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「世界標準の子育て」前編

先日こんまりさんがインスタでおすすめ子育て本を3冊紹介していて、その中の1冊が「世界標準の子育て」でした。

最近コレ系の言い切り育児本は多く出ていてよく書店で見かけるのですが(題名がハッキリとわかりやすいもの「最強の」とか、)、どれを見てもそれなりに育児の役に立つので、要約してお伝えします。


「世界標準の子育て」  著・船津徹

帯にはこんなことが書かれています。

「勉強ができて 人に好かれて 心の強い子が育つ」
「環境や時代の変化に負けないたくましい子どもを育てる方法」
「子育てには、「正解」があります」


【はじめに】
今までの日本のあまり変わらないスタイル、6歳までは家庭で「しつけ」を伝え、小学校からは学校で教科学習を通して「学力を身につける」と言う方法。
これからはその「しつけ・読み書き計算」だけでは足りず、「思考力・問題解決能力・コミュニケーション能力・強い心」などもプラスして育てる必要がある。

この本は、子どもをエリートにするための本ではない。
どんな環境になったとしても、子どもがたくましく、希望を持ちながら自分らしい人生を生きていってもらうために、私たちは何をしてあげられるかを考える本。



第一章
世界標準の子育て 3つの条件
「自信・考える力・コミュニケーション能力」

①自信


子育ての90%は自信を育てられるかどうかにかかっている。子育ては自信育て。
「自分は出来る」という成功体験が、新たなチャレンジを恐れない勇気と根性に満ち溢れた子に育つ。

その自信をどう育てるか?
干渉を減らして成功体験を積ませる子育てを=
自信は「自分の意思で物事に取り組んだ時」に成功体験となる。日本では集団や礼儀を重視するので育ちにくい。最低限の公共のマナーは守りつつも、極力「ダメ!」を減らす。
そして過干渉を減らす。過干渉は必ず子どもからやる気を奪い、自信を減退させます。手出し口出しをグッと堪える。

しかししつけも必要。
*自信を育てるには自由に行動させる。
*しつけるためには行動を制限させる。(生命の安全は守る)
このバランスの良さを求められる。
欧米では子どもも1人の人格者、人前で叱らないのも子どものプライドを潰さないための配慮。
自分の行動に責任を持つこと、自分の行動を自分で抑制することを教える。
それが出来ると自信につながる。


②考える力


一体何を信じたらいいかわからなくなる情報社会で、自分で考えて判断する力は必須=
・情報を見極める力
・常識を疑う力
・未来を予測する力
・多面的に考えられる力
・自分の意思を検討する力
これらが無いと、振り回される。
今までの価値観や常識を超えて自分で開拓していかねばならない。自分の強みを知り、どんな人生を歩みたいのか、それを実現するためにどう行動すべきか、その答えを得るには「考える力」が必要。

答えのない問題の答えを考えていくことが重要。
論理的思考力・分析力・批判的思考力・問題発見力・問題解決力などのソフトスキル(数値で評価できる知識や技術がハードスキル)が教育の主流になってきている。


③コミュニケーション能力


=高いコミュニケーション能力で、良質な人間関係をつくる

これまでは日本人同士でやり方を教えなくともなんとなくコミュニケーションが取れると思われていたが、外国人や多様な価値観が増えた為、誰もがわかるようなコミュニケーション能力を育てなければ、多くの障害が生まれてくる。

その為に、まずは親がお手本となり笑顔で挨拶を。笑顔を作り挨拶をすることはコミュニケーションの基本。
他、相手の目を見て伝える・自分の考えを正確に伝える・人の話を最後まで聞くという付き合いのルールを教えるのは親の役割。


第二章
海外の子育て・日本の子育て
「日本との違い・日本の教育にない視点」

=北欧・教育水準が高い=


*母親のストレス軽減のために父親が家事育児参加(育休取得など)。母親の余裕(明るくニコニコ)が良い子育てに繋がるから。
子どもの自信を作るのは、心の土台を形成される6歳までの母親とのスキンシップ。出来るだけ雑用は父親が行い、母と子の時間を確保する。

*一方7歳以降は父親が社会のルール・人付き合い・知恵・技術・能力など社会との関わり方を教えることが良い。父親との時間が長ければ長いほど、子どもの将来の自分の仕事への満足度は高かった。


=アメリカ・褒めて自立を促す=

*成長や達成を褒めることで子どもの自立を促せる。「自分でできた!」


アメリカ・自分の意思で行動できた→褒める=自立を促す
日本・言うことを聞けた→褒める=従順を促す

従順では、大人にとって都合がいいだけで、自立心は育たない。
成長を認められて褒められて育つと、自発的なやる気も強くなり意欲的になる。

*褒める時は良い部分を具体的に褒めて「強み」を育てる


=韓国・世界一教育熱心な国=


*グローバル化が進むが、勉強一辺倒の教育で挫折者多数
韓国は学歴社会と同時に職業序列がある、年収も大企業と中小企業では2倍近く違うので、みんな必死に勉強する。そしてグローバル化が急激に進み英語力が飛躍的に向上した。しかし、挫折から立ち上がる力などの強い心が育っていないため、ドロップアウトも多い。


