マガジンのカバー画像

書籍・資料・文献

31
原稿を書くにあたり参考にした書籍・資料・文献などを紹介。書評・レビューではありません
運営しているクリエイター

2019年3月の記事一覧

【書籍・資料・文献】『ファミリーレストラン』(光文社新書)今柊二

被災地取材とチェーン店 取材で地方を徘徊していると、その土地にしかない美味しい食べ物にありつくことができる。ドラマ化もされた人気マンガ『孤独のグルメ』でも、毎回、そんな話が出てきた。しかし、それも過去のものになっていくのかもしれない。

 地方都市は急速に個人営業の店が消えていっている。それは経営的にやっていけないという理由もあるが、なによりも最大の理由は後継者難だ。個人経営の店は、覚悟がないと経

もっとみる

【書籍・資料・文献】『ドキュメント 金融庁vs.地銀』(光文社新書)読売新聞東京本社経済部

実態は呉越同舟 財務省と金融庁 1998年に総理府の外局として発足した金融監督庁は、2000年の中央省庁再編で金融庁と名を変えた。トップも、国務大臣級の特命担当大臣があてがわれている。

 前身である金融監督庁の発足から数えても、その歴史は短い。だから、金融担当大臣は財務大臣や経産大臣、経済再生担当大臣との兼任も目立つ。しかし、ここで兼任している財務省・経産省・経済再生担当と金融庁は、本来の金融庁

もっとみる

【書籍・資料・文献】『電力改革』(講談社現代新書)橘川武郎

福島5区から見た卒原発  3.11の東日本大震災は災害史にも残る、甚大な被害をもたらした。時限的に設置された復興庁は、10年という歳月を経て閉庁することが決められた。しかし、引き続き復興への取り組みは進められる。そのため、後継の組織づくりも始まっている。

 3.11が災害史に記録される点は、被害が大きかったことのほかにも翌日に起きた福島第一原発事故が起因している。原発事故によって故郷を追われた被

もっとみる

【書籍・資料・文献】『自動車産業は生き残れるか』(中公新書ラクレ)読売新聞クルマ取材班

国家を超えたトヨタ 現在、47都道府県のうち不交付団体は東京都のみ。一昔前までは、それに愛知県が加わっていた。市町村別に見ると、圧倒的に愛知県内の市町村に不交付団体が多い。その理由は、明白。トヨタおよび関連企業が愛知県に集積し、堅調な経営を続けているからにほかならない。

 どんな企業も経営には波がある。世界企業のアマゾンやグーグルにも成長の壁があり、その壁に当たったら新たな成長分野を探して、そこ

もっとみる