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読書感想文

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吉本ばななさんのキッチンを読んで

吉本ばななさんのキッチンを読んで

大学で授業の合間に本をよんでいた、別に仲がいいわけでもない他学科の学生に「読書なんて相当余裕があるんだね」と言われた。
僕からすれば、別に余裕なんてない、ただ音楽を聴いてるだけじゃラジオを聞いてるだけじゃ自分の気が休まらず、ほかにも何か気が休まるものがないかという打開策の一つとしての読書であり、余裕を見せつけるために読書をしているわけではない。
本を読んでいると今いる自分の世界じゃないところから離

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江國香織さんの『すいかの匂い』を読んで。

江國香織さんの『すいかの匂い』を読んで。

こんな夏休みの読書感想文のようなことを大学生にまでなって、自発的に書くことになるとは思わなかった。小学生のころ最後の最後までのこっていた夏休みの宿題は読書感想文であった僕からしたら人生の節目を迎えているのかもしれない。タイトルにもあるように江國香織さんの『すいかの匂い』の感想を、僕の夏の思い出を少し書こうと思う。

この本は11人の少女が過ごした夏の思い出、というよりトラウマに近いような、大人にな

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祖父と僕、「博士の愛した数式」を読んで。

祖父と僕、「博士の愛した数式」を読んで。

最近、母方の祖父のことを思い出すことが多くなった気がする。

祖父は僕が小学生低学年の時亡くなった、冬の初めくらいだった。
突然だったけど、自然に亡くなった印象だった、今もそう思う。入院していた病院の地下、白い廊下に白い部屋、白いベッドに白い花瓶の白い花、すごく不自然な空間で祖父は寝かされてた。父親はこういう時少し不謹慎で「触ってみ、まだ少しあったかいよ」と僕に言ったのを覚えてる。その時は泣いてい

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