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読む!走り書き劇場

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女装をする人が女装について思う日々のよしなしごとをそこはかとなく書き綴ったものです。
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女装の派手モード

女装の派手モード

気まぐれな性格もあり、時折無性に派手な格好をしたくなる。
日頃無地のシャツなどを着て過ごしていても、あるとき「どこで買ったんだ」と言われるような突飛な柄や色のシャツなどを着たくなるときがあるのだ。
特段嫌なことがあっただのストレスがたまっているだのという理由があるわけではない。単純に「今日はちょっと”こっち”で行くか」という気持ちの針が「派手モード」に振り切れるのである。

しかし、派手な女装をす

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無印女装

無印女装

無印良品に行くと店員に間違えられる。
最近こそ減ったが、大学生から20代半ばくらいまではよく店内で見知らぬオッサンやオバサンから声をかけられ、双方気まずくなったものだ。

普段白やベージュのブラウスや、動きやすいけどこぎれいなガウチョパンツやクロップドパンツなどを履いていたからだろう。さらに黒髪だったので、落ち着いて見えてしまうせいもあったのかもしれない。
実際学生時代は、無印でこそバイトをしてい

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かわいい食べ物・かわいいわたし

かわいい食べ物・かわいいわたし

自撮りをするときに食べ物と一緒に写すときがある。
若い女の子などがSNSでよくやるパターンだ。
だいたいその際に選ばれる食材と言うのは、流行りのものが多い。
タピオカやバナナジュース、色のついた綿菓子、マカロン…過去の前例としてはこんなものだろうか。ほかにも手ごろなところで、クレープやアイスなどもある。

この自撮り食べ物に関して思うのは、食べ物よりも、「流行のものと一緒に映っている私がかわいい」

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地元で女装する

地元で女装する

大都市圏は比較的女装しやすい環境にある。
東京や大阪、名古屋、福岡などアーティストの全国ツアーの拠点になる都市では、女装のお店があったり、イベントが開催されたりしているものだ。
同時に人口の圧倒的な多さや、「自分が思うほど周りの人が自分のことを気にしていない」という空気も作られやすい点もあるだろう。

一方地方で女装をするというのは、なかなか勇気がいる。
特に田舎の地域に行けば行くほど、やたら人の

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都合のいい女・都合のいい女装

都合のいい女・都合のいい女装

5~6年ほど前、とある女装関連イベントに行った時のことだ。
会場を一人で歩いていると、三人の女性がもつれた足取りでこちらの方に向かってきた。明らかに羽目を外して泥酔していた御様子だ。
そういう場合いつもならば、そっと目をそらして一歩横道にそれるのだが、この時はあまりにも突然すぎてよけきれず、ぴたりと足を止めてしまった。

そんなよれよれ三人女は私の前に立ち止まると、真ん中の女が
「ねぇねぇ~最近一

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ポケットと鞄の中

ポケットと鞄の中

女装をしているとポケットのありがたみを感じる。
普段ジーンズなどを履いていると当たり前のようにあるポケットだが、女装の場合はそれがないことがある。
特にスカートを履いているときは要注意だ。
無意識にポケットにしまおうと手を伸ばすと、当然ながらポケットがないという状態になる。
こういう時、「そうだ女装をしているからポケットがないんだ」と改めて今自分が女装をしていることを自覚させられてしまう。
しかし

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女装で共同生活

女装で共同生活

「気の合う女装男子で共同生活してみたい」
というツイートを見かける。どのくらいの頻度かと言うと、そんなツイートがあったことを忘れかけた頃にまた似たようなツイートを見かけるくらいだ。
ただ私はこの件に関しては、「そうだね!それいいね!」と言えない。

