デキン原人

再任用の公立高校の教員。抽象画以前の西洋絵画、難しすぎない映画、コーヒーが好き。AAL…

デキン原人

再任用の公立高校の教員。抽象画以前の西洋絵画、難しすぎない映画、コーヒーが好き。AALL(反アクティブラーニング連盟)提唱者。対案として「主体的・対話的で深い笑い」を模索中。たまに世界史と日本史が交錯する題材を使った考察の記録を載せます。

最近の記事

所有、売買、命名、虐待

 先日、今の40代日本史教員で「網野善彦の本を読んだことがない」ときっぱり言う同僚に面食らったことを旧Twitterでつぶやくと驚きの声の一方で、「古典」「ノスタルジーにふけるな(老害)」みたいなリプを返した予備校の日本史講師が現われた。21世紀に入ってからは日本史の動向を追いかける余裕がなかったので、最新動向を教示いただいた。だが、別の場所で「高校教員ふぜいが」「WWW」みたいなことを引用リプで小馬鹿にされたので、怒りを推進力にするタイプの人間である私は、網野氏と並ぶ日本中

    • 雲隠れの記(忘れられた頃に登場する)

       久々にクリエイターページを開くと、ほぼ1年ぶりでした。投稿の仕方も忘れていました(しばし考えました)。  昨年6月に「世界史漫才」最終号を上げ、「何かを書く」作業から離れて1年以上が過ぎました。今年の2月末には義父が90歳で他界し、妻と二人でその後の手続きと遺品整理をしている間に定年を迎え再任用となったので並行して自分の各種手続きをして、と書類と対峙する日々でした。  しかしこの2年間、何もしてなかったかというと、妻が土曜日の午後にパートに出るようになったので、その4時間の

      • デキン原人より読んでくださった皆様へ

         私の書いたものを読んでくださった皆様、ご無沙汰しております。  今年の6月に「世界史漫才」再構築を終わらせました。出版社に話を持ちかけてくださったO氏には申し訳なかったのですが、7月に出版社より「自費出版しか無理ですね」と最終的に伝えられました。自費出版はしないつもりだったので「世界史漫才」はひとまず終わります。  そう告げられて「なんでやねん!」と思う以上に「やっぱりそうだよなあ」と納得している自分がいました。端的には、ものごとを進めるには勢いが必要なのに、「世界史漫才」

        • 世界史漫才再構築版72:ゴルバチョフ編 

          家庭のことで一時的に中断し、心が折れかけることもありましたが、再構築作業がなんとか終わりました。まだまだ訂正や手を入れるところはありますが、一区切りを打ちたいとおもいます。 毎回、そして面白そうだとご覧になられた皆様に感謝いたします。 この世界史漫才が「共通テスト」の会話形式問題で採用される日を夢見て。  微苦:ども微苦笑問題です。  苦:実はこの漫才も今回で終わりです。  微:野村萬斎も終わってますけどね。  苦:勝手に道連れを作るんじゃねえよ! 苦悶ちがう公文式で親子で

        所有、売買、命名、虐待

          世界史漫才再構築版71:ティトー編

          苦:今回はヨシップ・ブロズ・ティトー(1892~1980年)です。  微:古代ローマの政治家か?  苦:それはティトゥス・アンドロニクス!! ユーゴスラヴィアだけでなく、ソ連も含めた戦後国際政治にも影響を与えた政治家であり、ユーゴスラビア共産主義者同盟の指導者でした。  微:ああ、あのメガネをかけた、肝の据わったお方だな。確か「西南奴隷組組長」の。  苦:度を超えた翻訳は国際関係を乱すだろ!! まあ、中国はアルゼンチンを「銀国」、モンテネグロを「黒山国」と訳してますが。  微