=中国・甘やかしとプレッシャーが混在する=

*両親2人と祖父母4人で1人の子どもを育てる環境。甘やかしが自尊心を育て、子どものやる気を引き出している。しかし、勉強には甘やかしはなく、早期教育によるプレッシャーは過大で潰れる子どもも。


=インド・政界で活躍する理数系人材を輩出する=

インドには理数系が強い人が多い。
*公式の暗記ではなく、思考力を鍛える暗算教育がその要因。
機械的ではなく、「どうしたら?Who?」と言う頭の使い方を身に付けさせている。


=アジア諸国の問題点=


*アジア諸国の子育ては、ハードスキル(知識)に偏っている。
アジアの子どもに共通するのは「ガリ勉で内弁慶タイプ」
ソフトスキルとのバランスが大事。世界のトレンドは学力+ソフトスキル
近い内に日本の大学も「総合力(リーダーシップ・社会性・協調性・創造力・問題解決能力等)」重視型の入試に切り替わっていく。

ハーバード大学ハワード博士は「どれだけ頭が良いかではない、どのように頭が良いかなのだ」と言っている。自分の強みを知り、それを伸ばし、自己の能力をフルに発揮できる、そんな人材が未来社会には必要。


第三章
日本人の子育て7つの間違い
「日本人が当然と思っている、7つのやってはいけないこと」

①人に迷惑をかけない子育てで自尊心の低い子に。子どもは迷惑をかけるもの、受け入れて自尊感情を高める。


人の目を親が気にしすぎる。周囲の迷惑にならないようにと考えすぎず、理由を説明して子ども自ら自分の行動をコントロールしていけるように。
大きな挫折をした時、子どもの心を支えるのは、「あなたはあなたのままでいい」と言う親からもらってきたメッセージ。何があってもあなたを見放さないというスタンスが子どもをタフにする。


②愛情のすれ違いで臆病な子に。シャイの原因は愛情の実感不足。もっとスキンシップを。


肌と肌の触れ合いが大事、そして「愛しているよ」ときちんと言葉で伝えることも大切。不安を訴えるサイン(学校へ行きたくないと泣いたり、チック症状が出たり、反抗的な態度を取ったり)を見つけた時は、とにかく触れ合う。


③否定・命令言葉でキレる子に。「ダメ」と言って育てると、反抗心の強い子になってしまう。


親のイライラは子どもに伝染するので上機嫌を心がける。
しつけをする時は結論だけでなく理由も説明する。日頃から良い言葉を人前でかけていると(かわいいね、えらいねなど)押さえつけなくてもしつけはしやすい。


④せきたて子育てで「ムリムリ」な子に。早く早くと言って育てると消極的な子に。


上手くやらなきゃと効率主義が子育てにも影響して、プレッシャーとなる。何度も失敗している内に、自分はダメだと自信を失う。
焦りの子育ては必ず失敗する。逆に親が寛大で居ると子どもは気楽になり今までできなかったことが嘘のようにできるようになる。


⑤兄弟姉妹は平等にでは家庭で問題が起きる。「上の子」を中心に育てることで兄弟は仲良くなる。


兄弟が生まれた途端、母親の自分への愛情があるか不安になり赤ちゃん返りをする。下の子は生まれた時から親の愛情は100%独り占めできないものと言う前提でいるので、心配せず上の子を優先してあげるといい。


⑥学校任せで勉強嫌いな子に。勉強で必要なのは「学習態度」であり、親が育てるべきこと。


勉強ができる子の資質。
1:諦めない
2:自制心がある
3:人の話を聞ける
4:柔軟に思考できる
5:正確さを追求する
6:チャレンジを恐れない
これらの学習態度を家庭で育てるのが大事。 


⑦身内への悪口で友達ができない子に 。身内への悪口謙遜は子どもの人格を歪める原因になる。


悪口を聞かされて育った子どもは、周囲の人をバカにするようになる。そのような子どもは学校で友達ができにくく、仲間外れにされやすい、いじめの対象にされやすいといった傾向にある。
子どもへの謙遜もあまり良くない。

<子どもに使ってはいけないNGフレーズ>
ダメ・いけません・早く・急いで・ちゃんとして・しなさい・片づけなさい・言うことを聞きなさい・下手ね〜・バカね〜・グズね〜・お兄ちゃんなのに・他の子はできるのに・もう知らない・いい加減にして・もう嫌い・勝手にしなさい・何度言ったらわかるの?前も言ったでしょ


前編1〜3章では、知識編を要約しました。
4章からは、実践編です。

4章「自信を育てる3つのステージ」
5章「考える力を育てる3つのステージ」
6章「コミュニケーション能力を育てる3つのステージ」

そして7章で「子育ての壁への対処法」が紹介されます。
イヤイヤ期、マナー、ゲーム等の向き合い方、思春期などなど。

中編4〜6章、後編7章に分けて次に紹介しますね。


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