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「暮らし」という言葉

生活することを「暮らし」という。
日が暮れるまでの間に何かをして過ごす。
“日を暮らさせる”が語源のようだ。
 
「過ごす」も似ている。
今日一日を「やり過ごす」という意味。
 
なんだか時間を無駄にしているような表現にも思えるが、
私には「今日もなんとか日が暮れるまで無事に生き抜くことができた」という意味が込められているようにも感じられた。

時間が過ぎゆくこと、いわゆる「生きること」をとても有難いこととして、ともすれば、すぐにかき消えてしまう命をつなぐことを使命として、淡々と受け入れているような言葉にも思える。
 
一方、英語の場合「暮らし」は「Live」=生きる。
過ごすは「Spend」=消費するの意味だ。
 
こちらは、とても積極的で、無駄な時間を過ごすことを「消費」ととらえている。
日本語とのニュアンスの違いもあるだろうが、生き抜くためには常にアグレッシブに行動するべきという思考を感じ取れはしないか。

豊かだが恐ろしい自然の中に生き、自然に生かされてきた日本人と、自然を自らの手で切り開き、自然を制してきた欧米人の「命」のとらえ方を、この言葉の違いに見たような気がした。

あなたの「生きる」はどちらですか?


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