          世界史漫才再構築版71:ティトー編

          世界史漫才再構築版70:プラハの春編

          苦:今回は1968年のチェコスロヴァキアの自由化改革「プラハの春」と、その中心となったアレクサンデル・ドプチェク(1921~92年)です。  微:鞄のプラダは今が「この世の春」だな。ちなみに「かばん」だぞ「くつ」とちがうで。  苦:ボケに解説入れるな! 1956年の「スターリン批判」はポーランドの暴動やハンガリー動乱のように体制の危機を引き起こすほどの衝撃をチェコスロヴァキアに及ぼしませんでした。  微:「じわった」わけだな、その言い方。  苦:何だよ、その今風の言い方。まあ

          世界史漫才再構築版70:プラハの春編

          世界史漫才再構築版68:アデナウアー&ブラント編

           苦:今回は西ドイツ首相の二本立てです。  微:昭和の頃の地方映画館だな。この漫才も寂れてきたな。  苦:オメエのボケが面白くないからよ!! まず、西ドイツことドイツ連邦共和国初代首相コンラート・アデナウアー(任1949~63年)です。  微:得意技はイナバウアーです。  苦:スケート選手じゃねえし、トリノは古いよ! アデナウアーはドイツが帝国だった1876年にケルン市で生まれ、ケルン市職員を経て1909年に助役に就任しました。  微:33歳で助役とはあくどい系の有能さだった

          世界史漫才再構築版68:アデナウアー&ブラント編

          世界史漫才再構築版69:ブレジネフ編

          苦:今回はレオニード・ブレジネフ(1906~82年)、フルシチョフ失脚の1964年から1982年まで書記長としてソ連に君臨した最高指導者です。  微:ああ、ボケた目の熊みたいなオッサンだな。モスクワ市民が赤の広場で「ブレジネフのバカ!」って叫んだらKGBが現れて「国家最高機密漏洩罪で逮捕する」と拘束される小咄ネタの。  苦:いきなりアネクドータですか。彼が生まれた1906年はまだロシア帝国の時代で、エカテリノスラフ県カメンスコエで生まれました。  微:そこって今のウクライナの

          世界史漫才再構築版69:ブレジネフ編

          世界史漫才再構築版67:サラザール編

          苦:今回はポルトガルの謎の独裁者サラザール(1889~1970年)です。  微:21世紀の高校生が知る訳ねえし、60代のじいさんでも知ってる人少ないよ。  苦:まあ、半世紀近く前に死んだ人ですから。  微:高校生や大学生に訊いたら、「パイレーツ・オブ・カリビアン」か「ハリー・ポッター」の人でしょ、としか返ってこないよ。  苦:あと、クリスティアーノ・ロナウドでしょうね。せいぜい「サウダージ」くらいです。  微:さり気に「どれみふぁドーナッツ」のミドとファドを抹殺したな。  苦

          世界史漫才再構築版67:サラザール編

          世界史漫才再構築版66:ド・ゴール編

           微苦:ども、微苦笑問題です。  苦:今回は第2次世界大戦中にロンドンでレジスタンスを呼びかけ、フランス第五共和政初代大統領(任1959~69年)となったシャルル・ド・ゴールです。  微:安全な場所からラジオで煽ってただけの奴だな。  苦:まあ、ダンケルクから撤退した後はそうですが、ド・ゴールがいたからフランスは1944年に連合国入りし、国連安保理常任理事国の地位を得たのですから、大したもんです。  微:あ、そうか。ヴィシー政権は枢軸陣営だもんな。  苦:彼の家系は一応は貴族

          世界史漫才再構築版66:ド・ゴール編

          世界史漫才再構築版65:ホー・チ・ミン編

          苦:今回は「ホーおじさん」ことホー・チ・ミンです。  微:オレの一太郎は「放置民」と変換してくれるくらいカスタマイズされています。  苦:その前にシリアの文章を書いただけだろ!! ベトナム統一の偉大な指導者です。しかし国民に子どもから老人まで敬愛され、親しみを込めて「ホーおじさん」と呼ばれたんです。  微:スローガンが「ワン・ベトナム」だったんだよな。  苦:目的はそうですが、それは2019年のラグビー日本代表の合い言葉です。  微:まあ、ほぼ同じならいいだろっ!!(バシッ!

