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無駄口

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放り込まれた雑文たち
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チチンプイプイで何も飛ばしてやれないが

チチンプイプイで何も飛ばしてやれないが

そろそろチチンプイプイとかいう古風な呪文をアップデートしないと現代っ子に蔑まれちゃう…

と、ふと思ったのだけど、

そもそもチチンプイプイ的なおまじないは今の子達にも通じるのだろうか。

もしかしたら私たちが知らないだけで、現代っ子たちの間ではチチンプイプイごときで何も解決しないというのが共通認識として、とっくのとうに普及している可能性無きにしも非ずである。

それに気付かず、転んだ子に駆け寄っ

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クリスマス気分を引きずっていると潰されるという話

クリスマス気分を引きずっていると潰されるという話

毎年、クリスマスイブは悲しい気持ちになってしまう。

クリスマスイブになったということはクリスマスがいよいよ翌日に迫っているということであり、つまりは、クリスマスを心待ちに浮き足立っていた街が 何事もなかったかのようにクリスマスらしさを消し去る日が近づいているということなわけで、もう大変につらい。

数ある行事の中でも、クリスマスほど完成度の高いものはそうないのではないか。

子供がみるべき夢も大

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キミは本当にまじめで素直ないい子だった

キミは本当にまじめで素直ないい子だった

久しぶり。元気にしていますか?

ふと、月を見上げていたらキミの顔が浮かんだのでメールしています。

もうあれから5年経つのかと思うと、月日がたつのは早いなぁなんて月並みなことを考えています。(月の3段重ねなんて僕は言葉の魔術師だね)

当時の僕は、思い返してみれば恥ずかしいのですが、少女マンガのようなロマンチックな恋愛に憧れていたようなのです。

キミといると、普段の僕からは想像もできないような

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モスキートハンターの夜明け

モスキートハンターの夜明け

家の隣が山とあり、夏は蚊に悩まされる。1日5匹くらいは、ほぼ間違いなく迷い込んでくる。

そんな環境で育ったからだろうか、蚊を殺すことにものすごく長けている。

もはや家族に称賛される水準にまで達し、自室にいても「ちょっと来て!蚊がいるから!」と援軍扱いされる。

正直、悪い気はしない。

そこでふと思った。これ、私の天職ではないだろうか、と。モスキートハンターとかなれるんじゃないか、と。

昨年

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「ただ感じろ」―モスキートハンターが残したメッセージ

「ただ感じろ」―モスキートハンターが残したメッセージ

先日、モスキートハンターを名乗る女がストローをくわえながら通行人を追いかけ回す迷惑行為をはたらき、警官にその場で取り押さえられた事件は記憶に新しい。

ここで紹介するのは、その女が落とした手帳の1ページである。

モスキートハンターなる職業があるかどうかは定かではないが、少なくともこれを読む限り、女はプロ意識をもってその活動に取り組んでいたことがわかる。

――○月×日

今日はポッチュラ族に奥義

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「でも、あんまりくよくよしないでね」

「でも、あんまりくよくよしないでね」

ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞に驚きつつ、友部正人のことを思った。

「日本のボブ・ディラン」という表現はあまり好きではないけれど、私にとってそれは吉田拓郎でも井上陽水でも岡林信康でもなく、圧倒的に友部正人だ(同じ癖っ毛だからではない)。

大学生の頃、仲の良かった先輩にライブに誘ってもらった。会場は神楽坂の小さな劇場で、聞くところによると既に閉館してしまったらしい。

ステージに立つ友部正人

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