乙川アヤト

社会不適合者。小説、哲学、心理学、脚本術、乙一氏に傾倒。『継続すること』がテーマ。好き…

乙川アヤト

社会不適合者。小説、哲学、心理学、脚本術、乙一氏に傾倒。『継続すること』がテーマ。好きな映画は「ファイト・クラブ」。お気に入り作家は乙一、カズオ・イシグロ、村上春樹。まずはこちらの目次をどうぞ▶https://note.com/otukawa_/n/ncecf2de58b19

マガジン

  • 日常、エッセイ。

    思ったことや、考えたことを、気ままに書いています。

  • 書くことについてのあれこれ。

    なにかを創るということはとても難しいし、苦悩も多い。なので、せめて自分だけはそれを肯定してあげなくてはいけないな、と思います。

  • 短編小説。

    無料のほう。心を込めて書きました。

  • 読んでほしい作品。

    頑張って書きました。

最近の記事

  • 固定された記事

【乙川アヤトの目次】を作成しました。

この記事は…… 2023年、11月現在。 僕のnoteでの活動が、二年目に突入しました。 「一年分? そんなにたくさん、読めっかよ」 「乙川アヤトってひと、得体が知れないのよね」 「それ(記事)ってあなたの感想ですよね?」 「宇宙ってひろい」 「ホラーってこわい」 というご意見もあるかと思いましたので、そういう方に向けて、自分なりにとあるnoterさんをパク……参考にして、僕自身の目次を作ることにしました。 随時更新予定。 ・自分について ・彼女について ・考え

    • いくつになっても、孫は孫。

      93歳になる祖父のことについて書く。 僕が石川の田舎で暮らし始めて二ヶ月。その期間のほとんど、祖父は『デイサービス』という謎の施設に収容されていた。 祖父いわく「わしゃ、働きにいっとるんじゃ」。 ずっと座っているとのことだったので、たぶん手編みのセーターなんかを大量に生産したり、焼きサバ弁当のサバの骨を取り除いたりしているのだろうと想像した。 しかしそれは目や耳や足の具合が良くない祖父にとって、かなり大変な作業になる。 彼は彼なりに日々頑張って、『デイサービス』と向

      • 田舎でハマったこと。

        以前、田舎には娯楽がないのでは。という旨の記事を上げた。 ↓ その記事を見返すと『アヤトの動く城』や『メカ熊』とかいう、ワケのわからない単語が頻発していた。 しかし僕にはまったく覚えがなかった。 いったいどんな思考回路をすれば、こんなおかしな単語が出てくるのか疑問でしかたなかった。 きっといつも見守ってくれる読者の方々や、一緒に過ごしていたMUちゃんの優しさに甘えていたのだろうと思った。 今後は、先日の『おにやんま君』の記事のように、役に立つ発信をしていこうと志を

        • カメムシ対策に『おにやんま君』を連れてきたら。

          三日前、僕の住む田舎は雲一つない晴天だった。 地面からは様々な草花がアスファルトを押しのけて、我先にとさんざめいていた。 ツクシやチューリップ、ヒメオドリコソウといった植物が、空を目指して一心に茎を伸ばしていたし、そのあいだをアシナガバチやモンシロチョウなんかが新社会人みたいにせわしなく飛び交っていた。 僕はそれらに囲まれながら、一冊の本を開いていた。 最近、お気に入りのレイ・ブラッドベリ。書名は『猫のパジャマ』。 ページの照り返しがやけに眩しかった。 やわらかな

        • 固定された記事

        【乙川アヤトの目次】を作成しました。

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        • 日常、エッセイ。
          109本
        • 書くことについてのあれこれ。
          22本
        • 短編小説。
          18本
        • 読んでほしい作品。
          3本

        記事

          『知的さ』とは。

          昨日、はじめてコメントを交わしたNoterさんに『文章の知的さに殺られてしまいまして』というお言葉をいただいた。 とても嬉しかった。 しかし『そんなの普通だし?』というような顔をして、ポケットに手をつっこみ、町内を最低でも5周は練り歩いた。 心も体も羽毛のごとく舞い上がり、電柱のてっぺんで歌っていたイソヒヨドリと目があうほどの跳躍を見せた。 状況が状況ならば、なんらかの賞を授与されてもおかしくない。そんな跳躍だった。 『自他共に認める、知的な文才』 これで、僕もそ

          『知的さ』とは。

          来訪者、カメムシ。

          家の中に他人がいる。 田舎では、そんなことがよくあった。 一人暮らしの長い僕のような人間は、その状況に楽しさや、居心地の悪さや、心地よさや、所在なさなんかをいっぺんに抱いて、なんだか複雑な気分だった。 僕の祖母は、町内でも指折りの顔の広さなのだという。 ちょくちょく近所に夕飯の余りを持って行ったり、知り合いを家に招いたりしていた。 家の前で井戸端会議が始まることなど、しょっちゅうだった。 気づいたら、知らないおっちゃん二人とコタツで談笑、なんてこともあった。 し

          来訪者、カメムシ。

          昔の手紙。

          昔の手紙。

          家族と暮らして、思ったことは。

          人と一緒に暮らすというのは難しい。 それは、血の繋がった家族といえども例外ではなかった。 僕は今、祖父母の暮らす田舎と、両親と弟妹が暮らす金沢とを行き来して生活していた。 一人暮らしとは何もかもが異なる環境。 その二重生活では、その都度いろいろ変化に適応していかなければいけなかった。 わかりやすいところで言えば、眠る時間。 都会にいたころは、働いていた書店の営業時間の関係もあって、特別なことがなければ深夜2時ごろに布団にはいって、午前9時に起きていた。 しかし、

