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鳥かごの鍵

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彼氏がいるのに、7歳下のイケメンに恋してしまう。 揺れる気持ちと罪悪感との闘い。 鳥かごとは? 鍵とは? ドキドキしながら最後まで読んで下さい。
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2019年6月の記事一覧

鳥かごの鍵 15

鳥かごの鍵 15

彼は私の家に来た。

「何か映画でも見よう。
古い映画でも見る?」

彼が私の家のテレビで映画を探している。

私はコーヒーを入れて、
彼から少し離れたところに座る。

彼が少し前に流行った映画を再生し始めた。
「なんで離れて座ってるの?こっち来なよ。」と、

私を自分の隣に座らせた。

映画はつまらなかった。

私は時計ばかり気にしていた。

18時半…

もしかしたら月からメールが来ているかも

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鳥かごの鍵 14

鳥かごの鍵 14

今日は土曜日。

お隣の白い大きな家の男の子は学校がお休み。
お母さんの怒鳴り声のしない静かな朝だった。

私は仕事に行く支度をして家を出る。

今日は土曜日なので病院は半日だけ、
午後は気分転換もかねて、
洋服でも買いに行こうと考えていた。

しかし、
病院は思ったより混んで終わったのは14時を過ぎていた。

私が病院を出て駅に向かっていると、

彼からLINEが来た、

「今日は会える?今病院

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鳥かごの鍵 13

鳥かごの鍵 13

午後の仕事は全く集中出来なかった。

気は付くと診察終了の時間だった。

私はゆっくり着替えて病院を出た。
こんなに近くにいるなんて、
これは運命?
でもどう見ても年下だよね。

私はそんなことを考えながら、
駅に向かって歩いていると、
彼からLINEが入った。

「仕事終わった?ご飯一緒に食べない?」

私は彼に会う気分になれなかった。
また会社の愚痴を聞かされて、
体を求められるだけだから…

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鳥かごの鍵 12

鳥かごの鍵 12

えっ??
イケメン店員くん?
確か今日のお昼、
イケメン店員くんもロコモコ丼買ってたよね…
まさかね…

うそでしょ?

こんなことあるの?

私は狭い部屋の中をぐるぐる歩き回った。

あっ!返信しないと!

