社会人短期留学記1 -ボストンに帰る意味
2022年、私は干支を3周した。
そろそろ人生の折り返し地点が視界に入ってもいいはずなのに36歳の自分は見事なまでに「何も持たない者」だった。寅の中でも圧倒的強さが自慢らしい五黄の寅なのに自分の左右は気づけばポッカリ空いていた。ちょっとしたそよ風でフラフラしてしまいそうなくらい自分の軸を見失っていた。ガオーと威勢よく声を発するくせに、もたれかかる背中のない私は自分が思っている以上に弱かった。そう気づいた3周目の干支を迎えたあと、大きな波となって襲ってきたのは停滞による不安だっ