          世界史漫才再構築版65:ホー・チ・ミン編

          世界史漫才再構築版64:毛沢東編

          苦:今回は、毛沢東です。中国共産党の指導者で1949年に中華人民共和国を樹立しました。  微:そうだな、2022年は人工雪で盛り上がった北京オリンピックの年だったしな。  苦:また嫌みなことを。  微:オレはスノーボードのジャンプ台が人工雪で盛り上がったと言っただけだぞ。  苦:あの雪の下に何が埋められていたのかが、気になりましたが。  微:あざとくウイグルの選手まで開会式に呼んで。香港では盛り上がってなかったけど、なぜ?  苦:ボケにも限度があります。香港は民主化の最先端か

          世界史漫才再構築版64:毛沢東編

          世界史漫才再構築版63:蒋介石編

          苦:今回は蒋介石です。中華民国の軍人にして国家指導者で、1943年の米英中のカイロ会談にも参加、1945年のポツダム宣言ではスターリンのダミーとして名前だけが使用されました。  微:名義貸しは、詐欺やトラブルの元だぞ、おい。  苦:気安すぎんだよ、お前! 蒋介石は第二次世界大戦勝利後は戦勝国中華民国の総統となります。国連安保理の常任理事国の「中」は中華民国のことでした。  微:「ソ」はソマリアだったな(遠い目)。  苦:まだイタリアから独立してねえよ!! ソ連だよ、ソ連。  

          世界史漫才再構築版63:蒋介石編

          世界史漫才再構築版62:フランコ将軍編

          苦:今回はスペインに独裁者として君臨したフランコ将軍(任1939~75年)です。  微:大道芸のついでで数学教えている変な外国人だな。  苦:それはフランクルだよ! 20世紀スペインの独裁者です! 第2次世界大戦勃発前に中立のふりしてファシズム体制を作り、1975年まで君臨しました。  微:21世紀にまだ生きているナベツネには負けるな。  苦:個人的にはチリの独裁者ピノチェト以上に許せない人間のクズです! 反ソ連ならフランコでもマルコスでもスハルトでも、反イランであるならムバ

          世界史漫才再構築版62:フランコ将軍編

          世界史漫才再構築版61:ヒトラー編(後編)

           苦:今回は溜めに溜めたヒトラー編の続編です。  微:最初からなかったことにするかと思っていたのに、どっかの会社の計画倒産みたいに。  苦:ハイデガーとは違いますし、北朝鮮みたいにいつまでも続くのもね。アドルフ・ヒトラー(1889~1945)ですが、簡単におさらいしますね。  微:時数かせぎだな。  苦:国民社会主義ドイツ労働者党(ナチス)を結成し、反ユダヤ主義とセットのドイツ人=アーリア民族説を中心に据えた人種思想を掲げ、1929年の世界恐慌後のドイツ政界に彗星の如く現れま

          世界史漫才再構築版61:ヒトラー編(後編)

          世界史漫才再構築版60:ムッソリーニ編

           苦:今回は最初にファシズム体制を築いたイタリアのムッソリーニ(1883~1945年)です。  微:ヒトラーの足を引っ張って第二次世界大戦終結を速めた最大の功績者だな。  苦:いきなり皮肉かよ! フルネームはベニート・アミルカレ・アンドレア・ムッソリーニです。  微:ピカソには負けてるな。  苦:あれは「寿限無」レベルですから比べられる方がかわいそうです。  微:その腹いせにドイツにゲルニカ空爆を頼んだそうです。  苦:時間軸が狂っているよ!! 彼の父アレッサンドロは熱心な社

          世界史漫才再構築版60:ムッソリーニ編