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うちの会社、実は〇〇の先駆者。創業14年目の冬、全力で自己紹介します。


「ところで、何をしている会社なんですか?」
株式会社アールナインnote編集部の中の人です。まだ少し暖かかった11月上旬、プライベートの知人とカフェでお茶を飲んでいた時のことです。雑談の中で自社の事業内容を聞かれました。

素朴で難しいご質問。「えっと『採用を支援』しています。イメージ沸きますか…?」と恐る恐る尋ねるも、相手は怪訝な顔に。そしてかなり悩んでいる様子。10秒以上の沈黙の後、返ってきた言葉は「…あ!退職者の再就職支援とかですか?」でした。全然違いますが、違うのは想定内です。

簡単に言うと、私たちは他の企業の採用を手伝っています。「え、その会社の人じゃない人が採用するってこと?」と驚かれた方。その通りです。なぜ?いつからそんなビジネスが?

今日は、採用を手伝う私たちのお仕事(英語を略してRPOと言います)を巡る、世間の方々の素朴な疑問を想像しながら、筆を執りました。

知らない世界をちょっとのぞくつもりで、気軽にお読みください。話を聞いたのは取締役のJPさんです。(※代表取締役含め全員あだ名で呼び合う文化。JPさんも普段、下の名前で呼ばれています)


■「知る機会がない」と言われる仕事を頑張って説明してみる

オフィスに現れるJPさん、メンバーの隣に座っては他愛ない話に花を咲かせる。

――ということで、もう創業14年目の冬ですが、採用を支援する私たちの事業内容、正直、私の家族もわかっていないと思います。JPさんはいつも採用活動で学生の方にどんなふうに伝えていますか?

JPさん イメージを伝えるだけなら意外と簡単なのよ。例えば…

大きな会社は採用活動の季節になると、日本の北から南まであちこちで会社説明会を開きます。でも、一つの会社に人事の人はそんなにたくさんいません。だから実は、全国にいるアールナインの仲間のうち人前でしゃべるのが上手な人が、お手伝いしています。みなさんが見たあの会社の方も、この会社の方も、実はアールナインの人だったかもしれませんね。

――確かに会社説明会は、一番、身近な例ですね。でも、実際は面接や面談もしています。単なる人手不足の解消にとどまらない、第三者が入ることのメリットもあります。こうしたことはうまく伝わりますか?

こういうビジネスがあること自体、多くの方は知る機会がないよ(笑)
公にすることを好まない企業もいらっしゃるからね。

■いつからこの世に?私たちは〇〇の先駆者だったのか!


――ところで、私たちは2009年に創業しましたが、企業の採用をお手伝いするRPOと呼ばれる仕事自体は、いつから日本にあるのですか?

何をもって「採用のお手伝い」と言うかによるけど、例えば、派遣社員の方がある企業の採用チームに派遣されて受付や電話の対応、書類の整理をする、そういう形の採用支援は昭和の昔からあったんだよ。

――採用に関係する事務作業のお手伝いですか?

そうだね。1990年代以降になると、派遣会社じゃなく、社員がお客様である企業先に常駐する形で採用事務を手伝う会社も出てきた。でも、これも事務のお手伝い。面接とかはしていなかったね。

――私たちのように事務だけではなく、面接などの選考にも第三者が入るようになったのはいつからですか。

日本がリーマンショックの不景気から回復し始めた2011年、うちが、ある会社から「不況の間に人事部員を営業部に異動させてしまった。採用を再開したくても人事に詳しい人が社内にいないから、2週間で50人面接官を用意してくれないか」と突然言われて、なんとか要望に応えた頃からですね(笑)

――それまでなかったのはなぜですか?

常識として「その会社の人にしかできない仕事」と思われていたんだよね。最近は選考の客観性とか公平性とか、第三者が入ることのメリットもあると認知されてきた。なので事務作業じゃなくて、選考までお手伝いするという意味の採用支援がいつ頃からあると聞かれれば、実は私たちが先駆者です

■なんで採用は、自分の会社だけで完結しない?



――とはいえ昔はどの会社も、自分たちで採用していたわけですね。今はできなくなったのですか。

確かに、高度経済成長期までは自社で完結していたね。バブル崩壊で経営が苦しくなって、多くの会社が、必ずしも社員で完結しなくていい仕事を必要に応じて外に切り出すようになった。採用事務もその一つですね。

――景気が戻ったら、われわれはどうなりますか?(笑)

一度外に出したものを中に戻すのは難しい。採用に限らず、経理や法務なども社外のプロに任せた方が確実で、時間も短縮できると考えるのは時代の流れです。更に第三者が加わることで、候補者をフラットに評価してうまく採用できるメリットも認知されてきていますね。

――なぜ社外の第三者が入ると、うまく採用できるのですか?

好き嫌いで候補者を判断しない客観性と、色んな会社を支援したノウハウを持っていることが大きいね。知っていますか?人事担当者って、会社の機密情報を扱うから差し迫った悩みを社外に打ち明け、相談する機会がほぼない。同じ悩みを持つ人がたくさんいても、自己解決を求められる世界です。

――それは「うちの会社、面接に来ても入社してくれない。何がまずいのか」といった悩みを同じ境遇の他社に聞けないということですか。

そんなこと口外したらまずいからね(笑)
だから色んな会社を支援して知見を蓄積する、私たちのような会社に需要があるんです。日本語だと採用「代行」とよく言われるんだけど、丸投げや楽することではない。自立できるようになるため、苦手な部分だけ外の人の知見を借りる。より良くするための工夫と言えないかな?

■選ぶ側か、選ばれる側か?変わる価値観

――ちなみに人事担当者って今、採用の何に悩んでいるんですか?
 
一昔前との最も大きな違いで言うと、価値観の変化だね。求職者に"選ばれなくなって"困っている会社が目立ちます。

――企業は、求職者を「選ぶ側」ではないのですか?

普通そう思うでしょう。でも働き方が多様化して、みんなが大企業を目指す時代じゃなくなってきた。昔は待っているだけで人が集まった有名な会社でさえ「いかにして求職者に選んでもらうか」を考える必要が出てきた。うちのような知名度の低い中小企業は昔からこの問題を考え続けてきたけど、その発想がなかった会社は今から何をどう変えるか。「選ばれる会社」になる努力が求められることに気づいた先にも、難しさは待っているよ。

――アールナインの従業員はこの1年ちょっとで2倍になりました。

みなさんのような方に選んでもらえてありがたいと思っています。会社をつくるのは人。採用って、人事経験がないと「合うか合わないかで選ぶだけでしょう?」とか思われがちなんだけど、イメージ以上にずっと専門的な知識がいる仕事です。われわれのような会社が、存在している理由とも言えるね。このお話は奥が深いので、また今度続きをしましょう。

終わり

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