記事一覧

石神井の地下飲食街

 阿佐ヶ谷にあるラーメン店「麺処 一笑」に行ったことがある。ここも人気店で人が並んでいるが、修業元は「石神井公園 井の庄」らしい。井の庄が有名な店ということは聞い…

pakashi89
1日前
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「クラクラ日記」の中の石神井

 石神井の「ふるさと文化館 分室」では、練馬区ゆかりの文化人がパネルで紹介されているが、太宰治や坂口安吾の展示まではない。二人は石神井でもエピソードを残している…

pakashi89
8日前
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石神井「照姫まつり」と再開発

 今年も石神井公園周辺では「照姫まつり」が開催された。室町時代の石神井城主・豊島康経と娘の照姫の伝説にちなんだ行事である。一番の見せ場は時代装束と甲冑を身にまと…

pakashi89
2週間前
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石神井にネパールビール

 私の知人がインド古典舞踊、シタール、激ウマカレーにはまって久しい。映画も面白いし、インドは国として魅力に富んでいるのだろう。自分にとってインドはハード過ぎるイ…

pakashi89
3週間前
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石神井とソメイヨシノ

 先日は、コロナが五類になってから初めての花見の季節到来であった。雨や曇りの日が続いたにもかかわらず、石神井池(ボート池)南側の「草地広場」や、三宝寺池側の「野…

pakashi89
4週間前
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石神井「路上観察」

 しばらく前から赤瀬川原平の写真集「香港頭上観察」を探している。1997年発売(中国返還の年)ということだから、新品で探すのは難しそうだ。赤瀬川源平の本は「ちくま文…

pakashi89
1か月前
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石神井でタンノイを聴く

 毎月「石神井公園ふるさと文化館分室」ではレコードコンサートが開催されている。これは石神井にゆかりのあった芥川賞作家・五味康祐の死後、所蔵していたLPや音響機器…

pakashi89
1か月前
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石神井と春の行楽弁当

 武蔵野の面影が残り、ボート池では行楽地の賑わいもある石神井は、桜の季節を迎えつつある。南田中の石神井川沿いや「草地広場」などではシートを敷いて、弁当を広げ、花…

pakashi89
1か月前
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石神井で熱燗

 昨年末、親戚からフグひれをもらったので、石神井公園駅近くの「友野屋酒店」で、燗酒用の日本酒を選んでもらった。昨今は「全国燗酒コンテスト」なるものもあるそうだ。…

pakashi89
1か月前
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石神井と光が丘公園

 東京練馬区の光が丘は、「光が丘パークタウン(光が丘団地)」という新興住宅地と、練馬区最大の「光が丘公園」で構成されている。都営大江戸線の始発駅なので駅名だけは…

pakashi89
2か月前
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石神井の閉店ラッシュ

 十数年ぶりに井伏鱒二の随筆「荻窪風土記」を読み直した。ここでは関東大震災から第二次戦争後までの間の荻窪界隈の様子が描かれている。  冒頭、土地っ子で正直者の話…

pakashi89
2か月前
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上石神井の模型屋さん

 石神井公園駅南口の商店街の中に、以前「大成堂 玩具店」があった。一度調べたことがあったが、閉店したのは2015年だったようだ。二階建てで、純粋に子ども向けのものか…

pakashi89
2か月前
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石神井の「武蔵野うどん」

 久しぶりに「石神井公園ふるさと文化館」内の「むさしの エン座」で食事をした。最後に行ったのは昨年七月、ふるさと文化館で田中小実昌の企画展を見た時以来になる。  …

pakashi89
2か月前
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石神井の湧き水

 講談社学術文庫が発行している「江戸近郊道しるべ」を読んだ。徳川家の御三家のひとつ、清水徳川家の幕臣・村尾嘉陵(1760-1841)が著した、通称「江戸近郊道しるべ」の…

pakashi89
3か月前
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石神井で野菜作り

 先日、地域の住民向けの野菜作り講座の初級編に参加した。この日は座学であったが、私はもともと野菜を育てることには興味があって、今までピーマン、えだ豆、イチゴなど…

pakashi89
3か月前
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上石神井駅と「外環の2」

 今年1月8日「成人の日」。この日、石神井公園駅駅前では同じ建物に入っている「星乃珈琲」とパンの「サンメリー」が閉店している。サンメリーはその少し前から込み合っ…

pakashi89
3か月前
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石神井の地下飲食街

石神井の地下飲食街

 阿佐ヶ谷にあるラーメン店「麺処 一笑」に行ったことがある。ここも人気店で人が並んでいるが、修業元は「石神井公園 井の庄」らしい。井の庄が有名な店ということは聞いていたし、実際に何度も頂いているが、いくつかある井の庄のひとつだと思っていて、原点が石神井だとは知らなかった。情報はあやふやだったが、地元としてはうれしい。「麺処 井の庄」があるのはライオンズマンションの地下飲食街「ライオンズプラザ」内だ