おそらく、お互い女装に興味があるから趣味や生活がしやすい、日中は仕事をしていて別行動、女装は家庭的な人が多いので家事ができればお互いwin-winと言

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女装に悩みを相談すること

女装に悩みを相談すること

女装界隈とはいっても、人の集まりに過ぎないので別に色眼鏡で見ることなんてないのにと思う。
単純に「女装」というフィルターがかかっているだけで、それを外せばどんな場所においてもいそうな人ばかりだ。おそらくバンド界隈やフットサル界隈、ダンス界隈などさまざまな娯楽界隈においてもいるだろう。単に女装をしているかしていないかの違いだ。
しかし、女装というだけで、男の気持ちも女の気持ちもわかっていると思ってい

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恋愛漫画抵抗症

恋愛漫画抵抗症

子どもの頃から恋愛漫画の類が苦手であった。
主人公が誰々のことを好きになって、実はその誰々も最終的には主人公のことが好きだった…というような話にてんで興味がない。
「そんなわけねーよ」と心の中でつぶやきつつ、「けっ」っと悪態をつく嫌な子どもだった。
そもそも最初から両想いになることが前提で読んでいるものだから、
「どうせ引っ付くんだからさっさと引っ付けばいいのに」
と思ってしまうのだ。その間のやり

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哀しき紐パン

哀しき紐パン

単身アパートの生活が長いことやものぐさな性格もあり、私は衣替えを大々的に行うことがない。夏物も冬物も、基本同じ衣装ケース内に収めている。冬の場合は、衣装ケースの奥にある冬物を手前に持ってきて、手前の夏物を奥に移すだけである。半年後はその逆を行う。そのため、服を一着一着確認することがほとんどないのだ。

しかし先日、さすがに衣装ケースのキャパシティーが限界を迎えつつあるのに気づき、ようやく重い腰をあ

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女装とゴルフ

女装とゴルフ

たまたま目についたビジネス雑誌に「ゴルフとビジネス」なる特集が組まれていた。ゴルフで作るビジネス人脈だとか、大手企業のトップはゴルフを通じてビジネスを切り拓いているだとか、ゴルフが仕事に有効性のあるものだということが謳われていた。

私が新卒で入社した会社でも、社内ゴルフコンペなるものが毎年開催されていた。
回覧には「ふるってご参加ください」などと書かれていたが、よくよく先輩社員に聞くと、本社勤務

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女装の普通・普通の女装

女装の普通・普通の女装

「最近の女装さんはみんな女の子に負けないくらいかわいい!」
「骨格まで女性みたい!」
近年女装関連の評判をネットなどで眺めていると、そういった声を目にする。特に10代後半から20代前半で女装を始めた“若手女装”に対するそういった評判は顕著だ。なるほど彼ら(彼女ら)は、細身で色白で、優しい顔立ちの子も多い。背の高さや体型も利用し、男っぽい部分を上手くカバーしながら上手におしゃれを楽しんでいる。

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みんな自分のこと好きすぎだろ…

みんな自分のこと好きすぎだろ…

基本的に女装は自分のことが好きだ。

いや、自分のことが好きじゃなかったらわざわざ自分で化粧したり、似合うような服を買ったりしないだろう。自分のビジュアルで遊ぶ趣味なわけだから、自分のことが嫌いだったらそもそも女装にたどり着くわけがない…と思うのだ。

しかし、傍から見ると女装は「気持ち悪い」と言われてしまうようだ。

「男が女の格好?気持ち悪い」

「化粧なんかやっちゃって気持ち悪い」

「女装

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女装ってやらないと忘れるだろ...

女装ってやらないと忘れるだろ...

ここ最近、すっかり女装のペースが落ちてしまった。なぜだろう。昔は週末の都度やっていたような気もしたのに。むしろなぜそんなにやっていたんだという気もする。

同時に女装した写真をアップする頻度も落ちたので、あげるたびに「久しぶりに女装した」なんてコメントばかりつけている。

まるで最初は躍起になって更新してたのに、だんだん間が空いて、最終的には「お久しぶりです」が文頭の定型文になっているブロガーのよ

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