或いはまた

間違いを探したら
答えが見つかった
緑のクローバーの中に
眠る間に夕日にのまれる
朝凪色の風に乗って
ブーメランみたいなカモメが
綺麗な曲線で　一日をめくる
僕は君を待っていたけれど
君は一日だけをスキップして
明日の方へ行ってしまったのか
黒い封書に沈められた
星の数の暗号は
デジタル信号の01で
読み解けばそれは
イツマデモ
ネムッテナイデ
サッサトオキナサイ！
だって
グリーンの空に伸びをし

ちゃんと笑えるようになるってこと

そーゆーことだよ

クリームソーダカルピスライム

夏感。どんなグラスに注ぐかもポイントかも。

旅と日常の

僕が遠くの大陸へ行くと言った時

あなたが手渡してくれたのは　おにぎりでしたね

凍てついた大地を走るグレイハウンドから

水色のオーロラを見て　それを食べたんだよ

おにぎりはその時　確かに無くなったんだけど

今でもずっと　僕のこころを満たしてくれてる

今でもずっと　これからもずっと

あなたは私の　お母さん

八割人間

「ニ・八で人間打ってます」

通は通でも新参は、やっぱり十割なんて言うけれど

プロの僕から言わせてみれば、美味いのは、どうしてニ・八、ニ・八人間。

断然コシが、違うのさ。

え？残りの二割がなんなのかって、それは企業秘密だよ。

でもお客さん、あんたは見込みあるから教えてやるよ。

残りの二割はダイナソー。

驚いた？

でもお客さん、奴らは将来、鳥になるんだ。

だからやっぱり人間は、ニ・八

不揃い人間

マスに括られることを拒絶した人間は　

商品棚には並ばなかった

彼は価値の無い人間とされたが

価値のある人間とされた人々の　

痛ましく顔形を削られたのを見て思った

幸福と価値の乖離した世界で　

決して自分を間引いてはならないと

望郷の月

電気を消した部屋で　ブラインド開けて　若者の音楽を流しながら　夜明かりの街を眺めて　過ぎた半生を吟味すれば　今まで好きと言えなかったことと　愛から遠く離れた安らぎのことが　望郷の月の如く　僕を見つめて来る

言葉の源泉

言葉は、護る事で威力を発揮する。
鞘に納まっている時が最も力がある。
抜けた時には、その余韻だけが届き、その余韻から意味が解される。

言葉の源泉を湛えて、その表出をいちいち取り沙汰するな。

本質は常に静けさとともにあって、光は失われる事はない。

イケてるやつら

卸したての服の所為で、トマトパスタが食えないっていうような、三万のスニーカー履いても、この街からさえも出られないような、やさしい人間関係で、自分を絞め殺すような、眠ったままで、青春を過ごすような、そんなクソなことで、生きてるって、言えるんか？

やりたいことで突っ走れ

外から見ると、日本人はよく我慢をする。我を出さない。お互い譲り合うが、そのせいで自分の気持ちを見失ってしまう事も多いようだ。

ああしなさいこうしなさい、これをしては駄目あれをしては駄目、見えない境界線を引っ張って、我々はその中に囚われている。辛辣に言えばブロイラー。自虐的に言えば社畜。鉄郎に言わせれば社会の部品。事実的に言えば集団主義で組織的。

その中で個人は圧殺され、他人の幸せでしか自分の幸

青空を撃ち抜いて

向かい合う机の木の面が
ため息を吸い込んで
クラスの喧騒を和らげる

遠い窓辺から　
漂流する雲を呼び込み
呑気な退屈がもくもく　製造される

口パクだけ　バカ話の空しさを割って
胸に打ち込まれた
一言の弾丸が

孤独を埋めて　僕を甦らせた

君は礼も受け取らず　颯爽と去る
青春の荒野を駆る　流離の人

まるで季節を変えた　風のようさ

言葉を作り過ぎると　駄菓子みたいな味になる　味だけ濃くて風味がなく　痛く乾いているのに後味を残す。

ウンザリする味だ。見た目は綺麗なんだけど。

痛覚

僕のところに　風は吹かない

沈黙の壁に囲われてる

壁の外の林を走り廻る　ギザギザの　朽ちた稲妻が飛んできて

これでもかと　肌に擦り傷をつけてく

奴ら　弓張り月の目をして　人の苦悶を餌にしてる　

暗黒によく似合う赤い瞳

声は鈍く澱んでいて　音程は高くとも転がれない旋律で　鼓膜を殴打する

奴ら喜んでる　餓えた生存を

奴ら芝居がかって　虚ろを切り裂く　カマイタチ

滾らせろ　血潮　煌々と

名前　忘れたのかよ？

膜がかかったような

世界に生きてた

ふとそれが破れて

みずみずしい風を受けた

何時も真面目な君が

不意に笑ったので

僕のもんもんとした疑いは

すっかり晴れてしまったのさ

あぁ世界は

こんなにも静かに輝いていたのだ

はじめて名前を　憶えた時のように

全てが鮮明に知られた

僕はその言葉と世界をこう呼ぼうと思う

国

と

野に聴く花の

俺の腕は太すぎるので

闘いには向いてない

俺の言葉は明るすぎるので

闘いには向いてない

そう言って忍耐を貫く人々は見た

細腕と　

息の短い言葉で　

虚勢を張っていた者共の　

力尽きて費えるのを

野の花が　その痕跡を埋めてしまう　瞬きの間も

月の台地

透けた扉に　幾つも世界が結球し

光を宿さない瞳が　その倍の数だけ視線を繰る

虚白に抜かれた　

声は途絶えた

息の仕方を　忘れた

膝を抱いて水底に行く　

青に濡れた身体で

秒針の刻む音を頼りに

ささやかな言珠で

櫓を漕いだ

逃げよう

逃げよう

探し物があるわけじゃないよ

逃げよう

逃げよう

何処へ向いても　終には朝が来てしまうのなら

記憶の支配の及ばない

月の台地の