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「クラクラ日記」の中の石神井

「クラクラ日記」の中の石神井

 石神井の「ふるさと文化館 分室」では、練馬区ゆかりの文化人がパネルで紹介されているが、太宰治や坂口安吾の展示まではない。二人は石神井でもエピソードを残しているのだが、この地と昭和文壇の面々を結びつけてくれたのは、檀一雄と書き残した「小説 太宰治」や「太宰と安吾」という著作のお陰だと思う。
 最近、練馬区教育委員会が旧檀一雄邸のそばに「檀一雄文学顕彰碑」を建てた。今さらな気もするが、いいことだ。

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石神井「照姫まつり」と再開発

石神井「照姫まつり」と再開発

 今年も石神井公園周辺では「照姫まつり」が開催された。室町時代の石神井城主・豊島康経と娘の照姫の伝説にちなんだ行事である。一番の見せ場は時代装束と甲冑を身にまとった照姫行列だが、太田道灌に攻められて石神井城が落城した際、康経と照姫が三宝寺池に入水したという逸話は近代のフィクションとのことだ。始まりは1988年で、祭りとしての歴史もまだ浅い。
 石神井公園内では池の周囲の遊歩道沿いに、二人を祀る「殿

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石神井にネパールビール

石神井にネパールビール

 私の知人がインド古典舞踊、シタール、激ウマカレーにはまって久しい。映画も面白いし、インドは国として魅力に富んでいるのだろう。自分にとってインドはハード過ぎるイメージがあって、旅行で行くことは一生ないかと思っている。ずいぶん昔、シンガポールのインド人街でフィッシュヘッドカレーを食べたことが、私の持っている数少ない本場に近いインド体験だ。

 実感として、ここ十数年でインド・ネパール料理店はかなり増

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石神井とソメイヨシノ

石神井とソメイヨシノ

 先日は、コロナが五類になってから初めての花見の季節到来であった。雨や曇りの日が続いたにもかかわらず、石神井池(ボート池)南側の「草地広場」や、三宝寺池側の「野球場(A地区)」の辺りでは、宴が開かれている。公園内に限らず、石神井はいたるところにソメイヨシノの木が植えられ、どこも美しい。

 石神井川沿い、南田中の桜は今年も壮観だった。定番は橋の上から撮る写真だろう。川は大規模に掘り下げられているし

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石神井「路上観察」

石神井「路上観察」

 しばらく前から赤瀬川原平の写真集「香港頭上観察」を探している。1997年発売(中国返還の年)ということだから、新品で探すのは難しそうだ。赤瀬川源平の本は「ちくま文庫」に並んでいるのを見てきたが、先日、書店にいったところ、ずいぶん減っている。「超芸術トマソン」も荻窪の古書店で購入した。
「トマソン」とは、用途不明の階段や、正体不明のコンクリート柱などの愛称で、トマソンや看板などを観察する「路上観察

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石神井でタンノイを聴く

石神井でタンノイを聴く

 毎月「石神井公園ふるさと文化館分室」ではレコードコンサートが開催されている。これは石神井にゆかりのあった芥川賞作家・五味康祐の死後、所蔵していたLPや音響機器を使って行われているものだ。レコードコンサートの方は以前に抽選で外れ、それっきり縁遠くなっていたが、それとは別にオーディオのメンテナンス(音出し)が、毎週火曜と木曜に行われている。こちらの方は申込が不要で、参加費もかからない。

 ふるさと

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石神井と春の行楽弁当

石神井と春の行楽弁当

 武蔵野の面影が残り、ボート池では行楽地の賑わいもある石神井は、桜の季節を迎えつつある。南田中の石神井川沿いや「草地広場」などではシートを敷いて、弁当を広げ、花見を楽しむことだろう。

 西武新宿線・上石神井駅の近くに、「津多屋」という仕出し弁当の販売店がある。ホームページにも「ロケ弁」と書かれているのだが、屋外の撮影のためでけではなく、テレビなどの収録時、出演者やスタッフに配られる弁当のことだ。