「今流行ってるよね、おいしそう!」

こんな短い文を打つのがやっとだった。

「おいしかったよ!
明日は休みで、友達と朝から釣りに行くから、
今日はもう寝るね、おやすみ。」

「そーなんだ、

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鳥かごの鍵 11

鳥かごの鍵 11

午後の診察もいつも通り終わり、
私は家に帰る。
なぜか心は重かった。

彼のことを考えると心が重くなった。
私は彼を裏切っている…
でも気持ちを抑えることが出来なかった。

家に帰ってご飯を食べてお風呂に入る、
今日は月からメールが来ない。

自分からメールするか迷っていた。

「もうメールはしない」

そう決断出来たら、楽になれるのに、
私は意志が弱い人間だ…

10時過ぎに「月」からメールが来

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鳥かごの鍵 10

鳥かごの鍵 10

いつも通り7時40分に起きると、
「月」からおはようとメールが来ていた。

「おはよう。」

私も短いメールを送った。

些細な幸せ。

私は朝からにやにやして支度をはじめた。

今日はいい天気、1日がんばろう。

私はインコに餌をあげて家を出た。

病院に着くと、
なつが今日のお昼これにしよう!とスマホを見せて来た。

それは今流行っている「ロコモコ丼」の移動販売が、
今日のお昼の近くに来るとい

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鳥かごの鍵 9

鳥かごの鍵 9

私は野菜を切りながら、
返信の内容を考えていた。

お風呂が沸き私は湯舟に浸かりながら、
まだ返信の内容を考えていた。

お風呂の時計を見ると、
メールが来て40分は過ぎていた。

私はお風呂から出て「月」にメールをする。

「こんばんは、仕事お疲れさま、今日は暑かったね。
昨日は友達が泊まりに来たからバタバタしてました。
私は今、夜ごはん作ってました、月は何してるの?」

色々考えて出来た文がこ

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鳥かごの鍵 8

鳥かごの鍵 8

私は「ありがとう」と言って
月の描いてあるクーポン券をもらいお店を出た。

6月なのに夏のように日差しが強い、
私達は足早に病院に帰った。

午後は患者さんが少なかった。

18時なり診察が終わり、私達は帰り支度を始めた。

私はすぐに更衣室に行って、
スマホをチェックしたが、
「月」からのメールはない。

私は着替えて家に帰る、
今日の夜ごはんは昨日買ったお肉でも焼こうと、
ボーっと考えながら歩

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鳥かごの鍵 7

鳥かごの鍵 7

目が覚めると彼はもう着替えていた。
私は急いで起きて、
「コーヒーでも入れる?」
と彼に聞くと、
「もう出るからいらないよ。
寝てていいよ、勝手に出るから。」

と髪を整えながら彼が答える。

「ごめん起きれなくて」

私が謝ると彼は私に軽くキスをして、
「いいよ、9時に家出るんだろ?
もう少し寝れるよ。じゃいってきます。」

「いってらっしゃい。」

彼は足早に家を出た。

時計を見ると、7時少

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鳥かごの鍵 6

鳥かごの鍵 6

私達はお互いの近況を話す。

私は同僚の浮気の話しはしなかった。
なぜかその話しはしたくなかった。
彼は相変わらず会社の愚痴を言っている。

お互い本心を隠している。
そんな感じがした。

時計を見るともう9時になっていた、
「もう帰るの面倒だから、今日は泊まってもいい?」

と彼が聞いて来た。

「えっ?あっ!いいよ。」

私は少し返事に困った、
夜は「月」と話そうと思っていたからだ。

「なん

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鳥かごの鍵 5

鳥かごの鍵 5

私は顔を洗い冷静になった、
「私何してるんだろ!彼がいるのに!」

と大きな声で独り言を言って洗濯を始めた、
お休みの日はいつもシーツを洗濯する。

私は洗濯を終え、ベランダにシーツを干して、
「月」からのメールに返信するか考えていた。

このままメールを続けていいのかな?
彼を裏切っている訳じゃないし、
男友達とメールしているだけだもん!
悪いことはしていない!
と自分に言い聞かせる、
でもなぜ

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鳥かごの鍵 4

鳥かごの鍵 4

1人が好き。
毎日誰かと一緒にいると疲れてしまう。
でも1人じゃ寂しい時もある。

私って本当にわがまま、
これじゃ結婚は遠い未来だな…

私は寂しさを紛らわす為にスマホを見る。
目的もなく、色々な記事を見ていると、
人気のアプリの紹介の記事があった。

「出会い系ではない、新しい暇つぶしアプリ」

こんな記事が載っていた、

アプリのアイコンがさっきカフェに貼ってあった月の写真と同じだったので気

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鳥かごの鍵 3

鳥かごの鍵 3

仕事中に、
今夜のデートでの会話を色々と考えていたのに…
同僚の不倫話や病院の近くに出来たカフェの話など、
また今度話そう!

明日は仕事がお休み、
家に帰っても暇なので、
久し振りに彼と出会ったカフェに向かった。

久し振りのお一人様カフェ、
カフェで軽くご飯を食べてコーヒーを飲む。
壁を見ると新しい大きな月の写真が貼ってある。
あんな写真昔は無かったよね?なんて考えていると、

「ガシャン!」

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鳥かごの鍵 2

鳥かごの鍵 2

私達はカフェで知り合った、
いつも行くお気に入りのカフェにいつも一人で来ていたのが彼だった。

お互いいつも居る人だなと思っていながら声をかけることは無かった。

そんなある日、カフェから出ると急に大雨になり、
私が困っていると、
彼が「良かったら駅までご一緒にどうですか?」と傘に入れてくれた、
それがきっかけで私達は付き合うことになった。

あれからもう2年か…

ボーとしていると時計はもう8時

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