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女神の名は・・・ part.XIV

みなさん、こんにちは。綺羅です。

今日もnoteをご覧いただき、ありがとうございます!


今月1日で、公務員を退職してから1年経ったのですが、まさかここまで、人を好きになれている自分がいるとは、思いませんでした。

「距離を置きながらも、人を好きな気持ちでいたい」という気持ちを、望んではいけないことではなかったと分かると、この先を生きるのに楽になれそうな気がしました。


昨日は、さらっとだけ書きましたのに、多くの「1周年お祝いメッセージ」をありがとうございました。

パソコンを開いて、たくさんの通知にびっくりしましたが、開いては泣き、開いては泣きの繰り返しでした。

フォロワー様をはじめ、全クリエイター様、ゲスト様に深い感謝を申し上げます。


春とはいえ、まだ少し小寒い日々が続いていますね。

そんな時、うちの柴犬のあの子も、家に上がり込んでストーブの前を陣取っていました。

ただし、今回はストーブの件について書きたいわけではありません。

ストーブでぬくもった後、彼女はいつも寝ていたのですが、その光景を見ていると、つっこみたくてつっこみたくて、仕方がない衝動に駆られていました。

そんな、柴犬彼女の、摩訶不思議な寝相と寝場所についての出来事です。



🐕


こんな経験をしたのは、初めてだと思う。

十何年間生きてきて、これほどまでに、食堂の椅子を極力動かさないで、身体をねじらせながら、椅子から降りる作業に集中している。

どうしてこんなことをしているのか?

不思議な動きを強いられる状況に、あの子なしで語られることなどあり得ようか?!いや、あり得ない!!

……どうしてこうなったのか、私が知りたい。


どうしてキミは、私の椅子と食堂のテーブルに、身体を挟ませて寝てるんだ!!

しかも、それだけでは飽き足らずなのか、どうして椅子の脚に首を置いているのだね?!

私は椅子の上で体育座りをして、テーブルと椅子の距離を詰めすぎているせいで、降りられないではないか!!

キミ、他の場所を散々陣取っているのに、なぜにそこで寝るのかね?!?!

こんなややこしい、狭い場所で、なんで、わざわざ、ここ?!?!


私の足下で上下に揺れている赤毛のもふもふは、ストーブからの温かなそよ風を受けながら、ゆったり安眠している……そしておまけに、いびきまでかいている。

”フーちゃん”、なんて可愛い雰囲気を漂わせながら名前読んでるけれど、あなたの本名は、可愛いどころか神さまのお名前を借りてるんだからね、その辺自覚してよ。

そんなことを言っても、『わたし、フーちゃんだから。』と言い切ってしまうのが、フーちゃんクオリティー。


「フーちゃん、ちょーっと、どくのって無理かな?」

呼び声に、半分だけ目を開けて、私を見て一言。

『むり。フーちゃんねてる。』

……いや、起きてるじゃん!起きて会話したじゃん、今!!

「どうしても?本当、一歩でも、右か左か前に動いてくれるだけでいいんだけでなぁ~。」

『きらちゃんおりられるから、だいじょうぶだよ。フーちゃんここでねるの。おこさないで。』

ちょっとだけゆさゆさと揺らすと、母が、

「綺羅、フーちゃんが寝てるから起こしちゃだめよ。」

と、私の行動を制止してくる。

椅子から降りられないことも抗議してみたら、

「そんなの、柔軟体操すると思って、工夫して椅子から降りればいいじゃない。」

と、一刀両断されてしまった。

いや、柔軟体操?まあそうだけど、……いや、なんで柔軟体操をすることに納得しようとしてるんだ、私!!


フーちゃんが私の家に来てくれて、確かになったことがある。

それは自分自身、こうしてノリツッコミができたんだなって気が付いたこと。

そもそも「自分自身へのダメ出し」が当たり前になっていて、こうして楽しい気持ちでできるものだと気が付けなかった。

人間の友だちのノリツッコミでさえも、ビクビクしながら聞いていたのに、フーちゃんは、私にノリツッコミを、好きなだけ言わせているような気もした。

おそらく彼女には、私が「人間不信」だとか「人に苦手意識がある」と伝わっているはずで、犬の扱いも自分が初めてで、家族ながらもビクビクしている様子が、伝わっているだろう。

それでも、人間的に「ダメな私」でも、一緒にいてくれるこの子は優しい。


と、ここまで思考を馳せておいて、実際問題、椅子からどう降りるかを考えることが先決だった。

いい加減、この場所から離れたいのに、ちょっと椅子を動かすとフーちゃんの首を椅子の脚で押してしまいそうになるし、かといって、テーブルを動かすにも、まだ食事している家族がいるから、動かせるわけもない。

「フーちゃーん、ほんの一瞬でいいから、ほんの10秒くらいでいいから、椅子の脚から首を降ろしてくれないなかぁ…」

とうとう我慢できなくなった私は、かなりゆっくりと彼女の首をずらし始めた。

『えー、きらちゃんなにしてるのー?フーちゃんねてるだけなのにー…』

気持ちよく寝ていた所を無理矢理起こされ、ジト目で見られて、私の良心が痛む。

ううっ、そんな目で見ないで!

なんだか私が、すごく悪いことをしてしまった気がする。

さっさと椅子から降りて、フーちゃんの首の位置を整えて、隣の部屋のこたつに直行した。

改めてこたつから彼女を眺めると、また自分で寝相を仰向けに整えて、寝ていた。

椅子の脚とテーブルの間という、なんとも狭い位置で気持ちよく寝ている姿は、呆れることを通り越して、もはや笑いしか出て来ない。


ノリツッコミは、最後に笑えるような結末にもっていくのが、最高の使い方なんだろうな。

乗っていくのも、突っ込むのも、ただ調子にのるわけじゃなくて、こうやって、関係を深めていくことに、使えるんだね。

私たち人間は、ノリツッコミを使う意味なんて、いちいち考えないけれど、改めて聞かれることがあるとしたら、何て応えるのだろうか。

人間じゃないのに、どうしてそんなに大切なことが分かるの?

そんなことを思いながら、私は心地良いぬくもりの中で、眠った。

女神の名は・・・____。


次に起きた時には、目の前にふーちゃんのお尻が「どん!」とあって、私一人でノリツッコミで騒いでいたことは、言うまでもない。



🐕

みなさんからのスキに、元気をいただけてありがたく思っています。

この記事にお時間をいただき、ありがとうございました!


それでは、今日はここまでです。

みなさん、いい夜をお迎えくださいね。



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