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石神井で熱燗

石神井で熱燗

 昨年末、親戚からフグひれをもらったので、石神井公園駅近くの「友野屋酒店」で、燗酒用の日本酒を選んでもらった。昨今は「全国燗酒コンテスト」なるものもあるそうだ。「ぬる燗」「熱燗」「上燗」などと温度の差で呼び方も変わるらしい。以前は「酒を温めるなんて、冒涜だ」などと思っていたが、料理の味が上がり、体にも優しい気がする。
 熱燗は寒い季節にぴったりだ。二月になると都心でも雪が降って、石神井もそれなりに

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石神井と光が丘公園

石神井と光が丘公園

 東京練馬区の光が丘は、「光が丘パークタウン(光が丘団地)」という新興住宅地と、練馬区最大の「光が丘公園」で構成されている。都営大江戸線の始発駅なので駅名だけは目にしても、訪れたことまではないかもしれない。石神井からは北に位置するが、せっせと自転車を漕いでいくとそのうち着いてしまう。電車を使う場合、西武池袋線でいったん練馬駅に向かうことになるので、乗り換えもあって遠回りだ。
 ショッピングセンター

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石神井の閉店ラッシュ

石神井の閉店ラッシュ

 十数年ぶりに井伏鱒二の随筆「荻窪風土記」を読み直した。ここでは関東大震災から第二次戦争後までの間の荻窪界隈の様子が描かれている。
 冒頭、土地っ子で正直者の話として「関東大震災前には、品川の岸壁を出る汽船の汽笛が荻窪まで聞こえていた」と紹介されるくだりは、いつ読んでも味わい深い。すでにその頃の荻窪の風景は失われているからだ。 
 その本を買ったのは石神井に住み始めたばかりの頃だが、荻窪もその頃よ

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上石神井の模型屋さん

上石神井の模型屋さん

 石神井公園駅南口の商店街の中に、以前「大成堂 玩具店」があった。一度調べたことがあったが、閉店したのは2015年だったようだ。二階建てで、純粋に子ども向けのものから、カード類、プラモ、エアーガン、一般的なものからマニアックなものまで、「街のおもちゃ屋さん」と呼ぶには、はるかに充実したお店だった記憶がある。大人が入っても十分面白かったのだ。

 その大成堂は閉まってからずいぶんそのままだった。いつ

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石神井の「武蔵野うどん」

石神井の「武蔵野うどん」

 久しぶりに「石神井公園ふるさと文化館」内の「むさしの エン座」で食事をした。最後に行ったのは昨年七月、ふるさと文化館で田中小実昌の企画展を見た時以来になる。
 ここは人気のうどん店だが、もともとは近くからお引越しされてきた。今の場所は石神井公園を散策する際にぴったりだし、夏であれば隣のプールに行ってからもよい。休日はやはり込んでいるが、待つようであれば、ふるさと文化館の二階で展示を見て過ごすこと

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石神井の湧き水

石神井の湧き水

 講談社学術文庫が発行している「江戸近郊道しるべ」を読んだ。徳川家の御三家のひとつ、清水徳川家の幕臣・村尾嘉陵(1760-1841)が著した、通称「江戸近郊道しるべ」の現代語訳である。江戸の町や風俗ではなく、あえて周辺の土地を巡り歩いている点が面白い。

 石神井について触れた箇所に、「この池の水はどんな日照り続きでも涸れることがない。時として水が水底から湧き上がることがあるという。」との文章があ

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石神井で野菜作り

石神井で野菜作り

 先日、地域の住民向けの野菜作り講座の初級編に参加した。この日は座学であったが、私はもともと野菜を育てることには興味があって、今までピーマン、えだ豆、イチゴなどをプランターで作った経験がある。収穫というほどの量ではないが、とったばかりの野菜はみずみずしく、美味しい。
 引退した上司が練馬で畑を借りていたが、自分の家だけでは食べきれず、困る時もあるそうだ。本業で売るわけではないから、野菜作りそのもの

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上石神井駅と「外環の2」

上石神井駅と「外環の2」

 今年1月8日「成人の日」。この日、石神井公園駅駅前では同じ建物に入っている「星乃珈琲」とパンの「サンメリー」が閉店している。サンメリーはその少し前から込み合っていて、最終日は満員で入るのをあきらめてしまった。もともと人気で、再開発がなければそれぞれの店はまだ続いていたにちがいない。
「まなマート 石神井駅前店2号館」に続き、食料品を扱っていた1号店も今年1月14日に閉店となった。近くにスーパーは

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