白藤

南大阪生まれ 南大阪育ち

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最近の記事

3つの日本人形

父が生きてるときでも 行きたくなったらお墓参りに行ってた。 足が向けば行くし 向かなかったら行かない。 特に決めてなかったけど 向かないときは行ったらやばいかなみたいな。 知らんけど。 私は夢をめっちゃ見るタイプで がっつり覚えてるし 夢の中で「あ、これ夢や」て思うこともしばしば。 でももしかしたら覚えてるって脳がバグってるんかもなとかも思ってる。 ほんまはそんな夢みてないのに 「見たで!」て脳が思わせてるんちゃうんかなって。 なんでそう思うかっていうと 死ぬ

    • 犬が歩く音

      20歳頃に働いた職場で たまたま父の実家のお向かいさんの家の 娘さんと再会した。 年上だったので小さかった私はうっすらとした記憶しかないけど家は覚えてる。 昔からあった家じゃなくて引っ越ししてきた家族やったと思う。 「ちよこちゃんのおばあちゃんち、あの後小さいホームセンターなったやん?そこで働いてたんよ〜」 そう。 父の実家はある日いきなり競売にかけられて 祖父祖母が家無しになった。 その後、実家は潰されてホムセンになった。 「でさ」 とOさんは細い肩を小さくして

      • 家族写真

        家族写真なんて2枚しかない 全部私が幼稚園はいる前 記憶にない 私の記憶がある頃には もうすでに両親の仲は悪くて 家族が笑顔になれるように おどけてた ずっと人の顔色みて生きてきて それがうざいって学校でいじめられたこともあったでも何が悪いのかわからんかったずっとそれで生きてきたんやもん 私と姉の間にひとり子供がおったらしい 父が自営はじめたばかりでお金がなかったから堕ろせて言われて母は反発したけど結局。 あの頃は女が子供二人抱えて一人で生きていける時代じゃな

        • あの頃

          20歳頃のわたし よく父方のお墓参りに行っていて。 まだ父は生きてたけど なぜかお墓参りに行きたくなる。 少しだけ高くなった場所にあるお墓は あの頃3つ石が並んでいて。 お水をいれたバケツを持って歩いていく その目線の先に 誰かが立っている 枯れ木のような色の肌で 髪の毛をおろし その髪の毛はかすかな風に揺られて 息を呑んだ 「…ちよこちゃんか?」 その掠れた声は聞き覚えがあった。 「F子おばちゃん…?」 元々細くて筋張った体をしていて わたしが子

        3つの日本人形

          ご無沙汰していぼ痔。

          最後の記事から3ヶ月開き 季節は夏から冬へと変わりました。 みなさま、いかがお過ごしでしょうか。 私は体調が悪く 仕事と家事で精一杯な毎日を送っておりました。 Twitter(X)はガンガンしてましたけど。 今月、肛門にしこりがあるのを発見(?)し 肛門科へ行って診てもらうと 肛門のしこりは血豆 痛覚のない粘膜に数個のいぼ痔がある と言われました。 7,8年前に椅子に座ると違和感があり 肛門科に行った時に 「ポリープがある」と言われました。 それがもしかし

          ご無沙汰していぼ痔。

          母の背中

          母曰く 「叔父が突入すると共に1人で押し入れの中に逃げた」 らしい。 私は (押し入れの中は物でパンパンなのにどうやって入ったのかな) などと考えていました。 そこに兄がやってきました。 ⚫︎お母さんはすごかった ⚫︎鼻先に刃物を突きつけられても子供部屋の前から動かなかった ⚫︎この部屋には絶対入れないと言っていた ⚫︎「刺すんなら刺してみぃ!その変わりあんたまた刑務所入んねやで!」と叫んでいた ⚫︎母を刺せなかった叔父が暴れてテレビなどを壊していった

          母の背中

          街宣車

          すごい爆音で軍歌が聞こえる 団地の前の駐車場を恐る恐る ベランダから覗き込むと 街宣車が止まって 足の悪い叔父が足を引きずりながら 団地の入り口に入るところでした 何が起こってるのか 何が起こるのか 静まり返る家の中に 玄関のドアを蹴る音が響きます 叔父の怒号 玄関を蹴る音 鍵のかかってるドアノブを激しくまわす音 その中に母の声が聞こえました 「お姉ちゃん、ちよこを部屋の奥に!ドアは閉めなさい!何があっても出てきたらだめよ!」 お母さんの言葉が終わる前に

          軍歌が聞こえる

          翌日も電話が鳴り そしてなんと ピザとお寿司が20人前くらい デリバリーされました。 当時はデリバリーしてるお店は少なかったので そのお店に電話していたずらの注文であることと 今後、うちの名前では注文はしないので同じ名前で注文があれば断ってください、とお願いをしたので それ以降、デリバリーの嫌がらせはなかったです。 それから少しの間は平和な日常が戻ってきました。 仕事の事もあるので 叔父から電話攻撃が始まるまでは電話は普通に使えるようにしてありましたが今日もしばらく

