもはや機械のように冷徹な性格をもってしまった人たちの物語なのである。

この映画は私の好きな映画トップ3に入るくらいの映画である。なにしろここまで俯瞰視された超能力ものは他になかなか無い。普通ESPが出てくる映画って映画的な誇張がされるものだが、この映画はただストイック

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とても真摯なホラーである  − 「ヘレディタリー/継承」感想

とても真摯なホラーである  − 「ヘレディタリー/継承」感想

アリ・アスターという新人の映画監督に最近興味がある。「ミッドソマー」という最新作の、およそホラーとは思えぬ強烈に爽やかな外観と香ってくる禍々しい雰囲気に魅せられ、彼の前作でありデビュー作のこのヘレディタリーを見始めた。
・・・異常な映画であった。洗練されたド変態って感じ。美術から脚本まで細部にわたり作り込まれており、観るもの考えるものを寸分の隙なく異次元の感覚に投げ落とす迫力がある。
ホラー映画と

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