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双極性障害の事実(研究結果などのまとめ)

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ドイツ語で調査した双極性障害に関する論文や記事を翻訳して載せています。文責とその権利は、各出典元に属します。
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記事一覧

【原文ドイツ語の双極性障害関連記事】(4)双極性障害の人たちは頭がいいの?

双極性障害のエピソードは脳の体積を狭めるだけではなく、知能も低下させる可能性があると言われている。例外なく、すべての双極性障害の患者は、躁状態と鬱状態のエピソードを繰り返すことによって、脳の中の灰白質がダメージを受けることがわかっている。

これは、躁と鬱が交互に現れる双極性障害を患う21人の患者を対象にした研究結果だ。4年間の観察期間中、躁と鬱を1~6回繰り返していた患者の脳を1年目と4年目にM

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【原文ドイツ語の双極性障害関連記事】(3) 発症までの流れ

双極性障害発症までの流れ

多くの場合、成人するくらいの年である20歳くらいで、初期症状が現れます。患者の約半分が、始めに鬱状態を経験します。この時点では、双極性障害だと意識する人はほとんどいませんので、正しい治療は行われません。双極性障害の診断を受けるのは、ほとんどの場合、患者が30歳くらいになってからです。そして、その時に、初めて入院するということが珍しくありません。

双極性障害2型は、症状

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【原文ドイツ語の双極性障害関連記事(2)発症の原因】

「双極性障害の発症の原因と発症までのプロセス」

双極性障害の発症には、様々な原因と思われる理由があります。今日、ほとんどの研究者は、生物学的、精神的、そして社会的な原因の相互作用により、発症するものだという見解を示しています。

双極性障害は、遺伝が関与している可能性が高く、「遺伝的脆弱性」があると考えられています。 また、この病気では、神経伝達物質(情報を伝達する脳内物質)のバランスが崩れてい

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【原文ドイツ語の双極性障害関連記事(1)】「双極性障害の脳内はどうなってるの?」

「双極性障害の脳内はどうなってるの?」
双極性障害は、脳の疾患であると多くの研究が結果を出しています。それらの研究では、「脳の代謝」と「脳内物質」(ドパミン、ノロアドレナリン、セロトニン、GABA)が正常に働かないことが医学的に証明されています。

双極性障害は、確実に遺伝するものではないとされていますが、世代によって受け継がれていくことも確かです。人生の出来事の中でストレスが大きいものが、双極性

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双極性障害とうつ病は根本的に違うという医学的根拠について

こちらに本文が載っています。https://www.amed.go.jp/news/release_20171130-01.html

上記の記事は、山口大学大学院の松尾幸治准教授、原田健一郎助教、山形弘隆講師、渡邉義文特命教授らの共同研究グループが、日常診療で使用するMRIを用いて脳の画像を撮り、多数の双極性障害(躁うつ病)とうつ病の患者さんの脳の体積を計測したところ、双極性障害の患者さんはうつ

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