          軍歌が聞こえる

          悪意

          母は慌ててドアを開けます 「急患はどこですか!?」 救急隊員が数名慌てた様子で 中を覗き込みます。 母は 「なんのとこでしょうか?」と返事するも 家族全員パニックです。 救急隊員が 「救急車要請の電話がありました」と 言ったところで皆がハッとしたのがわかりました。 (叔父さんが嫌がらせで電話したんや) でもそれは想像で証拠もないので イタズラだと説明して謝り 帰っていただきました。 幼い私はまだあまり状況がわかっていませんでしたが その日はそれ以上何もなくまた

          鳴り止まない電話

          小学2年生の頃 ある日20時頃、我が家の電話が鳴りました。 いわゆる黒電話の大きな音です。 父はお商売をしていて顧客からの注文が 家の固定電話にかかってくるので いつもの事でした。 が 電話を取った母の様子がおかしい。 そして切った後にまたすぐ鳴る呼び出し音。 父が出る 10歳年上の兄と 9歳年上の姉が黙り込んでしまう 家の空気がおかしい 切っても切っても鳴り続ける電話 母が出て 「もうやめなさい」と言っても 父が出て何かを言っても 鳴り続ける 受話

          鳴り止まない電話

          茶封筒の中身

          母は父とケンカをするときもよく 大きな声で喚いていました。 普段の母からは想像もつかないような 狐が憑いたのかと思うほど目をつりあげて。 肝心の茶封筒の中身は “土地の権利書” どこの土地なのかまでは教えてもらえませんでしたが叔父はちょっと厄介な人なので まともな書類ではない事は確実でした。 母と父がケンカした後、叔父がやってきて 狭い府営団地の玄関先で大喧嘩です。 「あれは俺がちよこにやった(あげた)もんやから!」 叔父はなぜか私をすごく可愛がってくれていて

          茶封筒の中身

          冷蔵庫に茶封筒

          留守番してたある日、叔父が来た。 私がひとりなのを確認して 茶色の大きな封筒を出してきた。 相変わらず呂律がまわっていない。 何を言ってるかわからない私は 留守番中であること 母がもうすぐ帰ってくること 勝手なことすると怒られること そのほかにも色々と叔父に言った気がする 叔父から発せられた言葉で 聞き取れたものは 「大事」 「お前にあげる」 「誰にも言うな」 「とても大切なもの」 「冷蔵庫にいれておけ」 そして叔父は冷蔵庫の上に 封筒を貼り付けて帰っていった

          冷蔵庫に茶封筒

          舐め合いっこ

          父はトラックに乗ってから 腰を悪くしたので ハンドマッサージ機が家にありました。 あれをあそこに当てたらどうなのかな。 シャワーあてたらどうなのかな。 どんどんエスカレートする欲望。

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          舐め合いっこ

          7歳の自慰行為

          父方の親戚は母方に比べてかなり粗暴で 親戚一同が集まるお正月には その辺に大人の漫画も転がっていました。 酔っ払った父の兄にうながされ そういう漫画を読んだこともあり 私が知らないおじさんにされたことは 何なのかは理解していました。 そして私は小学生1年生にして 自慰行為を覚えました。

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          7歳の自慰行為

          鍵っ子の私と知らないおじさん

          私が生まれるだいぶ前に 父は百貨店を辞め、自営業をはじめていました。 上司を殴ってクビにされたらしく 「会社を辞めてきた」 と言われたらしく母は収入が安定しているサラリーマンだから結婚したのに、とよくぼやいていました。 父は2トントラックで移動スーパーを営んでいました。 収入はやはり安定せず 母が外に勤めに出ることに決まり 私は鍵っ子に。 外回りの営業仕事に就いた母は 最初のうちは定時退社し17時半には 帰ってきてくれていました。 当時は電動自転車などはなく 母は普

          鍵っ子の私と知らないおじさん

          卒園から入学

          幼稚園には幼馴染の男の子が一緒でした。 学くん。 目が細くてひょうきんな同じ年の男の子。 運転手のおじさんを初恋とカウントしないなら 学くんが初恋です。 卒園式の写真も学くんと一緒。 そして小学校入学。 公立の幼稚園の子ばかりなので みんなもう知り合い。 私立の私はぼっちでした。 入学式の後、初めて座った自分の席の隣には ナオキくん。 ショートボブのさらさらの髪の毛で 目がきゅるんとしてて女の子かと思った。 にこっと笑って「ナオキ!」て言ってくれたのを覚え

          卒園から入学