          家族と暮らして、思ったことは。

          おばあちゃんたちが視ているものは。

          僕はいま石川県の田舎に帰って、祖父母の家で生活している。 祖父が93歳で、祖母が87歳だった。 祖父の方は聴覚が仕事をサボったり、認知機能が白昼夢をみはじめたりすることがあるが、歳のことを考えれば二人ともまだまだ元気だった。 彼はしばしば『デイサービス』という謎の機関に連れ去られることがあった。 夕飯時に解放されるときもあれば、半月も帰ってこないときもあった。 おまんじゅうを食べるので忙しいのだと思う。たぶん。 そういうとき僕と祖母は家の片付けをしたり、適当に出か

          おばあちゃんたちが視ているものは。

          現状、報告。

          僕の祖父母の家は石川県の北寄りの田舎にあった。 そこは30分も歩けば、海にも山にも行けるような土地だった。 どこから吹く風にも、土と葉の香りがした。 都会で人工的な雰囲気の風雨にさらされ、すっかり資本主義社会の歯車になった僕にとって、それは逆にすごく新鮮で懐かしいものだった。 子供のころ、僕の家族は夏休みやGWになるたびに、この祖父母の家を訪れた。 そしてこの田舎の豊かな大自然を横目にニンテンドーDSで、どうぶつの森の博物館を充実させたり、草むらから出てきたポケモン

          現状、報告。

          抑えきれなかった。

          僕が石川に帰ってきてから、だいたい二週間が経った。 僕にとって2024年の2月というのは、かなり長く感じた月だった。 それは引っ越しなんかで忙しかった1月と比べても大きな違いだった。 体感ではもう半年くらい経っている気がした。 そろそろ栗が美味しくなり、木の葉が色づきはじめてもおかしくないと思った。 田舎に帰ってしばらくは、さみしさに押しつぶされそうになることがあった。 どこへ行くにも祖父母や両親、三人いる弟妹の誰かとは同じ空間にいるはずなのに、そのさみしさは僕の

          抑えきれなかった。

          28歳、はじめてのディズニーシー、はじめてのタワテラ。

          実は、今月の初め、2月5日は僕の誕生日だった。 28歳になった。 子供のころ、28歳といえば、かなりいい大人を想像していた。 立派な仕事につき、責任感があり、経済力が安定しはじめ、部屋では高級バスローブで過ごし、窓の外から都会の夜景を見下ろしているイメージがあった。 現実の僕はといえば、そのどれも持っていなかった。 暮らしていた部屋は一階のせまいワンルームのアパートだったし、銀行口座の数字は月の給料の額と0の間をいったりきたりしていた。 部屋着はもっぱらスヌーピー

          28歳、はじめてのディズニーシー、はじめてのタワテラ。

          いまさら、新年のご挨拶と抱負を言いたい。

          あけましておめでとうございます。 皆様、いかがお過ごしでしょうか。 僕は五体満足です。 年が明けて、もうすぐ一ヶ月が経とうとしていた。 この一月は本当にいろいろなことがあった。 本を図書館に寄贈したり、愛用のL字デスクをバラバラに分解したり。 サブスクが解禁された関ジャニ∞を聴きまくったり。 焼き小籠包で口の中を火傷したり。 彼女を台車に載せて、街を駆け抜けたこともあった。 しかしなんといっても、一番印象に残っているのはあの地震だった。 地震は、僕の祖父母

          いまさら、新年のご挨拶と抱負を言いたい。

          落ち葉を掃いていたら、

          最近、忙しくてnoteに投稿する頻度が、めっきり減ってしまった。 引っ越しの作業は一度手をつけてみると、思ったよりもやることが多いことに気づいてしまった。 電力会社を解約したり、粗大ごみを処分したり、PCの周辺機器を整理したり。 中でも大変だったのは、地下室への入り口を塞いだことだった。 僕の家は賃貸なので、勝手に部屋を大改造して秘密の地下室を作っていたことがバレたら、大家さんがご機嫌ななめになってしまうことは充分に想像できた。 苦労して改造した地下室には思い入れも

          落ち葉を掃いていたら、

          毎日投稿を止めてから、一週間が経ちました。今週末に投稿しようと思っていた短編があったのですが、内容がふくらんでしまい、もう少しかかりそうです。ちゃんと書いてました。ちゃんと働いてました。ちゃんと食べてました。ちゃんと生きてました。

          毎日投稿を止めてから、一週間が経ちました。今週末に投稿しようと思っていた短編があったのですが、内容がふくらんでしまい、もう少しかかりそうです。ちゃんと書いてました。ちゃんと働いてました。ちゃんと食べてました。ちゃんと生きてました。

          田舎へ引っ越すことになりました。

          田舎へ移住する、という計画が持ち上がったのは、半年ほど前だった。 きっかけは彼女が『ワーキングホリデー』という伝説の秘宝を探しに、大海原へ繰り出したいという話からだった。 その期間、約一年。 その一年は、彼女と会えない空白の期間となる。 だからそのあいだ、僕は山籠りも兼ねて祖父母のいる片田舎に住もうという経緯だった。 そうなるとやることがたくさんあった。 まず引っ越しのための荷造り。 本棚の整理。 断捨離。 田舎には娯楽がないと聞く。 だからポケットWi-

          田舎へ引っ越すことになりました。